シマノのstiを修理・交換するための分解方法と注意点は?

ロードバイクに乗っていると、性能をもっとアップグレードさせたくなったり、メンテナンスを自分で行いたくなったりするのではないでしょうか。

人によっては、ホイールやタイヤの交換をする場合もありますが、変速機をメンテナンス・交換をしたくなる人も多いでしょう。

そこで、今回はシマノのstiの分解方法についてご紹介していきます。

シマノのstiの互換性

自分の乗っているロードバイクのstiの調子が悪くなったら、「交換しよう」と考えるのが一般的でしょう。

その際、グレードアップを考えて、違うstiに交換をしようとしている人がいると思います。

しかし、その交換をする際には、現状のstiと交換しようとしているstiの互換性を確認しなければなりません。

例えば、現状シマノsoraを使っている場合、stiのみをシマノ105に交換することはできません。

その理由は、同じシマノであっても、ギア数が異なるからです。

soraは9速なのに対し、105は11速なのです。

このため、stiのみをアップグレードさせたくても、互換性が無いためできません。

もしアップグレードを試みるのなら、コンポ全てを交換したり、ホイールやスプロケットと一緒に交換する必要があります。

一方、現状が105で、ULTEGRAに交換しようとすれば、同じギア数になりますので、交換自体は可能となります。
このように、現状と交換後の比較を行うことで、交換可能であるのか判断することができます。

確認できない場合や、不安がある場合には、交換作業に入る前に、一度、メーカーや専門店に確認しておくと安心ですね。

次からは、分解方法やメンテナンスについてご説明していきましょう。

自転車本体からシマノのstiの分解方法

では、まずは自転車本体から、シマノのstiを取り外す分解方法についてご紹介します。

stiを取り外すこと自体は、stiの修理や交換だけでなく、バーテープやハンドルの交換でも必要となる作業です。

特別な工具も必要としないため、一度試しに行ってみるのも良いかもしれません。

まず、バーテープを剥がします。

その際ドライヤーで温めながら、バーテープをゆっくり剥がしていくと、ベタベタが残らず、きれいに剥がすことができます。

同じ要領で、バーテープの下のブレーキワイヤーを固定しているテープも剥がしていきます。

その後、ブラケットカバーをまくると、5mmのアーレンキーで回せるボルトが見えます。

このボルトを緩めて、stiを自転車本体から取り外します。

このとき、完全にボルトを抜いてしまってもかまいませんが、取り付けるときにやりやすいよう、抜ける直前で止めておくと、組立のときに楽になります。

これで、自転車本体とstiを離すことができます。

単純に、新品のものと交換する場合などは、ワイヤー類も外して、新しいものと交換すれば完了です。

今回は、メンテナンスを考えて、このsti自体の分解方法もご紹介していきます。

stiのレバーと本体の分解方法

シマノのstiが単体になったところで、分解方法のご説明をしていきます。

まず、ブラケットカバーを外します。

ブラケットカバーは、レバー側から抜くよりは、本体側へ抜いたほうが外しやすくなっています。

本体とブラケットカバーの形状のかみ合いで、固定されているので、抜けば自然と外れてきます。

本体側面にある、センサーキャップという蓋を外します。

ネジが2本で固定されているため、プラスドライバーで、ネジを外した後、マイナスドライバーで少しこじってあげると、外すことができます。

センサー類が蓋に張り付いている場合があるので、力任せに外そうとすると、断線の危険があります。

少し慎重に作業するようにしましょう。

次に、本体とレバーを外します。

レバーの根元にあるネジを2mmのアーレンキーを使って緩めます。

その後、レバーの根元、側面にあるピンを抜きます。

モデルによっては、Cリングを使用しているものもあるため、その時は特殊工具が必要となります。

どちらの場合にも、ピンを抜く前に作業を行わないと、ピンが抜けないので、注意しましょう。

ピンを抜くために、2.5mmのアーレンキーを挿して、プラスチックハンマーで叩き出してあげれば、ピンを抜くことができます。

このピンが抜ければ、レバーと本体を分離することができます。

ただし、センサーがレバーに取り付いているため、無理やり引っ張るとセンサーが破損します。

ピンセットなどを使い、慎重に抜き出してください。

これで、シマノのstiの分解方法は完了です。

stiのメンテナンスの方法は?

シマノのstiを分解し、バラバラになったので、メンテナンス方法をご説明していきます。

メンテナンスといっても、stiは分解方法でも感じられたと思いますが、精密機械です。

このため、ブラシなどでゴシゴシ洗浄するようなことは不向きです。

そこで、スプレータイプのパーツクリーナーを使い、古い油脂や、ホコリを落としていきます。

また、ネジやバネといった、金属部品は錆びている場合があります。

酸洗いなどして錆を落とすのも良いですが、ある程度の部品は、新品と交換することをおすすめします。

安価な部品類も、このような機会に交換しておいたほうが良いでしょう。

パーツクリーナーで洗浄し、汚れが落ちきったら、十分乾かします。

少しドライヤーなどを使い、温めてあげると、この後の油を塗布するときに油の浸透が良くなります。

是非、試してみてはいかがでしょうか。

十分洗浄が行われ、乾燥した状態で、綺麗な油を塗布してあげます。

金属部分が擦れ合う場所がいくつかあるため、油は必ず塗布するようにしてください。

自分自身でメンテナンスといっても、実際は、洗浄と注油がメインとなります。

ただ、このメンテナンスを定期的に行っているか、そうでないかは、実際の走りに影響を与えることになります。

stiの分解方法の注意点

これまで、シマノのstiの分解方法をご紹介しましたが、分解作業をしていくにあたって、いくつか注意点があります。

まずは、分解前の状態をしっかりチェックしておくことです。

1度分解してしまうと、元の状態は記憶でしかなくなってしまいます。

そこで、写真に残すなどして、分解前の状態を記録しておきましょう。

仮に、途中でわからなくなっても、元の状態に戻せるようにしておくことです。

次に、分解方法のときに少しご説明しましたが、無理に外そうとしないことです。

stiは精密機器です。

精密機器を、無理やり分解しようとすれば、破損してしまいます。

しっかりとした手順を踏んで、作業に取り掛かるようにしてください。

最後に、1度分解して組み直した後は、いきなり全力では乗らず、試乗を必ず行ってください。

元のように組み直したつもりでも、不具合が全く無いとも限りません。

特にstiのレバーは、ブレーキに直結しています。

必ず、思い通りの操作ができることを確認してから、本格的に乗ってください。

stiの新品やシマノによるメーカー作業は?

これまで、stiの分解方法やメンテナンス、注意点をご説明してきましたが、それでも「自分には少し難しそう」だと感じる人もいると思います。

そんなときは、無理をせずにサイクルショップの専門家にお願いしてみるのも、1つの方法ではないでしょうか。

ただし、作業を行ってくれるサイクルショップは限られてしまうと思います。

実際、シマノではstiの完全分解は推奨していません。

このため、分解のマニュアルも、完全に分解しているところまでは明記されていないのです。

近所のサイクルショップで断られてしまったら、シマノに直接依頼することもできます。

調子が悪いのであれば、思い切って、新しいものに交換するという選択肢も考えてみてはいかがでしょうか。

stiの交換作業であれば、多くのサイクルショップで行ってくれます。

工賃は、5000円前後が多いようです。

ロードバイク本体を購入したサイクルショップに相談してみると良いかもしれませんね。

メンテナンスすることの楽しみ

これまで、シマノのstiの分解方法をご紹介してきましたが、必ず必要な作業ではないかもしれません。

しかし、メンテナンスをしっかり行っているか、行っていないかでは、確実に走りには影響を与えます。

最初は、少しとっつきにくいかもしれませんが、1度挑戦してみてください。

メンテナンスという、新しい楽しみが発見されるはずです。