ルックのペダルの性能!インプレからルックのペダルを紐解く

ペダルは、ロードバイクに力を伝えるための重要なアイテムです。

そして、ペダルにも色んな種類があり、メーカーも存在します。

その中でも、ルックというメーカーのペダルは、軽量性やデザイン性に優れていて、使用者も比較的多いです。

そこで、レースラインの製品群に重きを置いているシマノのペダルと比較しつつ、ルックのペダルをインプレしていきます。

そもそもルックのペダルって?

ルックのペダルのインプレをお話する前に、まずはルックのペダルのことを解説していきます。

ルック社は、フランスに本社を置く、自転車乗りなら知らない人はいない位に有名なメーカーです。

ルックはペダルだけなく、他にフレームも販売しています。

そして、近年ではトップチューブとステムがフラットにつながる独創的なデザインの「675」が話題をさらいました。

このようなルック社ですが、実はペダルでは業界初のことを成しているのです。

ルック社は、元々スキーのビンディングを作っていましたが、それを自転車のペダルに応用し、史上初のビンディングペダルを開発することに成功しています。

そして、往年の名選手である、ベルナール・イノーの自身5度目のツールドフランス総合優勝に貢献しました。

それ以降ビンディングペダルはプロトンはもちろん、ロードバイクにとってのスタンダードアイテムになっています。

現在では、UCIプロチームの、アスタナ、モビスターなどの強豪チームにもペダルを提供しています。

また、昨年引退した伝説的選手である、アルベルト・コンタドールもかつてルックのペダルを使用していました。

各インプレの話題になるルックのペダルの重量は?

ロードバイクのパーツのインプレをする際に、まず最初に気になるのが重量です。

実際に多くの方もインプレとしても重量を視野に入れている方もいることでしょう。

そこで、冒頭でもお伝えしたとおり、シマノのペダルと比較してお話していきます。

まず、シマノは自転車を趣味として行っている方は言わずとも知れている程のメーカーです。

また、レース志向の考えも取り入れています。

このシマノのペダルと比較すると、ルックのペダルの重量は如何程でしょうか。

互いの最軽量モデルの比較としては、ルックのペダルの方が軽量です。

シマノ最軽量のデュラエース(PD-R9100)は、ペア重量が228gです。

これに対して、ルック最軽量のKEOブレードカーボン(チタンシャフト)では、ペア重量が190gと、デュラエースの重量を大幅に下回ります。

次にセカンドグレードの比較です。

セカンドグレードのアルテグラ(PD-R8000)は、ペア重量が248gに対して、ルックのセカンドグレードのKEOブレードはペア重量240gです。

ルックのペダルの方がわずかに軽量です。

しかし、ほぼ互角と言っても良いでしょう。

最後にシマノ105(PD-5800)とKEO2MAXの比較です。

105のペア重量が285gに対し、KEO2MAXのペア重量が260gです。

KEO2MAXが105を20g下回っています。

以上から、もし軽量性を最重視するならば、シマノペダルよりもルックペダルを選ぶと良い事がわかります。

しかし、セカンドグレードのアルテグラと、KEOブレードを比較した場合は、重量差はわずかのため、価格や耐久性などの要素を検討する必要があります。

ルックのペダルのインプレ

それでは、実際にルックのペダルのインプレについてお伝えしていきます。

実際に使用してみると、カタログスペックでは見えなかった事がわかってきます。

はっきり言ってしまうと、シマノとルックの使用感の違いはそのまま、クリートの違いによるものです。

そして、クリートに関してはシマノの方に軍配が上がります。

このクリートのことは、後述するとして、まずはペダル本体のインプレからです。

一般にルックのペダルは、ペダルの踏面が広いため足元の安定感が向上し、ペダルにパワーを伝えやすいと言われています。

しかし、実際の使用感としては、ペダル踏面の違いについては実感することは難しいのではないかと思います。

そして、ペダルの踏面より、シューズのソールの剛性やフィット感の影響の方が大きいでしょう。

また、シマノとルックはビンディング機構がほぼ同じであるため、ステップイン、アウトの感覚もほぼ同じです。

ただ、ルックのペダルは固定力をかなり弱く設定ができます。

そのため、初心者の方には大きなメリットになるでしょう。

しかし、使い慣れて来ると弱くする必要がなくなり、標準の固定力に落ち着くと思います。

これらのことから、ペダル本体の使用感で考えたらシマノとルックは互角だと感じます。

ただし、クリートは別です。

そして、このクリートこそが最大の相違点と言えます。

ルックのペダルのクリートは?

先程のインプレの項で、クリートがシマノとルックのペダルの最大の相違点であるとお伝えしました。

その違いは、クリートのフローティング角とクリートの耐久性です。

まずはフローティング角について考えます。

ルックのクリートのフローティング角の設定は、固定モードの他には、9度、4.5度、となっています。

可動域は、シマノより広いため膝にやさしく、初心者でも安心して使用する事ができます。

しかし、可動範囲が大きいと、動き過ぎて逆に違和感を覚える場合があります。

また、最小でも遊びが4.5度もあるので、シマノのようにちょっとだけ遊びを持たせるということができない点はデメリットにもなり得るでしょう。

次にクリートの耐久性についてです。

シマノのクリートの場合は使い方にもよりますが、少なくとも半年以上は持ちます。

シマノクリートは最悪かなり擦り減った場合でも、それなりに機能します。

一方でルックのクリートは、半年も使い続ければかなり擦り減り、それ以上の使用は難しいのではないかと思うほどです。

ルックのクリートを擦り減った状態で使用していると、クリート先端部分の引っかかりがパキッと折れてしまうことがあります。

このように折れてしまうと、完全に機能しなくなります。

そして、これは走行性能とは関係ありませんが、ルックのクリートは本当に滑りやすいです。

床次第では、スケートリンクのようにも感じることがあります。

そのため、滑り止めのゴムを付けて歩くことをおすすめします。

このことから、クリート面で考えると、ルックよりシマノの方が使い勝手が良いとも感じられます。

インプレだけでない!ルックのペダルのコスパは?

実際に気になることはインプレだけではなく、価格も気になるのではないでしょうか。

そして、ルックのペダルのコスパが気になる方も多いと思います。

ルックのペダルは、シマノのペダルと価格差はそれほどありません。

しかし、トップモデルのみ飛び抜けて高いです。

例としてシマノ、ルックのペダルを価格順に並べてみます。

※()内にはペア重量を記します。

1.ルック KEOブレードカーボン・チタンアスクル(190g)¥37000
2.シマノ デュラエース・PD-R9100       (228g)¥25000
3.ルック KEOブレードカーボン        (220g)¥23000
4.ルック KEOブレード            (240g)¥16000
5.シマノ アルテグラ・PD-R8000        (248g)¥14000
6.ルック KEO2MAX・カーボン        (250g)¥14000
7.ルック KEO2MAX             (260g)¥12000
8.シマノ 105・PD-5800            (285g)¥12000

ここからは、メーカー、モデル名を省略して番号で記します。

ハイエンドモデルの「1」については一旦置いておきます。

注目ポイントとして、「3」が「2」よりも安いのに重量が8g軽いという点です。

とは言っても、8gの差は微々たるもので、「3」及び「2」の性能は横並びであると言えます。

同じ性能で、ルッククリートに不満が無いならば、2000円安い「3」を購入したいところです。

次にミドルグレードの「4」、「5」、「6」ですが、「4」及び「5」の差はまた8gで2000円です。

ここで素直に「5」を選んでも良いのですが、「6」が重量も価格もほぼ同じですので、こちらも選択肢に入ってきます。

「5」と「6」については、クリートの好みが両者を選ぶ際の判断材料になりそうです。

最後にクリートの価格の比較です。

・ルック グリップ有り ¥2700
・ルック グリップ無し ¥2000
・シマノ        ¥2100

実売価格は様々ですが、ルックのクリートの方がシマノクリートよりも高いと思って差し支え無いです。

なお、ルックのグリップ無しモデルは、やむをえない場合以外避けた方が無難です。

ルックのペダルのカラー

ルックのペダルには、シマノのペダルには無い、モデルによってはカラーが選べるという長所があります。

シマノのペダルは基本的に、黒やグレーを基調としたデザインとなっており、どのようなカラーのバイクにも合わせやすいです。

その反面、あまり目立たない色であるため、遠目から見るとペダルがクランクと同化して存在感がありません。

しかし、ルックのペダルには、白や赤といった明るいカラーがラインナップされているため、バイクのカラーと合わせて統一感を出す事や、バイクのワンポイントとして存在感を出す事もできます。

ハイエンドモデルのKEOブレードカーボンは、その名の通りにカーボン柄がはっきりと見て取れ、外見からしても高性能であることがわかります。

また、ルックペダルは時折、限定版などの特別モデルが発売される事があります。

近年では、ペーター・サガンとアルベルト・コンタドールのシグネイチャーモデルがそれぞれ販売されました。

筆者のインプレとしては、人とちょっと違う物が欲しい方には、ルックペダルは魅力的なのではないかと思っています。

ルックのペダルは買うべき?買わないべき?

ルックペダルのポイントをまとめると、

長所

・軽量なモデルが選べる
・膝に優しい
・価格もこなれている
・シマノペダルからの移行がスムーズにできる

短所

・クリートが動きすぎて好みが分かれる
・クリートが減りやすい
・クリートがシマノと比較して割高

良くも悪くもクリート次第と言った感じです。

しかし、広い可動域や、リリースの力を弱く設定できる強みもあります。

膝に優しいペダルをお探しの貴方には、ルックのペダルは「買い」です。