ロードバイクのシフトレバーと言えば、ブレーキと一体型になっている、デュアルコントロールレバーが一般的です。
シマノのSTIレバー、カンパのエルゴレバーなどです。
定番化されていますが、使い勝手が悪いという意見が皆無かと言われると、そうでもなさそうです。
実際に、私の知人の中には一体型レバーを止め、単独レバーを使っている者もいます。
そこで今回は、一体型レバーから単独レバーへの交換を考えてみます。
ロードバイクのシフトレバーはブレーキとの一体型が基本
今回は、あえてデュアルコントロールレバーを止めるという視点で、話を進めていきます。
また、STIレバーはシマノの製品名ですが、今回は一体型レバーの総称として、使用させていただきます。
ロードバイクの醍醐味は、ドロップハンドルとSTIレバーでしょう。
前傾姿勢が基本のロードバイクでは、ブラケットポジションや下ハンドルから、シフトレバーやブレーキを操作できるSTIレバーが最適です。
STIレバーは、もう25年以上も前に使用が開始されており、それ以来、このシステムと交換できるようなものは登場していません。
まず、やはり1本のレバーで、シフトチェンジとブレーキングが同時に行われる機能性の高さは、疑いようがありません。
また、細かい点ですが、ワイヤーケーブルが同じ場所から出ているので、煩雑になりづらいというメリットがあります。
しかし、デメリットを感じている人もいますので、次項でまとめてみましょう。
ロードバイクのSTIレバーのデメリット
ロードバイクのSTIレバーを使用していて、デメリットと感じる意見をまとめますと、ブレーキ関連が主になります。
まず、下ハンドルからでは、手が届きにくいという意見が多いですね。
ロードバイクのブレーキレバーは、テコの原理で下ハンからでないと、強く握れません。
しかし、手が届かないのでは何の意味もなく、ただ危険なだけです。
スペーサーをかまして、物理的に近付ける方法もありますが、ブレーキの引き代が、おかしなことになりかねません。
また、ハンドルの水平部分を握っているときのブレーキングは、持ち替えが必要になります。
そのため、急ブレーキなどの咄嗟のブレーキングは、確実に一歩遅れます。
補助ブレーキを装着する手もありますが、それだったら、STIレバーを交換しても良いはずです。
シフトレバーにしても、STIレバーが高い位置に付いている場合は、下ハンからでは指が届きずらいとの意見があります。
レースでもない限り、シフトチェンジはブレーキングほど、急を要することではないでしょう。
しかし、全体的に手の小さい日本人には、厳しい仕様なのかもしれません。
STIレバーから単独のシフトレバーとブレーキレバーに交換
上記のことをデメリットと思わない人が大勢いるのは、理解しているつもりです。
「ブラケットポジションで何でもこなせるようにならなくちゃロードバイクに乗っている意味がない」
ごもっともです。
しかし、昨今のスポーツ自転車ブームにより、ロードバイクの用途も多様化しています。
普段使いの足として、通勤などに使用している人は珍しくありません。
そのため、その用途に合うようなカスタマイズは、決して否定できるものではないでしょう。
STIレバーだって、例外ではありません。
不便に思ったら、交換しても良いのではないでしょうか?
STIレバーを止めるに当たっては、選択肢が2つあります。
ドロップハンドルを継続したまま、シフトレバーとブレーキレバーを交換する方法。
ハンドルも水平なフラットバーに交換してしまう方法。
これは用途によっても変わりますが、現実的なのは、ハンドルは現行のままレバーだけ交換するやり方です。
ただし、ドロハンに限界を感じている場合や必要性がないと判断すれば、ハンドルごと交換するのもありですね。
シフトレバーはダウンチューブシフターに交換する
それでは、STIレバーを止め、単独のシフトレバーとブレーキレバーに交換する方法を、ご説明していきましょう。
今回は、ドロップハンドルのまま、レバーだけ交換するカスタマイズをご紹介します。
まず、シフトレバーですが、ダウンチューブシフターを使用します。
STIレバーが全盛になる前のロードバイクの主流シフターなので、実績がありますから、信頼度が高いです。
ダウンチューブに取り付けますので、台座が必要ですが、ロードバイクの中には、最初から台座が用意されている機種もあります。
なかったとしても、後付けのマウントが販売されていますので、それを使います。
ダウンチューブシフターには「フリクションタイプ」と「インデックスタイプ」があります。
インデックスタイプはSTIレバーのように、1段ずつ変速する位置が決まっていて、カチッ、カチッと変速されます。
フリクションタイプは位置が決まっていないので、感覚で1段分ずつ動かしていくことになります。
インデックスは位置が決まっているので、スプロケやディレイラーと変速数を合わせないと使えません。
フリクションは何速であろうが、さじ加減でいくらでも動くので、変速段数を気にしなくて良いのがメリットです。
インデックスタイプのものは、変速段数が限られますが、安心・安定のシマノ製です。
ただ、11速のものが見当たらないので、11速のロードの方は、シマノ製以外のものになります。
次項で、具体的な製品をご紹介します。
ロードバイクのダウンチューブシフター
それでは、ロードバイクのシフトレバー交換用ダウンチューブシフターの製品をご紹介します。
【SHIMANO(シマノ):SORA SL-R400(Wレバー)】
参考価格:¥3,100
SORAグレードですが、リア8速のインデックス式です。
フロントは、フリクション式です。
【SHIMANO(シマノ):SL-7900 左右レバーセット】
参考価格:¥7,400
フロントはフリクション式で、リアは10速のインデックス式です。
デュラエースグレードのシフトレバーになりますので、性能はお墨付きです。
【DIA COMPE(ダイアコンペ):Wシフトレバー仕様】
参考価格:¥5,200
前後共にフリクション式ですので、変速段数問わず使用できます。
【Mr.CONTROL(ミスターコントロール):ダウンチューブシフターマウント アダプター φ28.6mm-φ31.8mm 〔CL-DTDR1〕】
参考価格:\3,200
ダウンチューブ用の台座です。
φ28.6mm-φ31.8mmは、ダウンチューブの太さですので、対応できるかどうか確認してください。
ただ、ひとつ注意していただきたいのは、走行中にハンドルから片手を離して、シフトレバーを操作します。
そのため、頻繁にシフトチェンジをするような乗り方には、不向きと言えます。
ブレーキレバーはブラケット取付用に交換
シフトレバーを交換したら、次はブレーキレバーですが、残念ながらドロハンの水平部分に、フラットバー用のレバーは径が合わないので取り付けられません。
そのため、ブラケットに取り付けるものを使いますが、そうなると指が届かない問題が気になるところです。
しかし、製品によっては、STIレバーに比べれば融通は利くようです。
昔ながらのランドナーやツーリング車は、この仕様になっていますので、決しておかしな方法ではありません。
それでも不安がある場合は、相当なレアケースですが、補助ブレーキレバーを水平部分に取り付けます。
では、ブレーキの製品をご紹介します。
【DIXNA(ディズナ):ジェイリーチ ブレーキレバー】
参考価格:¥3,800
ロードバイクのブラケット部分に取り付けるタイプです。
商品の説明を見ていると、正に今回のカスタマイズの趣旨にピタリと合うなと思い、選択しました。
下ハンとブラケットポジション、どちらからでもブレーキが掛けやすいとの評価が多いレバーなんです。
全体的に小ぶりで、レバーも近めに設定されているので、指の短い方や女性にも最適だと思います。
周囲の目は気にしなくて良い!
今回はSTIレバーを外して、シフトレバーとブレーキレバーを単独にするカスタマイズをご紹介しました。
本編でも言いましたが、レアな仕様だからといって、周りの目を気にする必要はありません。
ロードバイクが、絶対にSTIレバーじゃなくちゃいけない理由などないですからね。
あくまでも安全第一、自分の用途優先で良いんです。