ロードバイクのホイールは軽量で高性能なものが多く、非常に需要の高いものです。
中でもアルミクリンチャーのミドルグレードには、各メーカー共にエース級のホイールを投入しています。
日本が世界に誇るパーツメーカー「シマノ」の【シマノrs81】も、そんなミドルグレードの代表的ホイールのひとつです。
2018年2月現在、生産は終了しているようですが、どんなホイールなのか確認してみましょう。
シマノのロードバイクホイールのラインナップ
シマノには数々のロードバイクホイールがラインナップされていますが、ハイエンドモデルにのみコンポと同じ「デュラエース」の冠が付いています。
デュラエースにはカーボンリムとアルミリムがあり、シマノのカーボンリムホイールはデュラエースだけです。
アルミリムはデュラエースの下に、コンポと同じく「アルテグラ」グレードが続きますが、冠はありません。
アルテグラが2017年にモデルチェンジを果たすまでは、「wh-6800」というコンポと同じ品番のホイールがありました。
しかし、コンポのモデルチェンジと共にホイールもリニューアルされ、現在は明確にアルテグラグレードとされているホイールはありません。
現在はwh-6800の後継が「wh-rs500」、今回のテーマである「シマノrs81」も後継の「wh-rs700」になっています。
シマノ内ではrs700がセカンドグレード、rs500がサードグレードという位置付けですが、ホイール市場全体からすると共にミドルグレードと見て良いでしょう。
シマノrs81はどんなホイールだった?
ロードバイク用ホイール「シマノrs81」はシリーズ化されていて、リムハイトが24mm、35mm、50mmとありました。
リムはデュラエースグレードと同じものを使用していたと言われており、アルミの素地にカーボンをラミネートしたものです。
ハブはアルテグラグレードのものを使用しており、2つのホイールを融合した形でした。
走りの質を大きく左右するリムがハイエンドのデュラエースと同じということで、ミドルグレードながら他メーカーのホイールとは一線を画す評価を得ていました。
後継の「wh-rs700」も正確な情報はありませんが、カーボンラミネートリムなので継承していると見て良さそうです。
ただし、rs-700はリムハイトがフロント24mm、リア28mmの1種類のみで、シリーズ化は今のところされていません。
なお、今回はこれから購入される方のために、既に生産が終了しているrs81よりも、後継である「rs700」を中心に紹介していきます。
シマノrs81の後継ホイール「wh-rs700」のスペック
それでは「シマノrs81」の後継ホイールである、「wh-rs700」のスペックを確認してみましょう。
重量はメーカー公表値で、フロント616g、リア924gのトータル1,540gです。
実際に走行する際はクイックリリースのレバーやリムテープが加わりますので、実測値であと数十グラム加算されます。
ロードバイクのタイヤが太い方にシフトされているため、ホイールもリム内径を広げる傾向にありますが、こちらは従来のサイズです。
そのため、23cなど細いタイヤを好む人に向くホイールとも言えます。
また、クリンチャーモデルではありますが、チューブレスタイヤでの運用も可能です。
シマノのホイールはリムが柔らかいので、全体的にやや剛性が低めです。
しかし、カーボンラミネートリムに関しては、デュラエースが9,100番台にリニューアルする際に、カーボンの積層を見直して剛性を高めたと言われています。
実際にリニューアル後は重量も若干重くなりましたし、剛性が高まったという話を当時良く耳にしました。
しかも、rs700はリアのスポークがドライブ側に倍の本数を配する組み方なので、横剛性も高くなっています。
シマノrs81の後継ホイール「wh-rs700」に適しているのは?
前項ではシマノrs81の後継ホイールである、「wh-rs700」のスペックを確認しました。
その中でシマノのロードバイクホイールは剛性が低いという話をしましたが、このホイールに関してはインプレを確認する限り「低い」という評価は少ないです。
正直rs81でリムハイトの低い24mmのモデルは、たわみが気になるレベルだったのですが、それがなくなりしっかりとした「硬さ」が確保されています。
だからと言って、元のアルミ素材は柔らかい方ですから硬すぎると言うことはなく、バランスが良くなったというレベルです。
また、全体の重量としても軽量ですが、カーボンラミネートの分リムが軽いので、ヒルクライムなどの瞬発系レースに向くと思います。
さらには、先述通りドライブ側に多くのスポークを配しており反応の良さも増しているので、正に短い距離のレースで力を発揮してくれそうです。
このホイールは、シマノの弱点と言われてきた剛性を高めることによって、バランスの良いオールマイティなものに仕上がったと言えるでしょう。
ロードバイクホイールはミドルグレードに注目!
シマノrs81はロードバイクのホイール市場においては、アルミリムのミドルグレードでした。
それは後継のrs700でも変わらず、激戦区で戦っていることになります。
ロードバイクにおいてホイールは走りの質を劇的に変化させるほど、大きな影響力があります。
そのため、性能を上げるカスタマイズには、ホイールの交換が推奨されることが多くなります。
特に初心者向けのエントリーモデルの完成車から、最初のホイール交換に選ばれることが多くなるのがミドルグレードです。
ロードバイクのホイールは決して安価な買いものではないので、コスパは大いに気にしたいところです。
そのため、低いグレードのホイールでは効果が実感できないので、最低でもミドルグレードを選択することになります。
そんな事情があるので、各メーカー共にここにエース級を投入してきますし、上位グレードの技術が踏襲されているので必然的にコスパも高くなります。
ロードバイクホイールにおいてシマノのライバルは?
それでは最後にシマノrs81やrs700と同じ、他メーカーのロードバイク用ホイールのミドルグレードを確認しておきましょう。
まずはミドルグレードでは不動の一番人気である、カンパニョーロの「ZONDA(ゾンダ)」です。
特に何かの要素に秀でてはいませんが、とにかくバランスの良さとコスパの高さが売りのオールラウンドタイプです。
重量はrs700とほぼ同じですが定価が若干こちらの方が安いので、個人的にはゾンダの方がわずかにコスパで上回ると評価しています。
続いては、カンパニョーロの子会社であるフルクラムの「Racing3(レーシング3)」です。
フルクラムはリムが硬いので、剛性が高いことで有名です。
スポークの組み方がrs700と同じドライブ側に多く配する方式のため、余計に剛性が高い反応の鋭いホイールになっています。
冠通り、これからロードバイクでレースを目指す人におすすめです。
次に紹介するのは、マビックの「キシリウム・エリート」ですが、このホイールはリムが軽量でしかも強さがあります。
そのため、rs700以上にヒルクライムで推奨されますし、適度な剛性が高い評価を得ています。
マビックはホイールにタイヤとチューブがセットされているので、他と比較して多少割高ではありません。
しかし、決して低いレベルのものが付属されているわけではありませんので、損ではないです。
シマノrs81の後継wh-rs700は今がねらい目!
今回はロードバイク用ホイール「シマノrs81」を確認しました。
既に生産を終了していますが、後継のwh-rs700はほぼ同じスペックのホイールです。
オールマイティな使い方ができるホイールですので、使う人や用途を選ばない幅広さがあります。
rs700は2018年2月現在、発売より1年半近くが経過しそろそろ割引率も大きくなってきましたので、ねらい目かもしれません。