trekの7.4fxはクロスバイクですが、2016年で販売を終了しています。
人気のバイクでしたが、後継車となるシリーズも発売されており、ファンは一安心といったところです。
また、7.4fxに限りませんが、クロスバイクはホイールのレベルが、あまり高くないのが悩みどころです。
そこで今回は、trekの7.4fxを例に、クロスバイクのホイールについて考えてみます。
trek・7.4fxのスペック
trekの7.4fxは販売を終了いているので、大まかなスペックしか分かりません。
しかし、価格からすると、クロスバイクとしては、中の上くらいのレベルにあると推測されます。
コンポは、シマノのMTB用Acera(アセラ)とDeore(デオーレ)のミックスです。
フロント3速リア9速なので、普通のレベルのクロスバイクのギア数です。
カーボンフォークは珍しくはないですが、クロスバイクには贅沢な仕様でしょう。
また、メーカーが推しているのは、ハンドルの衝撃吸収性の高さです。
trek独自の「アイソゾーンテクノロジーハンドル&グリップ」は、ハンドルの断面を特殊加工し、グリップを非常に柔らかい素材にしています。
そのため、カーボンフォークも相まって、長時間走行に耐え得るスペックになっていると思われます。
乗り心地面を重視しているのは、標準装備のタイヤが32cからも推測できます。
1グレード上の7.5fxは、28cのタイヤですから、差別化も図っています。
フロントホイールは詳細不明ですが、リアホイールはtrek傘下のパーツメーカー「ボントレガー」のリムに、シマノのハブで手組みしてあります。
trek・7.4fxはバランスに優れたクロスバイク
前項で大まかにスペックを確認しましたが、trekの7.4fxはクロスバイクらしく、乗り心地や快適性が十分加味されていることが分かります。
サドルもロードバイク用の薄いものではなく、コンフォートモデルのようです。
また、テーパーヘッドチューブ採用も、クロスバイクとしては特筆ものです。
上が1-1/8、下が1.5インチという、異なる太さのチューブを配することで、ハンドル周りの安定性をアップさせています。
ロードバイクでも採用されていない機種もあるので、中々粋な計らいです。
また、ワイヤー類をチューブに内蔵している点も見逃せません。
取り回しのわずらわしさの解消に加え、空気抵抗の低減も期待できるので、走行性能の高さがうかがえます。
このように、乗り心地や快適性を重視しながら、走行性能も高めるこのバランスの良さが、7.4fxの人気の秘訣だったと思われます。
ただ、一点気になったのは、漕ぎ出しの重さを指摘する声が多かった点です。
タイヤが30cですから、その影響もあるでしょうし、ホイールも手組みなので詳細は分かりませんが、リムにやや重量があるのは間違いなさそうです。
クロスバイクのホイールはレベルに疑問が…
trekの7.4fxを、さらに確認していくと、やはりホイールの評価が微妙です。
MTB用のホイールが使用されているので、軽快さがないのは仕方ないですが、街乗りには物足りなさが残ります。
そこで考えたいのが、ホイールをロードバイク用の軽量のものにして、走行性能を上げるカスタマイズです。
ところが、これが7.4fxでは、基本的にはできません。
ロードバイクは、ハブの長さ=エンド幅が130mm(ディスクブレーキ車は135mm)ですが、7.4fxは135mmです。
そのため、ロードバイク用ホイールは適合しません。
また、クロスバイク用の完組みホイールは、ロードバイク用に比べて、グッと少ないです。
これは単に、需要がないからです。
実際に、数年前まではtrekのボンドレガーにも135mm幅のロードバイク仕様の完組みホイールがありましたが、今はありません。
ロードバイク用のホイールは、それこそ10万円以上するものでも、バンバン売れます。
しかし、7.4fxは本体価格が8.8万円ですので、それくらいのクロスバイクに10万円のホイールを取り付けるのか?という話になってしまいます。
クロスバイクにロードバイク用ホイールを装着する方法
前項で135mmのエンド幅のtrek・7.4fxのようなクロスバイクに、130mmのロードホイールを取り付けることは、基本的にはできないとお伝えしました。
しかし、取り付ける方法は皆無ではありませんし、実際に行っている人も多数います。
まずは、このエンド幅5mmの差を埋めなくてはならないので、ハブの中に入っているシャフトを、135mmのものにする必要があります。
これはシマノの純正でも、5~600円で手に入ります。
次に、5mmのスペーサーをフリーボディと反対側に装着します。
スペーサーは、変換アダプタ―などの名前でネットで販売されています。
なぜ反対側に入れるかというと、フリーボディ側にスペーサーを入れてしまうと、スプロケの位置が5mmずれます。
そうなると、変速がおかしくなるので、反対側にします。
しかし、この方法ですと、リムとブレーキシューが干渉してしまいます。
そこで、スポークの調整をして、センター出しという作業が必要になります。
これは、自力で行うには専用の工具や手間が掛かりますので、相当の熟練者でなければ難しい作業です。
センター出しだけなら2~3,000円でやってもらえるはずなので、初めてであれば、ショップに頼んでしまって良いと思います。
もうひとつ、ハブの両側に2.5mmのスペーサーをかませる方法もあります。
センター出しが必要なくなるので、自力で最後まで行えますが、これはおすすめできません。
チェーンラインがずれてしまうので、ディレイラーの調整に苦労しますし、チェーン落ちの危険性もあります。
また、構造上使えなくなるギア比も出てくるので、やめた方が賢明です。
ホイールを手組みしよう!
trekの7.4fxにロードバイク用のホイールを履かせることを考えていますが、次の手段としては、ホイールを作り出してしまうことです。
話が前後しますが、ハブの長さの違いは後輪だけで、前輪はロードバイクもクロスバイクも同じです。
そのため、前輪はロードバイク用の完組みホイールが、そのまま履けることになりますが、手組みで作るなら前後セットが良いでしょう。
話を戻しますが、ホイールを作るということはロードバイク用のリムに、135mmのハブで手組みするということです。
これも自力で行うのは可能ですが、最初はショップに依頼しましょう。
と言うのも、ホイールを手組みしようとまで考えている人は、自転車にどっぷりハマっている人です。
そういう方はショップを何軒か回り、自分と気の合いそうな店員さんを見付けて、何でも相談できるような関係を築きましょう。
そういった関係を築けば、あとは予算を伝えるだけで、あなたに合う手組みホイールを提案してくれますよ。
そこで意見を戦わせていきながら、完成させれば良いのです。
trek・7.4fxの後継機
ここまで、trekの7.4fxについて確認をしてきましたが、どう頑張っても新品はもう手に入りません。
そこでここでは、これから購入を考えている人向けに、2018年モデルから後継機をピックアップします。
2018年のfxシリーズは、通常のfxに加えて、スポーツライクなfxsシリーズがラインナップされています。
fxsの上位2機種は、カーボンフレームにロードバイク用コンポ、フロント2速のコンパクトクランク採用です。
クロスバイクではありますが、フラットバーロードと呼んでも、差し支えないスペックです。
価格が、クロスバイクとしては驚きの20万円超えですので、やはりロードバイクと考えるべきですね。
そのため、7.4fxの後継機は、ノーマルなfxシリーズと見られます。
ノーマルなfxシリーズは、グレード別に3種類ありますが、中でもfx3が、かろうじて7.4の名残りがあります。
価格が、だいぶ下がっているので、ところどころにコストダウンは見られます。
ドライブトレインはシマノで統一されていますが、7.4fxに比べると、グレードを微妙に下げています。
また、決定的なのはホイールです。
リムはボンドレガー製ですが、ハブに至っては、シマノ製からフォーミュラにコストダウンしています。
率直に言うと、完全な後継機と呼ぶには、いささかさびしいスペックになってしまったということです。
そうなると、前項のような手組みのホイールも視野に入れたいですね。
trek・7.4fxはホイールを手組みしてまで残す価値アリ!
価値観の違いがありますので、一概には言えませんが、後継機も微妙なので、カスタマイズをしながら残していきたいですね。
手組みのホイールは驚くほど高価になることもないので、一度、気楽に相談がてらショップに行ってみてください。