スペシャライズドのサドルは坐骨幅に応じてサイズが選べる!

スペシャライズドには「ボディフィットジオメトリ」という考え方があり、人の身体に自転車をフィットさせることに情熱を注ぐメーカーです。

特にサドルは他のメーカーのバイクに乗っているユーザーからも人気が高く、ショップでは坐骨幅を測って自分に最適なサイズも教えてくれます。

今回はそんなスペシャライズドのサドルのお話です。

スペシャライズドは坐骨幅を測定してから最適なサドルを選べる

イスに座った際にお尻の左右に座面に触れる骨が感じられるはずですが、それが坐骨です。

ロードバイクのサドルは、この左右の坐骨間の距離(坐骨幅)にプラス20㎜くらいの幅のものが適性と言われています。

坐骨幅は段ボールの上に座って、左右の凹みの間を測れば分かります。

例えば、筆者は坐骨幅が115㎜でしたので、135㎜~が目安となります。

しかし、サドルは様々な形状があり、座面がフラットなものばかりではありません。

後述しますが、カーブが掛かっているもの、しなりがあってたわむもの、後ろが反り上がっているものなどがあり、目安の坐骨幅では対応できないものもあります。

その点でスペシャライズドは、ショップで坐骨幅を測ってくれる上に、自分のお尻の幅に合ったサドルを紹介してくれます。

筆者も先日、東京の新宿にある直営店に行き、坐骨幅を再度測定してもらいました。

その日は何も購入しなかったのですが、フィッテイングには快く応じてもらい、詳しい話を聞くこともできました。

もし今、サドルのフィッティングに悩んでいる方は、スペシャライズドの店舗を訪れてみてはいかがでしょうか。

スペシャライズドのサドルは人間工学に基づいている

スペシャライズドは冒頭でも触れましたが、サドルの人気がとても高いメーカーです。

これは、他メーカーのロードバイクユーザーからの人気が高いということで、筆者の周りにもサドルだけスペシャライズド製にしているライダーが何人もいます。

冒頭で触れましたが、スペシャライズドは「人間工学」という分野に着目して、医師の協力も得ながら「ボディジオメトリフィット」を確立しました。

その真骨頂がサドルであり、坐骨幅に応じた座面幅、形状、パッドの柔らかさなど、細部に渡って綿密に作り込まれています。

また、ライダーの取るべきポジションに応じて、股間やデリケート部分への圧迫を軽減して、血流をよくするという共通コンセプトがあります。

その先駆けとも言えることとして、今では定番になっていますが、世界で初めてサドルに穴を開けたのはスペシャライズドです。

そして、この穴あきサドルにしても、坐骨幅と合っていない座面のものでは股間の圧迫は避けられませんので、坐骨幅が大きなポイントになります。

女性は坐骨幅が男性に比べて広い!慎重に選ぶ必要あり

スペシャライズドのロードバイク用サドル幅のサイズは、男性用・女性用ともに(男女兼用)143㎜と155㎜、女性用には168㎜もあります。

女性は男性に比べ、あくまでも一般的にですが、骨盤が横に広がっているので坐骨幅も広いです。

そのため、男性よりもサドル幅の広いものの方が骨盤を安定させて、快適に走行することができます。

スペシャライズドはサドルももちろんですが、その他のパーツや完成車に至るまで、とても女性ライダーの方に優しいメーカーです。

設計の段階から女性専用モデルの設計者が携わり、女性ライダーからの生の声をフィードバックしてもの作りに活かしています。

サドルも人間工学に基づいて大胆に大きくくり抜かれた形状で、股間への圧迫を軽減しています。

また、これも直営店のお話にはなりますが、女性スタッフがとても多く、女性ユーザーには安心だろうと感じました。

女性には女性にしか分からない悩みや、男性が踏み込めないデリケートな部分もあるはずですので、特に身体に直接触れるサドルなどは、女性スタッフが女性ユーザーを担当する意味が大きいです。

坐骨幅でサドル幅を変えるという考え方はまだ希薄

スペシャライズドに限らず、ロードバイクのサドル選びは「沼」と評されることもあるくらい奥が深く、中々自分にフィットするものを見付けるのが難しい部分です。

その一つの原因としては、使用者の坐骨幅に合ったサイズという概念が希薄であることが挙げられます。

有名メーカーのサドルであってもサドル幅がワンサイズしかなかったり、サドルの幅が表記されていないものもあります。

形状やパッドの厚さを強調するのは分からない話ではないのですが、サドルの幅が明記されていないのは、偶然の一致以外でフィットさせるのは難しいです。

例えば、パッドが厚くクッション性が重視されていたとしても、それが自分に合うとは限りません。

体重の重い人であればたわみ過ぎて、かえってペダルを漕ぐのに力が入らないこともあります。

そのため、まずは自分の坐骨幅に合うサイズを選んでから、形状やパッドの厚さを考えていかないと、余計に深みにはまるということになるのです。

サドルの幅や形状は用途によって最適なものが変わる

スペシャライズドには以前130㎜のサドル幅があったのですが、現在は143㎜が最低になっています。

大は小を兼ねるというのは、ロードバイクの世界では必ずしも正解ではないのですが、サドルにおいてはその考え方でいいと聞いています。

あまり広すぎても、特にサドル上で骨盤を安定させて走りたい人にはマイナスになりますが、狭いよりは広い方が自分で調整が効く分いいのは間違いありません。

今回お話してきたように、スペシャライズドでは坐骨幅から選んでいくのが最適ですが、自分が普段からどう乗っているかで、適しているサドルの形状も違ってきます。

例えば、高速巡航が主で前傾姿勢が深くなる傾向の方は、坐骨が高い位置で当たった方が前傾しやすいので、後ろが少しせり上がっているくらいの形状が適しています。

反対に、上体を起こしてゆったりした姿勢で乗ることの多い方は、坐骨の位置が低くなる丸みを帯びた形状で、前後にフラットな形状が適しています。

他にもお尻の位置を固定するのか、左右にもがく乗り方なのかでも違うので、やはりサドル選びは考えることが多いと言えます。

スペシャライズドのサドルラインナップ

それでは最後にスペシャライズドのサドルをいくつかご紹介します。

【Toupe(トゥーペ)】

ロードバイク用サドルでは最もオーソドックスな形状で、前後に長く、前後左右どちらもフラットな形状です。

また、座面がしなるので、どこに座ってもお尻にフィットしやすくなっています。

したがって、走行中にお尻の位置を変えるもよし、一つの場所に留まって収まるもよしなので、万能型のサドルと言えます。

【Romin Evo(ローミンエヴォ)】

座面がカーブしていて、後ろがせり上がっているので、前傾姿勢を取ってもお尻を固定しやすいという特徴があります。

サドル前方が少し短くなっていますので、前傾姿勢を取っても股間が圧迫されにくく、溝が大きく彫ってある分、血流も確保しやすくなっています。

【Power(パワー)】

スペシャライズドでは初の男女兼用モデルで、坐骨幅さえ合えば女性用にこだわらなくてもよいということで、女性人気が高いとも聞いています。

パワーは前後の長さがとても短いのに加えて、くり抜かれている穴の面積が大きいので、前傾姿勢が取りやすく、レース志向が強い方向け、と言えます。

【Phenom(フェノム)】

MTB用のサドルですが、ロードバイクの完成車「ルーベ」にも採用されるものです。

座面がフラットなので座りやすく、坐骨の当たる付近が柔らかめの設計になっています。

やや後ろ目に加重をして、サドルにしっかりと体重を乗せてペダルを漕ぎたい人向きのサドルです。

スペシャライズドの店舗で坐骨幅だけでも測ってもらう

今回はスペシャライズドのサドルについてお話しました。

坐骨幅からサドル幅を選ぶという考え方を持つスペシャライズドであれば、自分にフィットするものを見付けやすいのではないか、と思われます。

自分が合うサドルが見付からずに悩んでいる方は、ぜひ一度、スペシャライズドの店舗に足を運んでみてください。