スペシャライズドのロードバイクと言えば、カーボンフレームの「ターマック」「ヴェンジ」「ルーベ」。
そして、伝統的なアルミフレームの「アレー」が代表的です。
中でも、フラッグシップモデルの「ターマック」は、スペシャライズドがロードレース界で確固たる地位を築いた立役者です。
そこで今回は、インプレやブログ記事などもご紹介しながら、ターマックの実力を検証していきます。
スペシャライズドとS-Works
スペシャライズドはアメリカの自転車メーカーとしては、「トレック」「キャノンデール」と並んで、日本で人気の高いメーカーです。
ロードバイクを始めとしたスポーツ自転車のみならず、ヘルメットやシューズの開発にも力を注いでいます。
世界初の量産型のmtbを販売したり、スポーツ自転車メーカーではあり得ない、ディスカウントやホームセンターにある、廉価版のmtbを制作したこともあります。
また、物作り以外でも商標などへのこだわりから、大小構わずに、様々な訴訟を仕掛けることでも有名です。
そんなスペシャライズドは台湾のメリダ傘下に入っていますが、株式の譲渡が49%に抑えられているために、共同経営という形になります。
元々OEMをしていた関係ですから、精度が落ちるなどということはありません。
プロチームに提供されているワークスモデル「S-Works」も、メリダの生産と言われています。
ターマック、ヴェンジ、ルーベに、それぞれ「S-Works」があります。
ショップが掲載しているブログを見ると、「S-Works」は各モデルのフラッグシップ機に冠されているようです。
スペシャライズド・ターマックのインプレブログ
それでは、スペシャライズドの【ターマック】を見ていきましょう。
ターマックはスペシャライズドのロードバイクの中では、レース志向のモデルです。
『怪童』というふたつ名のある、あのペーター・サガンが愛用していることでも有名ですね。
しかし、多くのインプレブログでも伝えられていますが、剛性が強くて、ガチガチに硬いフレームというわけでもなさそうです。
あるショップのブログにも掲載されていますが、カーボンの積層の厚みを部分によって変えていたり、チューブの形状も衝撃吸収の高いものになっています。
もちろん、レーシーな仕様ですから、エンデュランスモデルの【ルーべ】に比べれば、乗り心地は落ちます。
しかし、ホイールやタイヤでカバーできる範疇と聞いていますので、扱いにくさはなさそうです。
そのため、ある程度の経験を積んだ人であれば、硬さを気にせずに踏み抜くことができると言います。
レースには参加しないが、速いロードに乗りたいと思っている方にも、一考の価値ありですね。
スペシャライズド・ターマックのラインナップ
スペシャライズドのターマックをご紹介していますが、ここからはラインナップを確認していきます。
先述したように【S-Works】モデルがあります。
フレームセットで50万円前後、シマノ・デュラエースDi2のフルコンポで、rovalの超軽量カーボンホイールを履いた完成車が、軽く100万超えです。
サガン仕様の特別フレームや、専用設計の女性用モデルもあります。
各メーカー共にレース機材用は、このくらいの価格はしますが、やはりホビーライダーに手の届く部分ではないですね。
そうなると、ノーマルのスペシャライズド・ターマックに目がいくことになります。
ノーマルの中でハイエンドと目されるのが、【Tarmac Men Expert】です。
ジオメトリはS-Worksと、ほぼ変わりませんので、違いはフレーム素材だけでしょう。
グレードを落としていると思われますが、当然ながら、私のようなホビーでは十分過ぎる性能です。
シマノ・アルテグラの新モデルR8000のフルコンポに、フォークとシートポストがS-Works仕様です。
rovalの軽量リムに、DT Swissの高性能ハブで、こだわりの手組みホイールも目を引きます。
公表価格43.2万円をどう見るかですが、ブログなどでは好評価が目立ちます。
ターマックはエントリーモデルが凄い!
ターマックの中で、中位グレードに位置するのが、【Tarmac Men Elite】【Tarmac Men Comp】です。
これもフレーム素材をグレードダウンしているだけで、コンセプトやジオメトリは、上位モデルと変わりません。
実際に、これでホビーレースに参加している方のブログもありましたし、性能は申し分ないものでしょう。
しかし、このクラスになってくると、アルテグラと105のミックスコンポになってきたり、リムはroval製でもハブがグレードダウンしたりします。
先述した【Tarmac Men Expert】との価格差は10万円以上ありますが、それでも頑張ってExpertにしたほうが、個人的には後悔が少ないかなと思います。
ここまでは、上のほうの価格帯であれば、Expertまで駆け上がったほうが良いという考え方です。
しかし、上位グレードのジオメトリを守り、コンセプトが再現されているのであれば、グレードを下げても良いのではと思います。
今回、私が個人的におすすめしたいのは、【Tarmac Men Sport】です。
スペシャライズドの位置付けでは、ターマックの入門グレードですが、非常にコスパの高い1台です。
ブログきっかけでターマックに注目!
私がスペシャライズドの【Tarmac Men Sport】をおすすめしたい(自分でも乗りたい)と考えたのは、インプレブログがきっかけです。
以前からターマックには注目していましたが、【Tarmac Men Sport】は20万円前半ですから、私のようなホビーライダーにも、グッと身近な存在に思えます。
メインコンポはシマノ・105ですが、クランクセットやブレーキにコストカットが見られます。
100万円を超える「S-Works」から、フレーム素材は2グレードダウンしているのですが、この評価が非常に高いのが、全体の評価を押し上げています。
乗りやすさというのは、ターマックの共通コンセプトですが、S-Worksよりも乗り心地は、むしろ上という評価まであります。
また、坂の上りでの軽さを評価する声も多く、ホイールさえ軽量なものに交換すれば、上級レベルのヒルクライムレースでも入賞が狙えると評する声もあります。
ハンドリングの良さも多く評価されていて、高速コーナーに不安がないのは、私も試乗で感じました。
105搭載のカーボンフレーム車としては、驚くような価格ではありませんが、乗ってみれば、そのコスパの高さがすぐに分かると思います。
スペシャライズドのブログ掲載率NO1は「アレー」
ここまで、スペシャライズドの「ターマック」について確認してきました。
レースモデルながら、乗り心地や操作性を加味したオールラウンダーになっているので、用途も幅広く、多くのライダーに支持されています。
そして、スペシャライズドのロードバイクを語る上で触れずにはおけないのが、アルミフレームの名車「アレー」です。
販売開始から約40年の歴史を積み重ねている、スペシャライズドの代表的なバイクです。
アレーはターマックのジオメトリを踏襲するレース仕様モデルですが、2018年モデルから、ややエンデュランスの要素が強くなります。
既に多くの試乗インプレがブログに掲載されていますが、乗り心地の秀逸さを伝えるものが目立ちますね。
特に【Allez Elite(アレーエリート)」は、ジオメトリも搭載パーツも、ほとんど【Tarmac Men Sport】と同じです。
そのため、アルミフレームでもレース機材のターマックのコンセプトが体感できる、コスパの高い1台と言えます。
ターマックの変化
今回は、スペシャライズドの「ターマック」を確認しました。
毎年何らかのモデルチェンジをしていますが、特に今回はエントリーグレードの充実が目立ちました。
カスタマイズの余地も残しているので、自分好みにしていく楽しさもあり、おすすめの1台になっています。