「ボントレガー」を知っている人は相当なスポーバイク好きか、「トレック」ユーザーですね。
ボントレガーはトレック傘下のパーツブランドで、主に完成車用のパーツを製造しています。
また、正規販売店ではパーツ単体の販売も行っています。
そんなボントレガーの中でも、ロードバイクのサドルに多く採用されているのが「アフィニティ」です。
今回はこのアフィニティを参考にしながら、ロードバイクのサドルについて考えていきます。
ボントレガーにはサドル以外にも「アフィニティ」ネームのパーツがある
まず、間違えないで頂きたいので先に申し上げておきますが、ボントレガーの「アフィニティ」には、サドルの他にホイールもあります。
ですので、アフィニティのサドルに関しては、必ず「サドル」という言葉を入れて検索してください。
サドルのアフィニティは、現在(2018年3月)単品のパーツとしては1種類のみです。
【Bontrager Affinity Comp】参考価格:¥7,871
製品名の「Comp」がグレードを表しており、Compはエントリーグレードです。
言葉は悪いですが、最低限の性能を維持しながら、上位グレードのようなこだわりは加味しないというのがエントリーモデルです。
ボントレガーのサドルは乗車姿勢を5段階で表しており、アフィニティは「3」になります。
数字が小さくなるにつれて前傾姿勢が深くなっていき、「1」は極限の直線スピードが要求されるトライアスロンやタイムトライアルバイクの姿勢になります。
アフィニティは3ですので、極端な仕様ではなく、バランスが取れているとみてよいでしょう。
ボントレガーのサドル「アフィニティ」のスペック
ボントレガーのサドル「アフィニティ」のスペックを確認してみましょう。
グレードの話とも関係してきますが、サドルを支えるレールの素材がグレードによって違うのもボントレガーの特徴です。
ボントレガーの「Comp」グレードはクロモリで、グレードが上がると軽量のチタンやカーボンになっていきます。
また、多くのサドルは後方の座面の幅が選択できるのですが、アフィニティは現在148㎜という一番広いタイプしかないようです。
トレックショップでは、専用の「サドルサイザー」に腰掛けるだけで座面の最適な幅が分かるようになっています。
そのため、実際に購入される時は店舗で確認して、違うサイズでもアフィニティがよければ、旧モデルの在庫がないか尋ねてみましょう。
アフィニティは先述した通り、極端なモデルではないので、レースモデルにありがちなペラペラでガチガチに硬いサドル、というわけではありません。
適度なクッション性を持ったパッド入りですし、中央部に入った溝がデリケートゾーン(股間)を保護してくれます。
完全なコンフォートタイプには劣りますが、ロードバイク用としてはまずまず快適な乗り心地です。
重量は公表されていませんが、インプレの実測値では300g前後となっており、ヒルクライムには重いかな、という印象です。
アフィニティとママチャリサドルの比較
ロードバイクは軽さが命という側面があるので、サドルももちろん軽量です。
ママチャリでは不動の人気を誇る、ブリヂストンの「ソフトサドル」の重量は約800gほどあります。
衝撃吸収を高めるために、レール部分にスプリングが仕込まれていることもありますが、ママチャリのサドルはこれくらいのボリューム感があります。
一方、ボントレガーのアフィニティはロードバイク用としては軽量な部類ではないですが、それでもソフトサドルに比べれば500gも軽いです。
また、座面の幅もアフィニティよりソフトサドルは80㎜も幅広です。
さらに厚みも、アフィニティは先述したように衝撃吸収のパッドは入っていますが、ママチャリのサドルに比べれば薄くクッション性は劣ります。
劣るという言葉を使うと欠点のように思われてしまいますが、根本的に作りが違うということであり、ロードバイクのサドルは薄くて、幅が狭く、軽いものなのです。
その中でもアフィニティはどちらかといえば、厚みがあって、幅広で、重量がある方だということを理解しておいてください。
ロードバイクのサドル選びはまず体重に合わせる
ロードバイクのサドルはボントレガーもそうですが種類が多く、いざ選ぶ段階になるとかなり迷ってしまわれると思います。
まず、基準ですが太っている人はクッション性の低い硬めのもの、やせている人は厚くて柔らかめのものが向くとされています。
これはタイヤやホイールにもいわれることですが、剛性の問題です。
サドルに人が座れば多かれ少なかれ沈み込むわけですが、体重の重い人がクッション性のある柔らかいサドルに座れば沈み込み過ぎてしまいます。
それではペダルに力を込めることができないので、せっかくのロードバイクの性能を発揮することができません。
反対に痩せている人が硬いサドルの組み合わせですと、沈み込まないので、地面からダイレクトに衝撃が伝わってしまいます。
短い距離であればまだしも、長距離ではお尻が痛くなり我慢できないほどになるはずです。
その点でアフィニティはロードバイク用ではクッション性のある方なので、体重が重い人向きといえるでしょう。
サドル選びは、まずは自分の体重に合ったタイプのものを選ぶことから始めてみましょう。
サドルは座面の幅も重要
ロードバイクのサドルは、骨盤の形状によっても最適なものが変わります。
骨盤が広い人は座面の幅が広いタイプ、骨盤が狭い人は座面が狭い細長いタイプのサドルが合っています。
先ほどトレックショップの「サドルサイザー」の話をしましたが、骨盤の形状を測定するものでもあるのです。
骨盤は一般的に男性よりも女性の方が広いので、女性専用のサドルは座面が幅広くなっているものが多いです。
ボントレガーのサドルでもユニセックス(男女兼用モデル)はアフィニティの148㎜が最高になりますが、女性専用のサドルを販売しているところでは、170㎜近いサイズもあります。
トレックは、レディースモデルのロードバイクが豊富ですが、他メーカーはトレックほど豊富ではありません。
したがって、女性の場合は最初から幅の狭いサドルを使うことになり、痛みが出ることも想定されますので、早めに交換を考えたほうがよいでしょう。
ボントレガーのアフィニティに後継サドルが登場した
さらには、自分がどうロードバイクを乗るか、といった用途でも最適なサドルは決まってきます。
登坂競技であるヒルクライムレースでは、何より軽量なことが有利ですし、立ち漕ぎが多くなるので座り心地は二の次でよくなります。
ですから、薄くても幅が狭くてもよいので、とにかく軽いものが選ばれます。
一方、長距離を走るロードレースやツーリングでは、疲労の軽減が重視されますので、サドルにもクッション性がないといけません。
ボントレガーのアフィニティは乗車姿勢が「3」とお伝えしたように、胸が開かれて呼吸が楽になる姿勢で乗ることができます。
その意味では長距離向きであり、クッション性もまずまずですからお尻が痛くて悩んでいる人も選択肢に入れてよいサドルです。
ただし、アフィニティは縮小傾向にあり、変わって形状の似た【ARVADA(アーバダ)】というモデルが、2017年の年末に3グレードで販売開始されています。
アフィニティをさらに柔軟にしたサドルで後継モデルといわれていますので、アフィニティを所望している方はこちらも視野に入れてください。
サドルは自分に合ったものが一番
今回はボントレガーのサドル「アフィニティ」に注目してみました。
ロードバイク用としては、易しめというか体に無理なくフィットさせられるタイプといえます。
ただし、それが全ての人に最適かというとそうではなく、それぞれに合ったサドルのタイプがあることもご説明しました。
皆さんの今後のサドル選びに今回の記事が役立てば幸いです。