ロードバイクホイールをヤフオクで、安く手に入れたいと思う方は、大勢いることでしょう。
ヤフオクを利用すれば、今では入手が難しくなったホイールも、安価で手に入れることもできます。
しかし、その商品をよく見極めないと、かえって損をすることにもなります。
そこで、この記事では、ヤフオクで出品されているホイールのうち、どのようなものならば良いホイールなのか、見極めるポイントを伝授したいと思います。
ロードバイクホイールのタイヤの種類・特徴を確認
ロードバイクのタイヤには「クリンチャータイヤ」、「チューブラータイヤ」、「チューブレス」タイヤの3種類があります。
まずは、自分のロードバイクに使用されている、ホイールのタイヤの種類を確認しましょう。
次に、これからヤフオクで落札しようとしているホイールの、タイヤの種類が合致しているか確認しましょう。
「そんな事は当然だ」と思われるかもしれません。
しかし、ヤフオクでは自転車の知識を持つ方が出品しているとは限らないため、タイヤの種類について、明記されていない場合もよくあります。
その場合には、出品者に確認を取るようにしましょう。
また、それぞれのタイヤの種類に対応するホイールは、ヤフオクで落札する際に、それぞれに異なった注意点があります。
まずは、「クリンチャータイヤ」ホイールについてです。
「そのホイールに、リムフラップが付属するのか」、「付属する場合、リムフラップの状態はどうなのか」を確認する必要があります。
リムフラップとは、ホイールとチューブの間にあり、クッションのような役割を果たす物です。
リムフラップを使用しない場合、ホイールの角張った部分に、チューブが直接触れることになるため、パンクしやすくなります。
また、リムフラップは消耗品であるため、一定の期間で交換の必要性があります。
しかし、リムフラップは度々交換するような物では無いため、新品で購入した時から、交換されていないこともあります。
ヤフオクで入札する際に、リムフラップの状態について書かれていることは多くありません。
出品者に確認するか、新品を自分で購入するか、そのどちらかをする必要があります。
次に、「チューブラータイヤ」ホイールの場合です。
タイヤを張り付ける面の、リムセメントの残存の有無を確認しましょう。
チューブラータイヤは、タイヤをリムセメントという接着剤で張り付けることにより、ホイールに装着します。
そのため、タイヤを外した際に、まだリムにリムセメントが残った状態になります。
基本的には、そのままの状態で、リムセメントを塗り重ねて、タイヤを装着することも可能です。
しかし、ある程度塗り重ねて行くと、残存したリムセメントによってリム表面がデコボコの状態になります。
その場合、そのままタイヤを装着すると、上下方向にデコボコの状態になってしまい、乗り心地が悪くなります。
そして、3つ目の「チューブレスタイヤ」ホイールについての注意点です。
チューブレスタイヤは、チューブが存在しないため、バルブがホイールの付属品となっています。
このバルブに劣化が発生すると、空気の保持が出来ません。
落札の際には、バルブの状態を確認するか、バルブのみ新品を購入するつもりでいましょう。
そのホイールのOLDは大丈夫?ロードバイクにありがちな規格間違い
・ヤフオクでロードバイクのディスクホイールが安く出品されていた。
・ホイールのサイズも合っていたので、さっそく入札することにした。
・無事に落札、現品も到着し、いざロードバイクに取り付けようとしたら、なんとフレームの幅に対して、ホイールがぶかぶかだった…。
ということが起こりうるかもしれません。
ホイールには、オーバーロックナット寸法という規格が存在します。
一般的に、アルファベットで、OLDと省略されて記されています。
このOLDは、ホイールのハブの、外から外の大きさを表しています。
つまり、フレームのエンド幅と、このOLDの数値が合致していなければ、そのホイールは使用不可能である、というわけです。
覚えておくべき点は、変速の段数や、自転車のタイプにより、OLDの数値が変わることです。
現在販売されている、一般的なロードバイクのエンド幅は、130mmです。
それにより、ホイールを選ぶ際に、OLD130mmと記されている物を選べば間違いないと分かります。
時には「~段対応」と記されている場合もあります。
その場合、8段~11段までは、同じOLDですので、変速の段数は異なっていても、ホイールは使用が可能です。
次にロードバイク用のホイールのOLDと、それに対応する変速段数をまとめます。
・OLD 120mm 5及び6段変速
・OLD 126mm 6及び7段変速
・OLD 130mm 8から11段変速
これらの規格を覚えておきましょう。
ヤフオクでクラック有りのホイールはNG!
「ジャンク品、クラック有り」とヤフオクの商品ページに記されていた場合、残念ですがそのホイールを落札するのは止めましょう。
「クラック」とは亀裂のことです。
クラックはおもに、リムに発生します。
なぜそんな物が出品されているかというと、ロードバイクホイールのジャンク品は、部品取りのために一定の需要があるからです。
しかし、クラックの入ったホイールを使用すると、走行中にホイールが破損し、フレームに取り返しのつかないダメージを受けるか、最悪、落車して大けがをします。
「それならば、破損したリム部分だけ交換したらいいのでは?」と思われるかもしれません。
それを通常のホイールに行う場合、新品を買う以上の金額が必要になってしまいます。
というのも、最近のホイールは「完組ホイール」と言い、ホイールのパーツが全て、そのホイール専用に作られています。
ですから、修理の場合、パーツはメーカー取り寄せとなります。
もし自転車屋でそれらを行うのであれば、それよりも新品を買う方が安くなります。
しかし、例外もあります。
それは「手組ホイール」と言い、ハブやリムを、好みの部品から作り上げたホイールのことです。
手組ホイールの場合、その部品はそのホイール専用設計では無いので、様々なメーカーの部品が使用可能です。
さらに、手組ホイールは、分解と部品交換が容易に行えるようになっています。
落札価格と、修理費用を考えて、納得できるのであれば、手組ホイールのジャンク品を修理して使用することも良いでしょう。
ヤフオクでよく見かける表現「ゴリ感有」って何?
ヤフオクなどで、中古品のロードバイクホイールの状態を表すのに、「ハブにゴリ感が有ります」といった表現が見受けられます。
ハブのゴリ感とは、ハブのシャフトを手で回した場合、スムーズに回らず、ゴリゴリとした感触であることを言い表しています。
ハブの回転がスムーズではない場合、原因は主に2つが考えられます。
1つ目は、ハブの玉当たりが狂っており、ベアリングのボールを締め付ける力が強すぎる場合です。
2つ目は、ハブの、カップかボールに虫食いが発生し、回転がスムーズに行かない場合です。
1つ目に挙げた、ハブの玉当たりが狂っている場合は、それを調整すれば、問題なくホイールを使用することが出来ます。
2つ目に挙げた、カップかボールに虫食いが発生している場合には、ハブを交換しない限りホイールがスムーズに回りません。
先述したように、手組ホイールであるならば、ハブの部分交換も問題なく行えます。
問題は、ハブの状態は外見では判断できないことです。
ハブは一般的に、走行距離が長いほどダメージが蓄積され、ガタが発生しますが、保管状態やメンテンスの頻度により、一概に走行距離が少ないものが良いとは言えません。
少なくとも、屋外で保管されていた物については、手を出さない方が無難です。
屋外で保管されていたということは、ぞんざいに扱われていた可能性が高く、その場合は大抵、ハブの部分交換が必要なダメージを抱えています。
落札の前に、ホイールの保管方法や、使用状況について確認しましょう。
そのホイールのリムは大丈夫?ヤフオクで落札前にチェック
一般的な、キャリパーブレーキのロードバイクホイールには、リムに寿命があり、ヤフオクで落札前に、必ずそれをチェックしましょう。
キャリパーブレーキは、リムにブレーキシューと呼ばれるゴムを押し付け、その摩擦力で制動力を発揮します。
そのため、長期間使用されたホイールでは、ゴムが押し付けられた、リムの側面が擦り減り、最終的に擦り減った部分から破損する危険性があります。
リムの擦り減り具合は、リム側面に設けられた、1mmほどの小さなへこみによって判断できます。
そのへこみがリムの摩耗により、無くなった時がリムの寿命であると判断されます。
ここでも、完組ホイールと手組ホイールの、部品交換にかかる手間と費用を考えて、入札を見送るか、落札して修繕するのかを判断してください。
また、リムに関する状態で、「振れが有り」となっている場合があります。
リムが振れていても、簡単に修復が可能であるため、その場合であれば、あまり気にすることなく入札しても大丈夫です。
リムの振れとは、リムが自転車の進行方向に対して、局所的に、左右または上下方向に偏ることを指します。
これは、ロードバイクホイールではよく起こるトラブルです。
そのため、リムの振れをユーザーが修復できるようになっています。
その方法は、スポーク根本にある、ニップルと呼ばれる部品を、専用の工具で回すだけです。
しかし、回すだけと言っても、その調整はピアノの調律のように、微妙な加減が求められるため、自転車店で振れを取ってもらうのが良いでしょう。
リムの振れ取りの作業であれば、作業工賃もそれほど高くはありません。
リムの振れ自体も振れが1~3mm以内であれば、気にせず乗っていても、ほぼ問題ありません。
ただしその場合には、乗り続けると、リムの振れが大きくなることがあります。
リムの状態を、普段から気にかけるようにしましょう。
ヤフオクのロードバイクホイールの出品者を確認
ここまで、ロードバイクのホイールを、ヤフオクで落札する際のチェックポイントを挙げて来ましたが、判断材料の多くを出品者に依存しているため、必要な情報が得難いこともあります。
そこで、商品だけではなく、出品者を考慮することをお勧めします。
そして、出品者の中でも、自転車競技や実業団で走っている、シリアスレーサーが出品した物を落札するのが一番良いでしょう。
シリアスレーサーの場合、勝負のために、機材面での妥協には寛容的ではなく、そのホイールが自分に合わないと感じたら、すぐに手放します。
そのため、走行距離が少ない美品がヤフオクに出品されることとなります。
また、シリアスレーサーは、様々な局面に対応できるように、何種類かのホイールセットを持っています。
そういった時に、あまり使用する機会が無かったホイールが、機材整理と称して、ヤフオクに出品されることになります。
その場合に出品されるホイールは、保管状態も良く、コンディションも良いものである可能性が高いでしょう。
なぜならば、シリアスレーサーならば、レースに使う機材をぞんざいに扱うことはなく、メンテナンスも行き届いている、と考えられるからです。
「シリアスレーサーが使用していたホイールは、酷使されて使いものにならないほど、ボロボロになってるんじゃないの?」と疑問に思うかもしれません。
しかし、シリアスレーサーがボロボロのホイールを出品するとは考えにくいでしょう。
なぜなら、シリアスレーサーがホイールにダメージを与える時は、多くの場合、そのホイールが完全に走行不能になるほどの、致命的なダメージになるからです。
つまり、出品できるような中途半端な壊れ方はしない、ということです。
そのことは逆説的に、シリアスレーサーが出品しているホイールはコンディションが良いものであることを示しています。
ヤフオクで落札した価格とその後の修理費をよく考えて
ヤフオクを上手に利用すれば、状態の良いロードバイクホイールを、低価格で手に入れることが可能です。
しかし、状態の悪い物を手にしてしまった場合、修理費用がかさみ、かえって新品を買った方が安かった、などということにもなりかねません。
また、状態の悪いホイールのせいで、ロードバイク自体に取り返しのつかないダメージを負ってしまった、という事態にもなりかねません。
ヤフオクで、ホイールを落札する時は、落札価格と、その後にかかるかもしれない費用を念頭において、慎重にホイールを選びましょう。