2017年に、老舗メーカーのデローザからモデルチェンジされた、新型「プロトス」が発表されました。
今回で3代目となるプロトスは以前と比べ、どの様に進化したのでしょうか?
そこで今回は、剛性や重量等の性能面やプロトスの歴史も含め、第3世代プロトスの魅力についてお話ししていきます。
デローザのプロトスの歴史!「PROTOTYPE1d」
プロトスは初め、ステファノ・ガルゼッリというロードレーサーのために、デローザが開発したロードバイクです。
当時はまだ市販化されておらず、その時の名前は「プロトス」ではなく、「PROTOTYPE1d」という名前でした。
その後、市販化される際に正式に名前が付けられ、現在のプロトスとなります。
どのメーカーよりも早く、ユニディレクショナル・カーボンファイバー(単一方向性カーボン繊維)を取り入れ、その当時のフラッグシップだった「キング」を超える性能にロードバイク界ではたちまち話題となりました。
その後、2007年にカタログから一度姿を消し、2012年の1月27日、創業者であるウーゴ・デローザの誕生日に新しく生まれ変わり、2代目プロトスが登場します。
前代のプロトスの特徴をそのままに、デローザが60年費やしたノウハウを1つに集約させ、熟練の職人達の手作業で作られたカーボンフレームは、走行性や機能性、その見た目においても最高のロードバイクと評判を得ました。
また、プロトスは、Stiffness(剛性)、Torsion(ねじり)、Weight(重量)の3つをコンセプトに仕上げられており、剛性を高く、快適かつ攻撃的なロードバイクを作り上げています。
重量20%軽量化!生まれ変わった「第3世代プロトス」
そして2017年、さらにパワーアップしたデローザのフラッグシップ、3代目プロトスが登場しました。
今回で3代目となるプロトスは、剛性をさらに強く、重量の軽量化を実現させ、より速さを追求したロードバイクとなっています。
フロントフォークや、ダウンチューブのボリュームを落とすことで得られた細身のルックスは、歴代のプロトスより、とてもスッキリした印象を受けます。
さらに、前作よりも重量や剛性を良くするために、新しく採用したフレーム素材「CM63」は、4種類のカーボンを組み合わせた素材です。
この、CM63を使うことにより、剛性向上と重量の20%軽量化を実現させています。
他にも、空力性能の改良もされており、フレーム内臓の臼式シートクランプ、NACA断面形状の後ろ側を切り落とした様なカムテール形状や、ダウンチューブ両サイドのフレーム内を通す機械式シフトワイヤーを加えることにより、さらに空力性能を向上させています。
この他にも、様々な点に改良が施されてます。
重量や剛性だけではない!新型プロトスの変更点
デローザのプロトスが変わったのは、剛性や重量、空力性能だけではありません。
より良いロードバイクを作るために、様々な場所に変更点を加えています。
例えば、ブレーキはダイレクトマウントに変更することにより、エアロ効果や制動力を向上しています。
また、リアブレーキをBB下に配置しないことにより、ブレーキの感覚、整備のしやすさまでも得られています。
他にも、シートステーを横方向へ扁平加工することによって、垂直方向の荷重に柔軟性を持たすことにより、快適性をさらに向上させました。
また、ステー周りの設計も変更され、ねじれ剛性の強化や、パワー伝達においても最適化されています。
BB規格は精度の高いネジ切り式のイタリアン規格にすることで、フレーム剛性やペダリング効率の向上を可能にしています。
デローザ新型プロトスは加速やバランスが良い!
デローザ「プロトス」が、性能面で大きく進化したことはご理解頂けたと思います。
しかし、気になる乗り心地はどうなのでしょうか?
もちろん、乗り心地の評判もとても良いものになっています。
特に、ローからトップへのスムーズな加速感がとても良く、他のデローザのハイエンドモデルよりも、走りにストイックな印象を受け、まさにレーシングバイクの手本のようなロードバイクと好評です。
様々なシチュエーションに対応し、登りでのダンシングやシッティングはもちろん、どんなシーンでもスムーズで気持ちの良い加速やバランスの良さを感じられます。
加速性能の良さは、重量の軽さやバランスの良い剛性を実現させている、フレーム素材の影響も大きいでしょう。
今回変更になった新フレーム素材、「CM63」を使用したことにより、ペダリングの際に上位グレードのカーボンの良さも感じられます。
1つデメリットがあるとすれば脚力が少々必要な所ですが、ネジ切り式のBBに変更したことにより、バランスの良い剛性で、足への反発を少なくしてくれます。
デローザ新型プロトスは重量が軽い!
他にも、デローザ新型プロトスの乗り心地の良さに挙げられることが、重量がとても軽いという点です。
普段お使いのバイクにも寄りますが、初めて新型プロトスに乗る方には、軽い乗り心地に違和感を覚えるかもしれません。
しかし、走り出してしばらくすると、新型プロトスのトータルバランスの良さに驚くことは間違いありません。
また、シートステーを細身にしたことにより、路面の振動吸収をリアバックがしてくれることから、快適性もとても良くなっています。
フロント部分に関してはとても安定感があり、少し道の悪い場所でも軽いハンドル操作でコントロールできることから、長距離を走る際にも上半身への負担が少なく快適に走行できます。
そして何といっても、見た目がとても良いです。
お馴染みの「DE ROSA」の「O」部分に入ったハートマークと、洗練された高級感のある見た目に、憧れを抱く方も少なくないでしょう。
それでは最後に、新型プロトスの価格についてご説明します。
デローザの新型プロトス!価格は?
デローザ新型プロトスの性能面や乗り心地についてご説明しましたが、気になる価格はどのくらいなのでしょうか?
プロトスの価格は以下の通りです。
<PROTOSフレームセットの価格>
・サイズ:45 47 49 51 53 55 57 58.5
・カラー:ブラック ホワイト グレイ グリーン マッド Revo
・BB:ITA(70mm)
・ヘッドセット:Taper Headset 1-1/8to1-1/4
・重量:フレーム 970g フォーク 370g
・フレーム単体価格:¥680,000 ¥770,000円(Revoカラー)
プロトスは、レーシングマシンに必要な要素が全て盛り込まれている自転車といっても良いほど、完成度が高い自転車ですので、非常に高級です。
そして、この注意しなくてはならないことが、この値段がフレーム単体ということです。
もちろんフレームだけということは、コンポーネントやホイールも購入しなくてはなりませんので、おおよそ100万円前後かかることになります。
上位グレードになると、性能も良くなる分、価格がどうしても高くなります。
しかし、性能や乗り心地、見た目においても申し分ないので、購入を検討している方にはとてもおすすめの1台です。
新型プロトスは性能がとても良い!
今回は、第3世代プロトスに着目し、歴史から性能面、乗り心地や価格についてご紹介しました。
今回で3代目となるプロトスは、さらに進化し、ロードバイクに乗る方のことを考えて作られています。
細部まで考えられたバイクに、憧れてしまう方も少なくないでしょう。
上位グレードの自転車は中々手の届かないものですが、いつか手に入れると目標を立てるのも面白いと思います。
その頃には、また新たなプロトスに出会えるかもしれません。