トップチューブ長ってどこの部分を表しているの?測り方は?

スポーツ自転車に記載されているサイズは、シートチューブの長さが採用されています。
自転車の高さに当たる部分ですから、決定的な部分であることは間違いありません。

しかし、スポーツ自転車は乗車ポジションが大切であり、それを決定するひとつの要素であるトップチューブ長もサイズ選びには欠かせないものです。

ただ測り方は、単純にチューブの長さを測れば良いというものではなさそうです。

どういうことなのか検証してみましょう。

トップチューブ長とは?

トップチューブ長の測り方をご紹介する前に、スポーツ自転車、主にロードバイクのトップチューブを確認しておきましょう。

トップチューブというのは、フロントフォークを支持しているヘッドチューブから、シートチューブに伸びているチューブのことです。

その長さのことを「トップチューブ長」と呼んでいます。

ロードバイクのトップチューブには、大まかに分けて2つのタイプがあります。

地面と水平になるように、真っ直ぐ伸びているのが「ホリゾンタルスタイル」。
後方に行くにつれて、斜めに下がっていくのが「スローピングスタイル」です。

昔はホリゾンタルが主流でしたが、現在はスローピングスタイルの方が多数派です。

スローピングは、フレームの前側の三角形をコンパクトにすることができるため、軽量化になります。

また、小さなサイズのフレームが作れるので、小柄な人や女性向けのロードは、スローピングスタイルが多くなります。

しかし、見た目の美しさや空気抵抗の低減という意味では、ホリゾンタルの方が有利になります。

そのため、クラシカルな雰囲気を重んじるクロモリフレーム。
空気抵抗に、特に注意しなければいけないエアロフレームなどでは、ホリゾンタルが多くなります。

トップチューブ長の測り方はホリゾンタル換算

スポーツ自転車のトップチューブ長は、ハンドルとサドルの距離を表す、ひとつの目安と考えることができます。

フロントフォークにステムがはまり、そこにハンドルが取り付けられるので、厳密に言えば、トップチューブ長で距離が決まるわけではありません。

しかし、おおよその長さは分かります。

そのために、トップチューブ長も、スポーツ自転車のサイズ選びに、極めて重要な要素となるのです。

トップチューブ長が長ければ、それだけサドルとハンドルの位置が離れていくので、前傾姿勢が強くなります。

また、トップチューブ長の測り方は、特にスローピングスタイルの場合、チューブの実測値ではなくホリゾンタル換算になります。

これは、ハンドルとサドルの位置関係を見るのには、地面と平行でなければ、正確な数値が出ないからです。

そのため、完成車のジオメトリ表に記載されているのもほとんどが、ホリゾンタル換算のトップチューブ長になります。

ロードバイクのサイズの測り方

ここからは、ロードバイクのサイズの測り方・決め方をお話していきます。

明示されているフレームサイズは先述した通り、シートチューブの長さです。

フレームサイズを元に、メーカーが適正身長を決めています。

提示していないメーカーもありますし、メーカーによって、同じサイズでも微妙に違ったりするので、あくまでも目安です。

目安程度にサイズを決めたら、次に見たいのが、ホリゾンタル換算のトップチューブ長です。

フレームサイズは高さが基準ですから、ある程度は身長で決めてしまっても良いでしょう。

しかし、同じ身長であっても、人それぞれ胴や腕の長さは違います。
そのために、トップチューブが長すぎて、ハンドルに手が届かないなんてケースも、十分あり得ます。

ハンドルやサドルの高さ、ステムの突き出しの長さである程度までは、適性のポジションに近付けることは可能ですが、微々たるものです。

やはり決め手は、フレーム形状です。

フレームは伸ばしたり縮めたりすることは、もちろんできませんので、最初から適正に近いポジションになるものを選んでおく必要があるのです。

トップチューブ長の測り方

現在もスポーツ自転車に乗っている人は、今のバイクのトップチューブ長を参考にすれば良いですね。

トップチューブ長の測り方は、ヘッドチューブの上端から真っ直ぐ平行にメジャーを伸ばし、シートチューブの延長線上までを測ります。

もし、トップチューブ長を重視したいのであれば、そこから逆算して、サイズを決めることもできます。

ジオメトリ表のトップチューブ長に近似値のものがあれば、そのサイズが、あなたに一番適している可能性があるということです。

おおむねの判断材料として、販売店などで、この話をすると、スムーズに適性のサイズが見つかるはずです。

トップチューブ長の他に、ヘッドアングルやチェーンステーの長さも、乗車姿勢には大きく関わってきます。

一筋縄では行かないので、やはり購入するときは販売店に足を運んで、相談しながら決めるのが賢明です。

サイズ選びには用途をはっきりさせると良い

初めてロードバイクを購入する方は、一からお店に任せるのが良いでしょう。
正直言って、机上の計算であれこれ考えるより、1回の試乗に優るものはありません。

また、お店に行ってトップチューブ長の測り方なども教わりながら考えていくと、最初から正しい知識を入れることができるのもメリットです。

ここまでの話は、試乗の下準備として、目安のサイズを知る際の参考にしてもらえばと思います。

また、自動車のディーラーと違い、スポーツ自転車の販売店は少ないので、お目当ての機種に必ず試乗できるとは限りません。

しかし、別の機種に乗ったとしても、フレームサイズやトップチューブ長が近似値のものであれば、サイズ感はつかめるので無駄ではありません。

そのため、試乗前に、ある程度の目安の数字を知っておくことが必要なのです。

さらには、自分がこのバイクをどう使いたいのかを、明確にしておくことも非常に重要です。

「とにかく速く走りたい」
「山登りもするし坂道も頻繁に走る」
「通勤・通学に使う」

こんな感じで用途をはっきりさせておくと、サイズや乗車ポジションを決めやすくなります。

ホリゾンタルかスローピングかで悩んだら?

ここまで、トップチューブ長の測り方や意味について考えてきました。

最後はトップチューブの形状で、ロードバイクを選ぶにはどうするかという話をします。

スローピングフレームは、トップチューブが斜めになっているので、単純に跨ぎやすいというメリットがあります。

一方で、ホリゾンタルは、トップチューブが高い位置に付くので、跨ぎにくさはあります。

跨ぎやすさも、ロードバイクを選ぶ上では大切な要素です。

しかし、跨ぎやすさの違いだけで、ホリゾンタル換算のトップチューブ長が同じなら、乗車姿勢はスローピングもホリゾンタルもほぼ変わりません。

そのため、決定打にはならず、さらにメリット、デメリットを考えていく必要があります。

もし最後のギリギリの選択で、スローピングとホリゾンタルの決戦になったら、どうするかという話です。

ホリゾンタルのメリットは、見た目のカッコよさでしょう。

綺麗な前三角が形成されるので、「これぞ自転車」みたいな存在感があります。

また、先述した通り、空気抵抗の低減に関しては優勢ですし、前三角が大きい分衝撃吸収性は高くなります。

そのため、長時間走行にはホリゾンタルの方が向いています。

一方で、スローピングスタイルは、コンパクトになる分、推進力が増して走りがレーシーになります。

軽量になることを合わせても、レースを目指すならスローピングということになります。

トップチューブ長を大切に

スポーツ自転車は高価ですから、サイズ選びは慎重に行いたいものです。

その中でも今回は、トップチューブ長を重視する方法をご紹介しました。

単に長いか短いかではなく、ホリゾンタル換算で見てあげなければいけません。

そして、試乗してみて、自分に合うサイズを決めていってください。