トレックを始めとする大手スポーツバイクメーカーは、ロードバイクなどを通常では値引き販売しません。
しかし、小まめに情報をチェックしていると、「セール」と称して値引き販売がされていることがあります。
そこで今回は、なぜスポーツバイクは原則として定価販売なのか?
また、セールがどのようなタイミングで行われるか、についてお話していきます。
ロードバイクのセールはブランドイメージの低下に繋がる可能性がある
スポーツバイクの中でも特にロードバイクは、「高価」というイメージが定着していると感じます。
カタログやホームページを眺めているだけでも、100万円を超えるようなものが目に飛び込んでくるのですから、高額なイメージは当然あるでしょう。
それだけに少しでも安く購入したいと思うのが人情であり、一円でも安い店で購入したいとなります。
しかし、スポーツバイクは多少の企業努力の違いはあるにせよ、基本的にはどのお店もほぼ定価に近い価格での販売となります。
これは「トレックストア」などのメーカーの直営店は別として、それ以外の販売店はあまり勝手な値引きを行うとライセンス契約を破棄されかねないという理由があります。
メーカー側は性能に見合った価格という自負を持っていますので、それを値下げして販売したり、頻繁にセールを行うことは、自らブランドイメージを下げているのと同じことです。
トレックがロードバイクの通販をしないのはイメージ保守のためでもある
ロードバイクはブランドイメージを何より大切にするところがあり、メーカーはその失墜が大きなダメージになることを、先人たちの教訓から骨身に染みるほど分かっています。
そのため、まずは値崩れや簡単にセールをしないことで、ブランドイメージを維持しようとしているんですね。
そして、値崩れがしないもう一つの理由として、トレックなどの大手メーカーが通販をしていないことが考えられます。
ロードバイクはメーカーから出荷される段階では未完成であり、最終の仕上げは購入者の状況に合わせて販売店が行うものです。
したがって、通販ではこの流れでの販売ができなくなり、いい加減な組み付けでユーザーに販売してしまう可能性も出てきます。
そして、もしそれが原因で事故でも起きてしまえば、それこそブランドイメージは瞬く間に急落します。
それを避ける意味でも対面販売を基本としており、多くのメーカーがそれを守っています。
通販には「値引き販売」というイメージがついていますので、スポーツバイクメーカーの足並みが揃わなければ通販上での価格戦争は必至です。
しかし、現状では通販サイトにバイクを卸すメーカーはほぼありませんので、値引きという点においての競争は起こらず、値崩れしない状況が保たれています。
トレックのロードバイクのセール時期はいつ?
ロードバイクが値引き販売やセールを極力行わないのは、前項でお伝えしたメーカーの方針によるところが大きいです。
しかし、冒頭でもお伝えしましたが、頻度はお店により違いますがセールが皆無ではないです。
スポーツバイクは、特に夏前の6月辺りから秋に掛けてセールが多くなります。
毎年6~7月にトレックなどのメーカーは、次年度のモデルを発表します。
順次発表が行われていき、実際に次年度モデルがショップの店頭に並ぶのが10月くらいになります。
10月にはニューモデルが出てしまうということは、発表からの3~4か月の間が、今年度モデルを販売するラストチャンスというわけです。
既にニューモデルが発表されているので、当然ながらユーザーさんの目はそちらに向いています。
その目を今年度モデルに再度向けさせるには、価格を下げるのが最も手っ取り早いですから、○○セールと銘打って旧モデルの在庫処分をするわけです。
旧モデルを俗に「型落ち」と呼び、セール期間中は特にこの言葉が頻繁に聞かれるはずです。
トレックは近年大幅なモデルチェンジが多いがそれは特別
トレックなどのメーカーが値引き販売やセールを行うのは、旧モデル=型落ちであるとお伝えしましたね。
トレックはここ数年ロードバイクで、大幅モデルチェンジが相次ぎました。
2015年は、新たな総合レーシングバイクの顔として「エモンダ」が投入されています。
その影響を受け、2016年はそれまでの総合レーシングバイク「マドン」が、ほぼ原形をとどめない程にフルモデルチェンジしました。
そして、2017~2018年はエンデュランスモデルの「ドマーネ」が、独自の衝撃吸収システム「ISOスピードテクノロジー」を進化させてリニューアルされています。
これらのモデルチェンジは業界全体をざわつかせるほどのものであり、型落ちがどうのなどというレベルではありません。
しかし、こういった大幅なモデルチェンジはそう頻繁に行われるものではなく、通常のモデルチェンジは、色のバリエーションやパーツのメーカーを変更する程度です。
それでも、メーカーは毎年にように目新しさを出す意味でも○○年モデルと銘打って、リニューアル感をアピールするのです。
ロードバイクで意中の車種がないならセール品を狙う手もある
大きなモデルチェンジは別として、毎年のように行われるリニューアルでは、性能に関してはそこまで革新されることは少ないです。
したがって、型落ちとなってもニューモデルに見劣るところはあまりないので、狙ってセールを待つという手は有効かもしれません。
値引き率はメーカーにもよりますが、一つ例を挙げてお話しますと今年(2018年)の3月のことですが、筆者の自宅近くの大手プロショップチェーンで大幅な値引きの情報がありました。
対象となっていたのは2017年モデルでしたので、このままでは2年の型落ちになり兼ねないということで、セール品は軒並み30%以上の割引でした。
これは少し極端な例かもしれませんが、30%オフだとすれば定価20万円のロードバイクが14万円で購入できるとあれば十分に検討の余地はあります。
毎年大体のショップは7月くらいからセールをします。
トレックなどは販売店が多いので、色々な店舗を回ってみると掘り出し物に当たるかもしれませんよ。
ロードバイクのセール品は選択肢が少ないことを覚悟する
ロードバイクを定価より安い価格で手に入れられる可能性についてお話していますが、デメリットがないとは言えません。
型落ちは列記とした新品ですが、言ってしまえば「売れ残り」です。
人気モデルは販売当初からそれこそ飛ぶように売れていきますので、標準的なサイズや人気の色は早い段階での売り切れも考えられます。
そのため、型落ちにまでなるということは、不人気モデルであるか、特定の色やサイズのものが残っていることになります。
したがって、もし意中のものが人気モデルであり、それでなければ買わないと決めているのなら、型落ちは期待せず早めに購入するのが賢明です。
例えば、漠然とトレックが気に入り、車種は問わないと言うのであれば型落ちのセールまで待ってもよいかと思います。
ただし、ロードバイクは乗車ポジションが極めて重要で、それを左右するのがサイズです。
自分に合わないサイズでは性能を引き出せないばかりか、身体を痛める可能性もありますので、サイズは大切です。
型落ちは、在庫がない場合新しく製造はしてくれないので現品限りです。
ですから、希望のサイズがなくてあきらめる可能性があることも覚えておいてください。
ロードバイクは定価が基本!型落ち狙いは慎重に
今回はロードバイクがなぜ定価販売を基本としているのか、またセール品はなぜ発生するのかについてお話しました。
スポーツバイクメーカーにとってロードバイクは、ブランドイメージの象徴でもありますので、安易な値引きでイメージの低下を招きたくないということです。
セールに関しては型落ち品ですが、基本的には売れ残りであると認識して頂き、お目当てのものが決まっている場合は早めに購入してください。