ロードバイクの変速機は、シフトレバー、スプロケット、そしてディレイラーなどのパーツによって、変速させる事が可能になります。
しかし、その取り付け方法は複雑で、初めての方や慣れていない方にとっては、とても難しい作業だと思います。
そこで今回は、変速機の中でも、ディレイラーに焦点を当て、その取り付け方法や仕組みについて、ご説明していきます。
ロードバイクの変速機「ディレイラーの仕組み」
ロードバイクの変速機は変速させるパーツ全体を指しますが、そんな変速機のパーツの1つ「ディレイラー」は、どのような役割があり、どのような仕組みで動いているのでしょうか?
まず、ディレイラーには「フロントディレイラー」と「リアディレイラー」の2つがあります。
ロードバイクには、フロントとリアに歯が付いており、仕様によって歯数は違いますが、前後それぞれにある大小の歯に掛かるチェーンを脱線させ、掛け替えるという役割を果たしてくれるのがディレイラーです。
名前の通り、フロントの歯にはフロントディレイラー、リアにはリアディレイラーが取り付けてあり、その2つはチェーンによって連動し、シフトレバーで操作されます。
フロントディレイラーは左側のシフトレバーで操作し、リアディレイラーは右側のシフトレバーを操作します。
シフターとディレイラーはワイヤーで繋がっており、シフターを操作することにより、ギアのインナーやアウターへの変速ができる仕組みになっています。
大まかな説明になってしまいましたが、「脱線させ、チェーンを掛け替える」これがディレイラーの大きな役割です。
それでは早速、シマノのディレイラーを例に、取り付け方法を見ていきましょう。
ロードバイクにフロントディレイラーを取り付けよう!
それでは、ロードバイクの変速機、フロントディレイラーの取り付け方法をご紹介します。
今回は、シマノのディレイラーを例にご説明します。
用意する工具はこちらです。
・5mmアーレンキー
・4mmアーレンキー
・2mmアーレンキー
・プラスドライバー
上記の物を用意して下さい。
ディレイラーには、バンドタイプと直付けタイプの2つがありますので、それぞれご説明します。
<バンドタイプ>
1.まずは、クランプボルトを本締めせずに、仮止めして下さい。
上からディレイラーとギアの歯やガイドを見下ろし、最大ギアの外側の面とガイドの外面を、ディレイラー上にある調整ボルトで揃えていきます。
2.最大ギアを横から見た時に、ギアの歯の上端とチェーンガイド外プレートの下側の隙間が1〜3mmになるように調整して下さい。
3.調整が終わったら、最後に仮止めしていたクランプボルトを本締めして下さい。
<直付けタイプ>
1.まずは、サポートボルトがフレームにあたる位置に、バックアッププレートを貼り付けます。
2.クランプボルトを仮止めし、バンドタイプと同様に、最大ギアの外側の面とチェーンガイドの外面をロー調整ボルトで揃え、最大ギアとチェーンガイドの隙間が1〜3mmになるようにします。
この時に、チェーンガイドの下側が0.5〜1mm程度内側に入るように調整を行なって下さい。
3.調整が終わったら、クランプボルトを本締めして下さい。
これで、フロントディレイラーの取り付け作業終了です。
ロードバイクにリアディレイラーを取り付けよう!
次に、ロードバイクの変速機、リアディレイラーの取り付け方法について、ご説明します。
リアディレイラーはフロントディレイラーに比べると、とても取り付けが簡単です。
それでは、ご説明します。
<リアディレイラー取り付け方法>
まずは、リアディレイラーを横から見た時に、プーリーが下に来るように手に持ちます。
ディレイラー上側に、5mmアーレンキーが入るボルトがあります。
そのボルトと、ロードバイクのフレーム、スプロケットの近くに、ディレイラーのボルトが入る穴があります。
そこに、グリスを塗り、ディレイラーを取り付けて下さい。
以上で、リアディレイラーの取り付け作業終了です。
また、ディレイラーを取り付けたボルトの後ろ側に、もう1本ボルトがあります。
このボルトを、「Bテンションアジャストボルト」と言うのですが、ディレイラー取り付け時に、このボルトがフォークエンドに接触し、変形してしまう恐れがあります。
そのため、取り付けの際には、Bテンションアジャストボルトがフォークエンドに当たらないように気を付けて作業しましょう。
変速機の調整方法!フロントディレイラー
フロントディレイラーをロードバイクに取り付けた後、変速機の微調整が必要になりますので、次の調整を行なって下さい。
・ローの調整
左側の調整ボルトで、チェーンとチェーンガードスキップガードの間を0〜0.5mmの間隔でセットして下さい。
・ケーブルの調整
ケーブルの張り調整を行う時に、ギアをトップの位置からT-トリムに入れた位置が、ケーブルの張り調整を行う位置です。
チェーンとガイド内のプレートの間をケーブ調整ボルトもしくはアジャスターで、最小の0〜0.5mmの間で調整を行なって下さい。
・トップの調整
右側の調整ボルトで、チェーンとチェーンガイド外プレートの間を0〜0.5mmの間隔でセットして下さい。
この他にも、ちょっとしたトラブル時の調整法をご紹介します。
また、微調整を行う際は、ボルトを1/8回転ずつ回すようにして下さい。
・クランク、ボトムブラケット側にチェーンが落ちてしまう
クランクの場合は、トップ調整ボルトを時計回りに回し調整、ブラケットの場合は、ケーブルを張る、もしくはロー調整ボルトを時計回りに調整して下さい。
・トップからローに変速がしにくい
ケーブルを張る、もしくはトップ調整ボルトを反時計回りに調整を行なって下さい。
・ローからトップに変速がしにくい
ケーブルを緩めて下さい。
変速機の調整方法!リアディレイラー
リアディレイラーをロードバイクに取り付けた際の、変速機調整方法です。
1.トップ調整
後ろ側から見た時に、ガイドプーリーがトップギア外側にある線の下に来るように調整しましょう。
2.ケーブル固定
リアディレイラにインナーケーブルを固定した後、フレームに添わせてあるインナーケーブルを手で軽く引っ張り、伸びを取ったら、リアディレイラーを再度固定して下さい。
3.ロー調整
ガイドプーリーがスプロケットの1番大きい歯の真下にくるように、調整を行なって下さい。
4.Bテンションアジャストボルト調整
フロントは最小ギア、リアはスプロケットの最大にセットし、クランクを逆に回します。
チェーンが詰まらない程度に、ガイドプーリーをギアにBテンションアジャストボルトで調整します。
最後にスプロケットを最小にし、チェーンが詰まらないか確認して下さい。
リアディレイラーを取り付けたら、SIS調整をしよう!
ロードバイクにリアディレイラーを取り付けたばかりの時や、長年乗っていると、変速機がうまく変速されなくなる場合があります。
そんな時に、リアディレイラーのSIS(シマノ・インデックス・システム)調整を覚えておくと、変速がうまくいかない時にいつでも調整できるになります。
<SISの調整方法>
まずは、シフトレバーを操作し、リアを2段目に変速させ、シフトレバーを遊ばせた状態でレバーを操作し、クランクを回します。
3段目にチェーンが変速する場合、クランクを回しながら、リアディレイラーにある調整ボルトを時計回りに締め、3段目から2段目にチェーンが移動するまで締めましょう。
音鳴りが全くしない場合は、2段目から3段目に接触し、音鳴りがするまで調整ボルトを反時計回りに緩めましょう。
シフトレバーをレバーの遊び分だけ操作した状態の時に、チェーンが3段目に接触し、音がなるようでしたら、1番良い状態です。
調整が終わりましたら、ディレイラーの取り付け、調整まで終了となります。
ディレイラー取り付け後は調整と確認が大事!
今回は、変速機についてご説明しました。
ディレイラーは調整を含めると、とても複雑になってしまいますが、慣れるといつでも変速機のトラブルに対応できます。
1度覚えてしまえば、いつでも調整できるメリットが得られるので、これを気にディレイラーの取り付けと調整を覚え、ロードバイクの知識を1つ深めてみてはどうでしょう。