ロードバイクはメンテナンスありきとよく言われますが、まず自分で行えるようにしたいのは、タイヤのパンク修理ではないでしょうか。
ロングライドも多いロードバイクは、いつどんなときにパンクするかも分かりません。
そんなときに自分で対処できれば、どれだけ助かるかは言うまでもありません。
そこで今回は、ロードバイクのタイヤのパンク修理や取り付け方法をご紹介していきます。
タイヤはホイールに取り付けられて車輪となる
今回の話を始める前に、ネットなどで「タイヤ」が広義な使われ方をしていて、紛らわしいと感じるので整理しておきます。
タイヤのことを「車輪」と表現している記事が多かったりしますが、これはストレートに解釈すると間違いの元になります。
タイヤはあくまでタイヤであり、ホイールにはまって車輪となるので、車輪=タイヤは誤解を生む可能性が高いです。
ロードバイクの完成車は、最初からホイールにタイヤがはまった状態で販売されています。
そのため、タイヤ=車輪と思ってしまっても、仕方ありません。
そして、タイヤを交換しようとして通販サイトなどのページを見ると、ホイールにはまっている写真が掲載されています。
しかし、これを購入すると届くのは、箱に入った折り畳まれているタイヤですから、「車輪になっていない」と驚くわけです。
このような間違った解釈は笑い話ではなく、実際によく起こっていることです。
ホイールとタイヤは、別売りです。
そして、ホイールにタイヤを取り付けて、初めて車輪として体を成すということを、覚えておいてください。
ロードバイクのタイヤは細いからパンクするのか?
ホイールにタイヤを取り付けて、車輪となるということがわかりました。
それでは、タイヤのパンクについての話に移ります。
ロードバイクのタイヤは、他の自転車に比べて、かなり細いです。
現在のタイヤサイズの主流は太さ25mm(25c)ですが、これでも太めにシフトしているほうです。
しかしながら、ママチャリなどは35mm以上が一般的ですから、実際に乗ってみると、かなり細いと感じると思います。
この細いことが、パンクを頻繁に起こす原因と言われることがあります。
しかし、これは半分は正解、半分は不正解といったところです。
細いタイヤは軽量なので、表面を覆うゴムが薄かったり、側面がゴムで覆われてなかったりします。
そのために、鋭利なものが刺さってしまったり、飛来物で側面がカットされてしまう可能性は高くなります。
ですから、物理的にパンクしやすいという解釈は、間違いではありません。
しかし、これは適正の空気圧を守ることで、大幅にリスクを下げることができます。
細いタイヤは空気の充填量が少ないため、高圧で入れなければいけません。
そうなると、タイヤはガチガチに硬くなります。
そして、ロードバイクは車輪が高速で回転しているので、多少の異物なら弾き飛ばします。
そのため、適正な空気圧であれば、簡単に異物が刺さったりはしません。
ロードバイクのタイヤに多いパンク
ロードバイクのタイヤにおいては、異物が刺さってしまうパンクよりも、チューブに穴が開いてしまう「リム打ちパンク」のほうが多くなります。
このパンクは、歩道と車道との境いの段差を、乗り越えようとしたときなどに起こるものです。
段差を越えるときの衝撃でチューブが変形して、ホイールのリムと地面の間に挟み付けられるような形で、穴が開いてしまいます。
しかし、これも空気圧が適正であれば、簡単にチューブが変形しないので、ある程度まで防ぐことができます。
このように、パンクは空気圧を守ることで防止できるのです。
ですから、細いからと言って仕方がないと思ってはいけません。
ただ、空気圧を守っていても、パンクしてしまうことはあるので、対処法を知っておくことが重要です。
ロードバイクは車輪がワンタッチで外せるので、タイヤのパンク修理がしやすい環境にあります。
タイヤも、タイヤレバーがあれば簡単に外せますし、取り付けは素手でできます。
これを自転車屋さんに行なってもらうと、結構な工賃が掛かりますので、自力で行えるようにしましょう。
ロードバイクのタイヤとホイールの取り外しと取り付け方法
それでは、まず車輪とタイヤを外す手順をご紹介します。
今回は、タイヤのパンク修理と共に、新品に交換することも視野に入れます。
取り外しに加えて、取り付け方法もご紹介します。
車輪を外す際はロードバイクをひっくり返して、ハンドルとサドルで支えるようにすると、車体が安定します。
まず、前輪からですが、外しやすくするために、ブレーキのクイックリリースレバーを緩めます。
次に、車輪のクイックリリースレバーを起こして、反対側のネジを少し緩めると、車輪がフレームから外れます。
後輪も基本的には同じですが、後の取り付けが上手くいくように、チェーンの位置を変えておく必要があります。
ペダルを回しながらシフターを操作して、フロントはロー、リアはトップギアに入れます。(小さい歯車同士に掛かっていればOK)
あとは、ブレーキを緩めて、車輪のレバーを起こします。
車輪を外すときは、リアディレイラーを後ろにずらしながら、車体を持ち上げてください。
車輪が外れたら、ホイールからタイヤを外していきます。
空気を抜かないとタイヤは外れませんので、バルブを外して空気を抜いてから作業に取り掛かります。
タイヤレバーを2本、間隔を離して、リムとタイヤの間に挟み込みます。
どちらか1本をスライドさせて1周すると、リムにはまっているビードが外れます。
ビードは、リムに噛みこむようにしてはまっています。
これを一度、下に落とすイメージです。
片側のビードが外れたら、中からチューブを引き抜きます。
後は、手で片側のビードを落として、タイヤを完全に外します。
タイヤをホイールに取り付ける際の注意点
この後ですが、タイヤ交換の場合は、新品のタイヤとチューブをホイールに取り付けて、ロードバイクに戻せば完了です。
その際の注意点を、ここでお伝えします。
タイヤを取り付ける際は、レバーを使わず、素手ではめていきます。
片側のビードをリムにはめて、チューブを中に入れます。
チューブには、少し空気を入れておくと、入りやすくなります。
チューブは、ねじれてしまうと、空気を入れたときにバーストします。
真っ直ぐ入れるように、心掛けてください。
チューブを入れたら、片側のビードもリムにはめますが、チューブを噛みこまないようにしながら行います。
最後の数センチが硬いと思いますので、その場合はタイヤレバーを使って、ビードを上げてください。
タイヤがはまったら、ホイールをフレームに戻します。
外したときと逆の手順で戻していきます。
最後に必ず、ブレーキのクイックリリースレバーを戻すことを忘れないでください。
タイヤのパンク修理の注意点
ロードバイクのタイヤを外す際ですが、新しいタイヤに交換する場合は取り付けないので、少し強引でも構いません。
しかし、リム打ちパンクでチューブを修理する際は、タイヤは再利用するので、傷つけないように慎重に外してください。
チューブの修理は、100円ショップでも販売している修理キットがあると、簡単にできます。
修理キットには、穴を塞ぐパッチ・ゴムのり・紙ヤスリ・タイヤレバーなどが入っています。
他には、白色のマーカーとバケツ、金づちを用意してください。
手順は、まずチューブに空気を入れて、水に浸してみます。
チューブを揉んでいくと、穴の開いている箇所から気泡が出てきますので、乾かしてからマーカーで位置を特定させます。
マーカーをした場所の周辺を、紙やすりでこすって、ザラザラにします。
ザラザラにした部分に、ゴムのりをまんべんなく塗り、5分ほど乾かします。
穴の部分にパッチを貼り、しっかり圧着させるために、金づちやゴム槌などで叩いてください。
以上で終了です。
チューブの修復は、これだけです。
ホイールとタイヤの脱着方法さえ分かっていれば、実に簡単な作業なのです。
車輪の脱着方法は覚えておいて損はない
今回は、ロードバイクのタイヤについて、交換やパンク修理のお話をしました。
いずれにしても、タイヤとホイールの脱着さえできれば、作業自体は、さほど難しいことではありません。
車輪の取り外し・取り付けは頻繁にあることなので、これを機に覚えてしまいましょう。