ビアンキのロードバイクですが、2018年モデルはホームページでの車体重量の公表がありません。
2017年までは行っていましたので、何らかの事情があって取りやめたと推測しますが、詳細は不明です。
ただ、ロードバイクは「持ち歩く」ものではありませんので、物理的な重量以上に大切なこともあります。
今回は、そんなロードバイクの重量についてのお話です。
ビアンキのロードバイクの重量を決める要素
ロードバイクの重量を決めるのは、「フレーム素材」「ホイール」「コンポ」「その他のパーツ」とこんなところです。
ロードバイクの代表的なフレーム素材は、カーボン、アルミ、クロモリですが、金属ではないカーボン製が最も軽量になります。
カーボンフレームは平均で1kg前後ですが、1kgを切るものもざらにあります。
アルミは1kg台前半くらいが平均ですが、フロントフォークがカーボン製ということになれば、もう少し軽いフレームもあります。
ちなみに、ビアンキの中で重量がホームページで公表されていた、「インプルソ(アルミフレーム+カーボンフォーク)」は1,350gです。
アルミは金属の中では軽量な方なので、「カーボンキラー」などという異名を持つ超軽量フレームもあります。
クロモリは地が鉄なので軽量にすることは難しく、2kg前後が平均です。
ここにパーツ類の重量が加わりますが、世界最高峰の「UCIワールドツアー」は、レギュレーションで車体重量が6.8kgを下回ってはいけないとされています。
プロツアー以外にそこまでの規制はないですが、ロードバイクは軽さが命と言われる所以がこの辺にも表れています。
ロードバイクのホイールは走りの軽さを重視
ロードバイクの車体の重量を考えていますが、次は「ホイール」です。
ホイールはパーツの中では最も重量があるもので、フレームより重いものも珍しくありません。
ホイールの重量を大きく左右するのは、外周部分である「リム」の素材です。
カーボンかアルミかということになりますが、カーボンリムのホイールであれば1,000~1,200g、アルミであれば1,500~1,900gというところです。
ホイールは、ロードバイクの走りの質を決定づけるパーツと言っても過言ではなく、物理的な重量以上に「走りの軽さ」が求められます。
完成車に関しては市販の「完組みホイール」を採用していれば重量は分かりますが、メーカーの「手組み」では重量を推し量るのが難しくなります。
ビアンキもミドルグレード以下の完成車になると、手組みホイールが多くなります。
リムやハブなどのパーツを既存品から選んで組み立てるのですが、パーツごとの重量が分からないのでホイール自体の重量も不明になります。
コンポもロードバイクにおいて重量が嵩む大きな要因
次にパーツの重量を見ていきますが、特に重量が嵩むのはコンポです。
コンポはクランクや変速機、ブレーキの総称で、グレードが上がるにつれて重量が軽くなります。
世界中の自転車メーカーの完成車に採用されている日本の「シマノ」、高級感あふれるイタリアの「カンパニョーロ」。
世界初の無線式電動変速機など、我が道を行くアメリカの「SRAM」が世界三大ロードバイク用コンポメーカーと言われています。
中でもビアンキの完成車に多く採用されているのはシマノ製ですが、フルコンポとなるとグレードの違いで大きな重量差になります。
ハイエンドモデルの「デュラエース」はフルセットで約2kg、一方ローエンドの「クラリス」は約3kgです。
コンポもロードバイクの総重量に占める割合が大きいので、この1kgの差はかなりのものです。
ちなみに、価格は約20万円の差になります。
ビアンキのロードバイクに付属しているタイヤの重量は?
続いてロードバイクの重量を考える上で外せないのは、タイヤです。
タイヤはホイールと同じく走りの質に深く関わるので、重量に敏感になる人が多い部分です。
こちらは完成車でも市販品が採用されていることが多いので、重量の把握はしやすくなります。
ビアンキの完成車の中で、最廉価モデルの「VIA NIRONE7(ヴィアニローネ7)」に採用されているタイヤは、25c(25ミリ)で1本300gです。
エントリーグレードには1本400~600gのタイヤが付属していることも多いので、タイヤを重量だけの観点で見た場合はビアンキは軽い方です。
タイヤはホイールほど重量とグレードが比例しているわけではないので、軽ければ良いかと言えば、それは個人の用途次第です。
耐久性に優れたものやパンクしにくいタイヤが良いのなら、重量はある程度覚悟しなければいけません。
25cで200gを切るような軽量タイヤは、ヒルクライムやスプリントレース向きと言われています。
そのため、ホビーライダーならば、とにかく漕ぎ出しを軽く速くしたい、坂の上りで楽をしたいと考えれば軽いタイヤに越したことはありません。
ビアンキのロードバイクの重量を試算してみる
これまで説明してきた要素がロードバイクのトータル重量を形成するわけですが、実際にビアンキの完成車で重量を試算してみましょう。
ビアンキを代表する1台と言っても良い、先出の「ヴィアニローネ7」のシマノ・クラリスモデルで試算します。
まず、コンポはシマノ・クラリスのフルセットですので、約3kgとなります。
ホイールは手組みですが、販売店のブログを見ていると実測値で約2.2kgになっていました。
タイヤは「ヴィットリア」の【Zaffiro(ザフィーロ)】の25cで、1本300g×2=600g+チューブ100g。
ハンドルやサドル、ペダルなどその他のパーツは、約1.3kg程度と考えます。
そして、フレームですが先述したインプルソよりも僅かにグレードが下がりますので、100gほど加算して1.45kgと推測します。
ここまでで8.65kgとなりますが、その他ワイヤーやボルトなど細かい部分を加味すると、9.5kg前後と推測します。
アルミフレーム車としては平均的と言えますので、重量がハンデになるほどではありません。
ロードバイク全体を軽くしたいならまずホイールから
前項ではビアンキのロードバイクの完成車の重量を試算しましたが、やはり比重が大きいのはホイールですね。
今回は販売店の実測値なのでトータル重量ですが、メーカー公表値などはホイールに付随するものの重量が加算されていない場合もあります。
タイヤのチューブが傷つかないように、リムの内側に貼る「リムテープ」。
また、ホイールをワンタッチで脱着させる「クイックリリース」のシャフトなどは、重量に加味されていないことも少なくありません。
それはさておき、ヴィアニローネ7のホイールは、さすがに重すぎると言わざるを得ません。
2kgを超えるホイールは「鉄下駄」などと揶揄され、評価の対象にすらしてもらえないほどロードバイク乗りから敬遠される存在です。
これは多くの先人たちが経験していることですが、初期装備のホイールから1,500gくらいのものに替えるだけで、走りがギア1~2枚分軽くなると言います。
ホイールはパーツの中では最も高額で、上を見ればキリがない存在です。
そのため、どこで折り合いを付けるかですが、各メーカー共にエース級はアルミリムのミドルグレードです。
特に最初のホイール交換であれば、まずこの辺りを選んでおけば後悔は少ないはずです。
ロードバイクはトータルの重量よりも走りの軽さが重要
今回はビアンキが2018年モデルから車重の公表を控えているのに端を発し、ロードバイクの重量について考えてみました。
空気抵抗との戦いであるロードバイクにとって、「軽さが正義」は間違いではありません。
しかし、持ち歩く軽さと走りの軽さは違いますので、ロードバイクは走りを追求しなければいけません。
ですから、今回は駆動の要になるホイールの軽量化が最優先という結論にさせていただきます。