ロードバイクなどは、カスタマイズを自分で楽しむ愛好家も多く、タイヤなどの人気パーツがネットで売買されています。
自転車タイヤのゴム部分は折り畳んでコンパクトになりますが、ホイールとセットの場合、前後2輪分はなかなかの大きさです。
そんな大きなタイヤの配送に、今までサイズ制限のないヤマト便を利用していた方も多いでしょう。
しかし、ヤマト便の改定により、条件や料金などタイヤの配送方法の見直しが必要になりました。
宅急便と改定後ヤマト便の条件と料金の違い
まずは、宅急便と改定後のヤマト便の違いを知るために、それぞれの条件について簡単に整理していきましょう。
●宅急便
・荷物の大きさは、縦横高さの合計が160cm以内、25kgまでの荷物を送ることが出来ます。
・3辺合計と重さで60、80、100と、20サイズごとに160サイズまで分かれていて、サイズが大きくなるごとに料金がアップしていきます。
・関東、関西、九州など大まかな配送エリアごとに料金が分かれます。
●ヤマト便
・宅急便では送れない重さ、大きさの荷物を対象とした配送方法です。
・平成29年に縦横高さの3辺合計が200cm以内、30kg以下、1辺の最長は170cmまでの制限が出来ました。
・料金は少々複雑で、後述する計算式で総重量を算出します。
・宅急便よりも細かい地域区分によって配送料金が異なります。
・ヤマト便のホームページには30kgから180kgまでのエリア別料金表が出てきますが、ヤマトに問い合わせたところ、改定以前の情報ということですのでご注意ください。
上記のように条件は異なってきます。
そして、ヤマト便の改定により、自転車タイヤによっては、配送料金が今までと変わってくる可能性があるのです。
タイヤの大きさごとに梱包方法の工夫が必要になり、ヤマト便の料金計算もチェックしなければいけない、ということですね。
タイヤの種類と大きさ
次に、実際に配送するとしても、タイヤのサイズを知っておかなければいけません。
そのため、参考となる一般的な自転車タイヤの大きさについてもご説明してきます。
タイヤサイズは16インチのコンパクトサイズなどもありますが、売買数の多い人気商品700Cのロードバイクタイヤを例にあげてみます。
フランス式のメートル法表記で、700Cとは700mm、つまりタイヤの径が70cmということです。
ちなみに、ママチャリなどでよくある27インチというのは大きいサイズですが、メートル法に換算すると67.5cmです。
そして、タイヤ全体としてのタイヤ幅は2~5.5cmくらい、平均は3~4cmほどです。
そのため、タイヤだけを梱包するなら縦横1辺70cm強、高さ4cm以内のサイズでほとんどの自転車タイヤは収まりそうです。
また、重さは200g以下の軽量タイヤもありますが、250g前後のものが多いでしょう。
ホイールだけなら軽いもので500g前後、重いものでは1kg以上するものもあります。
しかし、1本の自転車タイヤだけで考えるのであれば、宅配便で対応が出来るでしょう。
ヤマト便を使うより、宅急便を利用した方が料金も安く済むということです。
ただ、実際に売買が多いのは2本です。
2本を配送する場合は、料金比較や梱包方法が重要になってきます。
配送方法はそれぞれ大きさや重さの制限がありますが、ここで対象としてお話ししたのは、あくまで1個あたりの話です。
もし、数本まとめて配送したいということでなければ、小口に分ければ上記の方法でも配送は可能です。
自転車タイヤの総重量計算方法
最初の項にて、ヤマト便の配送料金の算出方法をご説明するとお伝えしていましたので、ここでその算出方法をご紹介していきます。
例としては、先ほどのホイール付き700Cロードバイクタイヤ2本と対象とします。
まず、ヤマト便の総重量を知っておきましょう。
ヤマト便の総重量は、実際の重さと容積換算した重さを比較した時の重いほうの重さです。
また、容積換算の計算方法は、縦○m×横○m×高さ○m×280=○kgという式で求められます。
それでは、梱包をし総重量を考えてみましょう。
タイヤを重ねて梱包し、大きめに見積もっておきます。
容積換算は0.9m×0.9m×0.1m×280=約23kg、実重量は梱包材合わせて4~5kgと考えられますのでこの場合、23kgが総重量です。
3辺合計190cm、23kgということで、ヤマト便の制限内に収まっています。
そして、配送料金は、東京都内から都内だと2388円、東京都内から大阪市内へは2712円です。
また、注意していただきたいことがあります。
それは、1辺が10cmずつ大きくなるだけで3辺合計や容積換算がオーバーしてしまうため、注意が必要という点です。
逆に、もう少しコンパクトに梱包出来れば、宅急便でも配送が可能になるかもしれません。
タイヤとホイールの梱包方法
ここでは、重要となる梱包方法をみていきましょう。
まずは、大きくて嵩があるホイールを傷つけないように、断面を覆います。
両面のホイールに布を被せ、さらに1辺をタイヤ直径にカットした正方形のダンボールをあてます。
そして、ビニールテープや梱包用ラップを十字に巻きつけて、タイヤの両サイドを挟んだダンボールをしっかり固定します。
最後にダンボールで固定したタイヤを2本重ね、気泡入り緩衝材などで全体を包みます。
これで、断面を覆うことが出来ました。
次に入れ物にホイールとタイヤを入れることで梱包自体は完了です。
梱包をしたら、タイヤやホイールに圧がかかって傷ついたり変形したりしないように、上積み横積み厳禁で送りましょう。
このとき、梱包材の厚みが縦横合わせて5cm以内、高さも5cm以内に収まれば、先ほどの例の4cm幅70cm径自転車タイヤ2本はヤマト便ではなく、料金の安い宅急便で配送出来ます。
ここまでのことをすると、送ることも可能でしょう。
宅急便の料金よりヤマト便が有利な場合
宅配便とヤマト便の違いが分かったかと思いますので、実際にどちらのほうが有利なのか、についてご説明していきましょう。
数本の自転車タイヤを送る場合は、ヤマト便の方が宅急便よりも料金的に有利です。
それでは、先ほどの700cタイヤを例に計算してみましょう。
まず、4本では容積換算が約45kgとなり、オーバーすることを頭に入れて見てください。
そして、改定前のヤマト便は、大きさに制限がありませんでしたが、制限があるため、まとめて配送が出来ません。
そのため、ヤマト便でも複数個口に分けて送る必要があります。
このことからどちらも複数個口にする必要が出てくるでしょう。
そこで、料金に違いが出ます。
宅急便では1個につき100円の割り引きですが、ヤマト便は大幅な割引きがあります。
宅急便の160サイズで比較してみました。
【宅急便】
・関東エリアから関東エリア 1個2030円、2個口3860円、3個口5790円
・関東エリアから近畿エリア 1個2138円、2個口4076円、3個口6114円
【ヤマト便】
・東京23区から東京23区 1個2388円、2個口2604円、3個口2928円
・東京23区から大阪市内 1個2712円、2個口3360円、3個口4224円
このように、同一宛先への配送で本数が多い場合は、ヤマト便を選択するほうがかなりお得になるのです。
ただし、ヤマト便の場合は集荷に来てもらうか営業所持ち込みとなり、宅急便のようにコンビニで受付てもらえないので注意しましょう。
また、ヤマト便の個口割引料金に関しては、ホームページが新料金表に対応するまで、営業所やコールセンターに問い合わせて確認する必要があります。
そして、最寄の営業所やフリーコールの電話が繋がりにくい場合は、他地域の店舗に問い合わせても同じ回答が得られるので時間も手間も掛かりませんね。
ヤマト便の配送料金をお得にする方法
ヤマト便でタイヤを送る場合、さらに料金を安くする方法があります。
ヤマト営業所が近くにある方や車が使える方は、持ち込むだけで120円割引きされます。
さらに、200円利用ごとにTポイントが1ポイント貯まります。
ポイントは配送料金にも使用出来るのでお得ですね。
Tポイントサービスは営業所持ち込みの場合と集荷の場合のみで、コンビニや取り扱い店では貯まりません。
また、クロネコメンバーズという会員に登録するとさらにポイントが付与されるサービスもあります。
他にも特典がたくさんあるので、よく配送サービスを利用される方はこのような会員サービスを駆使すればよりお得に利用出来そうですね。
困った時はヤマトのオペレーターや営業所のスタッフが、一番安くなる配送方法を提案してくれるので問い合わせるのが確実です。
タイヤの配送は大きさと本数で使い分ける!
配送方法で料金は意外と違うものです。
自転車タイヤを安い料金で配送するには、ヤマト便か宅急便か、迷ってしまうという方が多いのも納得です。
ヤマト便の改定で値上がったかに思えた配送料金ですが、さまざまなサービスを利用し、梱包を工夫したり、複数個口に分けたりすればお得に送れるということですね。
愛着のあるタイヤや、心待ちにしている方に届ける際は丁寧に梱包し、ヤマト便などの安全で確実な方法で届けたいところです。