皆さんは「アマゾン」や「楽天市場」などの、ネット通販を利用したことがありますか?
多くの方が「あります!」とお答えになると思いますが、通販は現代の商品購入に欠かせない存在となっています。
となると、ロードバイクも通販で購入する時代なんでしょうか?
そして、世界トップクラスの販売台数を誇るtrekは、通販を行っているのでしょうか?
そんな疑問も含めまして、今回はロードバイクと通販の関係についてお話していきます。
trekはロードバイクを通販していない
まず、冒頭に投げかけさせていただいた疑問の答えですが、trekは通販を行っていません。
trekに限らず、ロードバイクやMTBなどを扱うメーカーの多くが、通販を行っていないのが現状です。
もしtrekの自転車がネット通販などで販売されていても、それは中古品か並行輸入品であり、trekの伺い知れないところです。
並行輸入品は、trekとは直接関係のない第三者が、どこからか買い付けてきたものを転売しているということです。
例えば、日本国内では販売されていないモデルを、trekのおひざ元であるアメリカから買い付けて輸入しているような場合もあります。
以前は並行輸入は違法でしたが、現在は合法のため割と多く行われている販売手法ではあります。
ロードバイクにおいてもタイヤなどは通販で購入するのが当たり前のようになっていますが、並行輸入が多いのも確かです。
しかし、いずれにしてもtrekが関与している通販は現状ではありませんので、購入は実店舗でということになります。
なぜtrekはロードバイクを通販しないのか?
これだけの通販全盛時代に、trekを始めスポーツバイクを扱う多くのメーカーが通販を行いわないのはなぜなんでしょうか?
ロードバイクやMTBはレース機材として開発されていますので、しっかりとした組み付けや整備が不可欠です。
しかし、メーカーがそれを一手に行い、完璧な状態でエンドユーザーまで届けるのは物理的にほぼ不可能です。
そうなると、販売代理店に頼ることになりますが、顔が見えないネット通販はそこがおろそかになる可能性があります。
もし、いい加減な組み付けや整備で販売されたロードバイクで事故が起きたら、それはメーカーの信用問題になります。
また、販売店が整備や修理を担当することにより、ユーザーとの間にワンクッション置くことも当然ながら必要になります。
決して責任転嫁ではありませんが、多くのユーザーからの要望は販売店でおおかた対応出来ます。
実店舗を持たないことが多いネット通販ではそれが叶いませんので、ロードバイクは対面販売を基本としているのです。
trekの生涯保証は正規販売店で購入したものに限る
trekではロードバイクなどのスポーツバイクのフレームに「生涯保証」という制度を設けています。
簡単にまとめますと、trekの正規販売店で購入した自転車に限り、正常な状態で使用している上で起きた破損や故障は一生涯に渡って保証するというものです。
細かい規定などがありますので、詳しくはホームページに載っている規約をご参照ください。
「正常な状態での使用」が分かりずらいですが、これは正規販売店により適切に組み付けられ、適切なメンテナンスを受けていることと明記されています。
また、この生涯保証は、最初のユーザーにしか権利が無いことも記載されています。
いわゆる、通販サイトにある、中古品や並行輸入品は対象外ということです。
これは、ジャイアントやスペシャライズドなどの有名メーカーでも行われており、「とにかく正規販売店で購入してくれ!」という強いメッセージに受け取れます。
ロードバイクを通販で買うなら自力で整備していく覚悟が必要
ここまでは、trekを始めスポーツバイクメーカーがなぜ通販をしないのかを、メーカー目線で考えてきました。
ここからは、ユーザー目線に立ってロードバイクと通販の関係を考えてみましょう。
これは筆者の持論ですが、最初のロードバイク(スポーツバイク)の購入は、「何を買うか」よりも、「どこで買うか」が重要と考えています。
しつこいですが、ロードバイクはメンテナンスなしで乗れる自転車ではなく、そこがママチャリとは根本的に違う部分です。
チェーンやタイヤなどは分かりやすいですが、ベアリングやインナーケーブルなど普段は見えない部分にあるものも、頻繁に交換が必要な消耗品です。
また、消耗品の交換も含めメンテナンスには工具が必要ですし、豊富な知識も必要です。
したがって、通販でロードバイクを購入するということは、それらを全て自力で行う覚悟が必要になります。
まして、先ほどご紹介したtrekの生涯保証に謳われている「適切な」メンテナンスを行うのは、なおさら初心者の方ではハードルが高いです。
今は、ネットで購入した自転車を点検・整備してくれるお店もありますが、責任の所在が分かりにくいので断られることも多いです。
そのため、アフターケアも考えて、信頼できる実店舗での購入が推奨されます。
ロードバイクを通販で購入することの最大のデメリット
ロードバイクはサイズ選びも重要です。
身体に合ったサイズのものに乗らないと、無理な体勢を強いられ体を痛めてしまう原因になります。
また、サイズが合っていないと、本来の性能が引き出せませんので、せっかく高価なロードバイクを購入しても宝の持ち腐れになります。
メーカーのホームページやカタログには、自転車の設計図的存在のジオメトリ表があり、大体のサイズ感はつかむことができます。
trekはサイズごとに適応身長を明示していますので、それも参考になります。
しかし、ロードバイクのサイズは一筋縄ではいかず、手足の長さや身体の柔らかさも関係してくるので、実際にまたがってみることが必要です。
お店で自分の体の部分を計測してもらってサイズを選び、ハンドルやサドルの高さを決め、しっかりと乗車ポジションを出してから乗るのがロードバイクです。
ところが、通販での購入では、サイズはジオメトリ表の数値だけで判断しなければいけませんし、ポジション出しも自分で行います。
したがって、購入後のメンテナンスも含め、実店舗で購入し顔を繋いでおくことが必要なのです。
trekのロードバイクはこんな店舗で購入したい
では、通販では購入できないtrekのロードバイクは、どこで購入すればよいのか?
まず、第一に考えたいのは、自宅から自転車で行ける範囲の場所です。
出先でトラブルが起こることもありますが、保管してある自宅から向かうことが多くなるのは間違いありませんので、駆け込み寺的存在の店舗は自宅を拠点に考えましょう。
trekは専門店に加え、大手サイクルチェーンや、スポーツバイクのみを扱う「プロショップ」など、取扱い店が豊富です。
そのため、身近で見付けられる可能性も高いと思われます。
次に、前項のサイズのお話で触れましたが、購入前に試乗をさせてくれるお店の方が信頼度は高いです。
静止の状態で跨ってみるよりも、実際に走らせることで自分へのフィット感がより鮮明になってきます。
あとは、ここまでお話してきた、メンテナンスの体制がしっかりしている店舗ということになります。
自転車を組み付けたり、修理・メンテナンスを行うスペースが確保されているか、工具は揃っているかなどをなにげなくチェックしましょう。
また、店員さんの対応にも違いがありますので、確認するとよいでしょう。
まずは身近に頼れるお店を探しましょう
今回はロードバイクを通販で買う難しさに、気付いてもらいたいというお話でした。
通販サイトに上がっているtrekのロードバイクは、trek製ではありますが、直接の関与はありません。
したがって、何があっても自己責任ですし、一切保証はありません。
そんなことにならないためにも、ロードバイクはアフターケアが不可欠なので、信頼できるお店で購入して点検整備を定期的に行ってもらうというスタンスが賢明です。