ロードバイクは見た目には同じに見えても、細かく種類分けがされています。
フレームの素材、使用される用途、女性専用などもあり、突き詰めれば一台一台に全く違う個性があるものです。
世界的なスポーツバイクメーカーであるトレックのロードバイクも、幅広いユーザーからの要望に応えるべく様々なタイプがラインナップされています。
そこで今回はトレックのロードバイクを、「種類」という観点で分類しながら確認していきます。
ロードバイクをフレーム素材で種類分け
まず、ロードバイクを種類分けして見ていく上で欠かせないのは、フレームの素材です。
ロードバイクに使われるフレーム素材は主に「カーボン」と「アルミ」で、ヨーロッパの老舗などでは「クロモリ」などのスチール素材も使われています。
ロードバイクには「軽さは正義」なんて言葉もあるくらい、車体の重量が重視されます。
フレームはロードバイクの骨格ですから、もちろん車重において大半を占める部分になります。
その点でいけばカーボンフレームは圧倒的に軽量であり、プロのロードレーサーに提供される機材もほとんどがカーボンです。
トレックで例を挙げますと、2018年モデルの【Emonda(エモンダ)SLR 9】は、コンポやホイールにも最高級品が使用されているとはいえ、5.88㎏(56サイズ)という軽量さです。
プロのワールドツアーでは車重が6.8㎏を下回るロードバイクの使用が認められていませんので、このままでは1㎏近いおもりが必要なほどの軽さです。
そして、カーボンフレームのもう一つの特徴はとにかく高価で、上記のモデルは1,167,000円と、初心者の方は「一けた間違ってる?」と思うような価格です。
これはトレックに限ったことではなく、どのメーカーでもプロレーサーに提供されている機材は100万円を超えるモデルが珍しくありません。
アルミフレームのロードバイクは扱いやすさが売り
ロードバイクの種類をフレームの素材別に確認していますが、次はアルミです。
アルミは、「丈夫」、「金属の中では軽量」、「安価に製造できる」、この3点において、ロードバイクの素材として非常に適しています。
カーボンは衝撃に弱く、傷が付いたりするとそこから一気に破断することもありますが、アルミは凹みこそしますが、修復不能な破損はかなり少ないです。
また、金属であれば重量が重くなるのは当然ですが、その中でもアルミはかなり軽量な部類です。
カーボンとは比べものになりませんが、スポーツバイクらしい軽快さはアルミフレームでも十分に味わえます。
そして、これが最も大きな特徴ですが、安価ということです。
合わせるパーツによって差はありますが、カーボンフレーム車のように浮世離れした価格になることはまずありません。
例えば、トレックのエモンダのアルミフレームである、【Emonda ALR 5】は166,000円です。
同じ「エモンダ」を冠するロードバイクですから、広い意味でいえば同じ種類なわけですが、何と価格差が約100万円あります。
「Emonda SLR 9」は何から何まで究極を極めたような、トレックのフラッグシップモデルです。
したがって、極端すぎる比較対象ですが、カーボンとアルミはこのくらいの差があってもおかしくない、ということです。
アルミフレームは、ロードバイク初心者の方に向けた「エントリーモデル」が多くなります。
価格もそうですが、不慣れな内は転倒などで車体を傷つけることも多いですから、扱いやすいアルミの方が気を使わずに乗れる、という利点もあります。
トレックの「エンデュランスモデル」という種類
ロードバイクを種類分けして考えていますが、ここからはトレックのロードバイクをモデル別にご紹介します。
【Domane(ドマーネ)】
ヨーロッパで古くから行われている、石畳などの悪路コースを走るレース用に開発されている「エンデュランス」モデルです。
石畳の上を走りますので、地面からは強烈な突き上げがきますが、その振動を吸収する仕様になっているのがエンデュランスモデルです。
また、スピードを出すというよりは車体を安定させて走らせることが重要ですので、ロードバイク特有の前傾姿勢が深くならないのも大きな特徴です。
そのため、楽な姿勢で乗ることが出来ますし、胸が開かれる分、呼吸が楽になりますので、長距離を走るのに適したモデルです。
エンデュランスモデルは開発された経緯でもお分かりかと思いますが、れっきとしたレースモデルです。
しかし、近年は楽な乗車姿勢やマイルドな乗り心地が受けて、初心者の方に人気が高いモデルでもあります。
ドマーネにはプロ仕様の100万円を超えるモデルもありますが、10万円を大きく下回る【Domane AL2(¥77,000)】もあります。
トレックの最先端のロードバイク
続いてご紹介するのは、今のトレンドといえる種類のロードバイクです。
【Madone(マドン)】
こちらは「エアロロード」と呼ばれる機種で、とにかく隅々まで「太い」のひと言です。
空気抵抗の低減を最優先とし、筆者には難しくて理解しきれませんが、空力学の理論に基づいたフレーム形状になっています。
ロードバイクは何よりスピード優先、という側面があるのも事実で、その意味ではトレックが謳い文句にしている「究極」というのも大げさではないでしょう。
マドンには、これもロード乗りの一つの憧れである、「ディープリムホイール」が全モデルに採用されており、見た目のカッコよさでも群を抜く存在です。
競技ではトライアスロンによく使われる機体であり、起伏の少ない平坦な舗装路をハイスピードでかっ飛ばすような乗り方をしたいですね。
なお、チューブが太くなるのでアルミでは重くなりすぎるのか、マドンは全種類カーボンフレームです。
そのため、最低でも50万円は下らない代物で、筆者のような、しがないおじさんライダーには手が出せません。
トレック最軽量のロードバイクはこれ!
次にご紹介するのは、記事の初めに挙げた【Emonda(エモンダ)】です。
トレック史上、最も軽量といわれるモデルで、先述した通り6㎏を切るモデルも存在する、驚異のレーシングバイクです。
その軽さはフラッグシップモデルだけではなく、ミドルグレードでも、初心者モデルでも、エモンダの名前さえ付いていればイコール軽量、というコンセプトで作られています。
また、レースモデルというと、乗り心地が硬くてペダルを漕ぐ感覚が重い、ガチガチのモデルを想像します。
しかし、エモンダはバランスに長けているので、乗り味にクセがなく、レースモデルでありながら扱いやすさも兼ねそなえています。
その意味では、エンデュランスやエアロにも通じるところがある、オールラウンドモデルといえます。
こういう種類のロードバイクは、用途がまだ定まっていない初心者の方に最適で、10万円台の機種もいくつかありますので、選択しやすいかと思います。
トレックのロードバイクは女性専用も種類が豊富
最後にご紹介させて頂くトレックのロードバイクは、女性専用モデルです。
女性専用モデルは「ジャイアント」のように、一つのブランドとして展開しているメーカーもあります。
トレックは今回ご紹介した種類の中に女性モデルがあるという形式ですが、全てのモデルに専用車がありますので、かなり充実している方です。
女性がロードバイクを選ぶ際に一番苦労されるのは、サイズですよね。
特に欧米のメーカーは自国の男性の体格に合わせてサイズ設定をしますので、小さいサイズが手薄になりがちです。
しかし、トレックはシートチューブで40㎝を切り、トップチューブも50㎝そこそこというサイズもありますので、日本人の成人女性の平均身長(158㎝)には対応出来ています。
また、座面の広いサドルや手の小さい女性にもフィットしやすいハンドルなど、兼用モデルにはない配慮もあります。
ただし、トレックに限らず、ロードバイクに「男性専用モデル」は存在しません。
女性専用モデル以外は全て男女兼用ですので、女性の方も選択肢を狭める必要は一切ありません。
ロードバイクはバラエティ豊か!試乗がおすすめ
今回はトレックのロードバイクを種類別にご紹介しました。
ロードバイクは、フレームの素材で重量と価格に大きな差があります。
また、一見すれば変わらないように見えても、乗車姿勢やペダルを回す感覚などがモデルによって全く違います。
そんな特徴をつかむ意味でも、まずはお店に脚を運び、実際に乗ってみることが大切です。