イタリアの老舗スポーツ自転車ブランド「ビアンキ」は、2018年ロードバイクに相当力を入れている姿勢が感じ取れます。
久々となる完全ホリゾンタルスタイルのニューモデルや、超低価格のカーボンフレーム車を登場させています。
今回は、そんなビアンキの人気ロードバイクに迫ってみましょう。
ビアンキのロードバイクは幅広いユーザーに支持されている
ビアンキはメインスポンサーではありませんが、現在もワールドツアーのプロチームに機材としてロードバイクを提供しています。
そのため、フラッグシップモデルである「スペシャリッシマ」や「オルトレXR4」は、完成車で軽く100万円を超える高級車です。
イタリアのメーカーは伝統的に高級なイメージがあり、フレームビルダーとしての誇りを大切にしているメーカーが多いです。
ですから、プロチームに機材として提供されるフレームを中心に、一般ユーザーには手の届きにくい製品をメインに据えているメーカーも少なくありません。
そんな中でビアンキは、非常に幅広いユーザーに向けた製品展開を行っていると言えます。
上記のレースモデルと同じくらいにロングセラーとなっているのが、最廉価モデルの「ヴィアニローネ7)」です。
10万円台前半のアルミフレーム車ですからレースに使用されることはまずありませんが、これが不動の人気を集めています。
この振れ幅の大きさが、今のビアンキであると言っても過言ではないでしょう。
ビアンキの戦略
前項でお話した振れ幅の大きさがビアンキの良いところだと指摘する人もいれば、大衆迎合と揶揄してブランドイメージが落ちているとまで言う人もいます。
個人的には、どちらも分かる気がしますし正解だと思います。
最近のビアンキはコスパを意識している向きがありますので、大衆迎合というのは言葉の善し悪しは別として間違ってはいないでしょう。
ブランドイメージも長年ワールドツアーのメインスポンサーからは外れていますので、そういった意味では落ちているかもしれません。
しかし、驚くほどコスパの高いロードバイクがあるのも事実ですから、一般ユーザーにとっては歓迎すべき方向に向かっているのではないでしょうか。
メーカーの人気を支えるのは紛れもなく一般ユーザーですから、個人的には悪くない戦略だと思います。
ビアンキの人気ロードバイク①~2018年のニューフェイス
それでは、ビアンキの人気ロードバイクを紹介していきます。
何をもって人気とするかは難しいところですが、雑誌やネットのインプレも参考にしながら独断と偏見も入れて紹介します。
まずは、2018年のニューモデルに注目して【ARIA(アリア)】から紹介します。
アリアはロードバイク界のひとつのトレンドになっている、エアロロードのカテゴリーに入ります。
ビアンキのエアロロードと言えば「オルトレ」ですが、洗練されたレースバイクというイメージもあります。
その点からするとアリアは、武骨なまでに太く分厚いチューブで、完全ホリゾンタルスタイル。
正に空力しか考えていないような、正真正銘のエアロロードです。
しかも、オルトレはXR4になると100万円を超えるハイグレードですが、こちらは価格的にはミドルグレードのためプレスリリース当初から話題になっていました。
ビアンキの上位モデルに搭載されている、「カウンターヴェイル」という衝撃吸収材が使用されていないことで価格が抑えられていると言われます。
しかし、カウンターヴェイルがなくても、乗り心地が悪いと指摘するインプレは少ないです。
そもそもエアロロードに乗り心地を求めるのがどうなのかということもあり、加速性や巡航性に長けていれば良いのでは思います。
シマノ・アルテグラ搭載モデルで34.8万円、105で27.8万円ですから、エアロロードを検討している方には嬉しい価格と言えるでしょう。
ビアンキの人気ロードバイク②~エンデュランスモデルの雄
次に紹介する人気のロードバイクは、これも現在のロード界のトレンドである「エンデュランス」モデルになります。
【INFINITO CV(インフィニート・カウンターヴェイル)】
ヨーロッパには「パリ~ルーベ」「ツール・デ・フランドル」など、「北のクラシック」と呼ばれる石畳の上のコースを走る人気のワンデーレースがあります。
石畳のような地面からの衝撃が非常にきつい所を走ることを想定されているのが、エンデュランスモデルです。
2017年シーズンでは、「チーム・ロットNL・ユンボ」のラース・ボーム選手が、インフィニートで北のクラシックに参戦しています。
インフィニートは、カウンターヴェイルをビアンキで初めて搭載した機種として話題を集めました。
私が上手い表現だなと思ったインプレに、「路面にじゅうたんを敷いて走っているような感覚」という書き込みがありました。
振動を全く伝えないわけではなく、遠くからかすかに伝わってくる感じなので、衝撃を吸収してくれているのがハッキリ分かると言います。
また、元々がレースモデルですから、剛性が高く加速力も十分に期待出来ます。
そのためエンデュランスモデルではありますが、ロードレース全般で活躍してくれるフレームです。
キャリパーブレーキとディスクブレーキモデルがあり、それぞれにフレーム単体と完成車があります。
キャリパー仕様が38万円、ディスクブレーキ仕様が45万円、エンデュランスロードバイクのハイエンドモデルです。
ビアンキの人気ロードバイク③~コスパ最強モデル
次に紹介するビアンキの人気ロードバイクは、とにかく群を抜いてコスパの高い機種です。
【SEMPRE PRO(センプレ・プロ)SHIMANO SORA】
かつてはプロチームに機材として提供されていた時期もあったフレームですが、現在は広い用途に適合するオールラウンドモデルになっています。
グレードとしては、カーボンフレームのエントリーモデルです。
エントリーグレードですが、2018年から加わったこのシマノ・ソラ搭載モデルは、カーボンフレームで12.8万円と破格の安さで登場しました。
さすがにカーボンで10万円台前半は記憶になく、ちょっとした革命が起きたと話題になっています。
カーボンフレームとしては抑揚のない単調なフォルムですし、組み合わされているパーツもそれなりですがこの価格なら申し分ないです。
最初のロードバイクからカーボンフレーム車に乗りたいという人には、もってこいの1台です。
ビアンキの人気ロードバイク④~アルミとスチール
次に紹介するのは、人気のロングセラーモデル【VIA NIRONE7(ヴィアニローネ7)】です。
ビアンキのロードバイクの中では最廉価モデルになりますが、ひとつの地位をがっちりと確立しています。
初心者向けという側面がありながら端々にレーシーな仕様を盛り込み、良い意味で最初から「甘やかさない」厳しい一面ものぞかせています。
また、アルミらしくシャキッと硬く剛性が高いので、ロードバイクらしいスピードが味わえます。
もちろんロードバイク最初の1台としてもおすすめですが、レース用などを所有している人の普段使い用にもおすすめしたいですね。
そして、最後にご紹介するのは、スチールフレームの人気モデル【ANCORA(アンコラ)】です。
イタリアは、伝統的にクロモリなどのスチールフレームに、評価の高い機種が多いです。
アンコラはロードバイクカテゴリーですが、フロントキャリアと泥除けが標準装備され、28cという太めのタイヤを履いています。
シフターはダウンチューブに取り付けられた昔ながらのWレバーで、STIレバーを使用していません。
どちらかと言えば、ランドナーやツーリングバイクといった趣が強い機種です。
ビアンキのイメージカラ―である「チェレステ」も淡く渋い感じですし、ブルックスの革サドルもクラシカルなイメージを演出しています。
人とは違う1台を求める人には、面白い1台だと思います。
ビアンキのロードバイクが面白くなってきた
元がつまらなかったわけではありませんが、2018年モデルは特に魅力のある機種が多いです。
コスパの高さも目立ちますし、安定した人気の機種も健在ですので選び甲斐のあるラインナップになっています。
まずは、ホームページなどで確認をしてみてください。