自転車で走っている際、変速機能がうまく作動しないと感じたことはありませんか?
このような場合は、グリップシフトのワイヤーが錆びて劣化していたり、シフトの中で切れてしまっている場合があります。
走行中に変速機能が作動しないというのはとても危険なことで、すぐにでもワイヤーの存在を確認する必要があります。
定期的なメンテナンスをすることで、安全な自転車走行を楽しみましょう。
グリップシフトの特徴
自転車のハンドルには「グリップシフト」と「トリガーシフト」があります。
「グリップシフト」は変速する際に、ハンドルやシフターを回転させることで速度を切り替えます。
一方、「トリガーシフト」は引き金のようなレバーで操作することになります。
ロードバイクはハンドルの種類が違うので、シフトの形状も変わってくるのです。
今回は「グリップシフト」について検証していきましょう。
グリップシフトは、グリップを動かす程度によって、ワイヤーの引き具合が変化します。
また、トリガーシフトよりは少し反応が鈍いと言われております。
そのため、素早い切り替えを希望するのであれば、トリガーシフトに交換することを考えても良いでしょう。
そして、「グリップシフト」は人差し指と親指でシフターを回転させるので、長時間の走行となると手首に疲労感を覚えることがあります。
また、山道や悪路では操作が難しく、素早い変速ができないことに不満を持たれています。
どちらのシフターを使用していても、ワイヤーが切れたり、劣化してしまったら、早めにワイヤー交換をする必要があります。
このメンテナンスを怠ると、大事故につながる場合もあるので、変速機能がうまく作動しないなど違和感があったらすぐに確認をしましょう。
グリップシフトのワイヤー交換をするタイミング
ワイヤーは、長年交換しないことで錆びてしまう場合があります。
また、アウターとワイヤーがちゃんと装着できていなかったり、ワイヤーが変形することもあります。
このような異常が起きた場合は、摩擦が増えてしまい。走行中に変速操作が重くなることあります。
基本的には、変速操作が重くなるので、大体の方は気がつくことが多いです。
もし、この状態を放置して続けると、ワイヤー自体も劣化し、金属疲労を起こしたワイヤーが切断するという事態に陥ります。
そして、急にシフトチェンジができなくなることが起きるのです。
このとき、グリップシフトのシフトレバーを回しても、ワイヤーが全く動かない状態であれば、切断している可能性が大きいでしょう。
このようにワイヤーが切れてしまった場合は、ワイヤー交換をする必要があります。
また、昨今では、搭載されているコンポーネントが多段化され、変速回数が大幅に増えていることもあり、シフトワイヤーが切れやすいとも言われています。
その理由は、ワイヤリングが複雑になっていることが原因なのでしょう。
そして、様々な要因でレバーの中でワイヤーが切れてしまうと、中でワイヤーが絡まるなどのトラブルが起きます。
もし、グリップシフトに違和感があったら、早急に確認するようにしましょう。
このとき仮にワイヤーが切れていなくとも、シフトチェンジが重い場合や錆がひどくなってきたのであれば、交換した方が安心です。
Rディレイラーのグリップシフトワイヤー交換
ここでは、劣化していたシフトワイヤーを交換する手順をご紹介します。
まずは、Rディレイラーのグリップシフトのワイヤー交換方法です。
1.グリップの取り外し
パーツクリーナーなどをグリップとハンドルの間に吹き付けて外します。
パーツクリーナーを吹き付けなくとも取ることはできますが、意外に大変です。
2.ワイヤーをフレームから外す
固定ネジがあると思うので、緩めて外しましょう。
3.グリップシフトを自転車のハンドル部分から引き抜く
「1」のところにグリップシフトのレバーを合わせて、レバーを更に回し取ります。
4.グリップシフトのレバー側に付いているシフトワイヤーを引き抜く
5.新しいシフトワイヤーを装着
このとき、ワイヤーの挿入口から差し込んでいき、アウター受けに通していきます。
6.レバーのグリップ側の凹み部分と、固定側の線の位置とを合わせる
その際に、ラチェットのツメの位置もしっかりと合わせます。
7.シフトワイヤーを本体からレバーを切り欠いている部分まで通していき、巻き付ける
8.レバーをグリップシフト本体に音がするまで差し込む
9.取り付けたらシフトワイヤーを引っ張り、テンションを掛ける
これで、本体とグリップの空間をなくしていきます。
10.レバーを「1」の部分に合わせて回して確認
もし、回しづらいと感じるのであれば、もう一度同じ作業をすることで解消できるでしょう。
11.グリップを付ける
グリップは、ゴムハンマーなどがあると、取り付けやすいです。
12.シフトワイヤーをRディレーラー側も固定
これで、Rディレーラー側のシフトワイヤーの交換が完了です。
最後に変速機が正しく作動するかを確かめておきましょう。
Fディレイラーのグリップシフトワイヤー交換
次にFディレイラーのグリップシフトワイヤー交換をしましょう。
1.Rディレイラーと同じように、グリップと古いシフトワイヤーをフレームから外し、グリップシフト本体も取り外す
2.グリップシフトのレバーをグリップシフト本体から5㎜ほど離す
ラチェットのツメがずれないために、少量だけです。
3.グリップシフトを高い数字側へ止まるまで回す
4.シフトワイヤーを一気に引き抜く
5.新しいシフトワイヤーを本体のワイヤー挿入口から差し込む
これは、アウター受けまで通します。
6.グリップシフトのレバーと本体を音がするまで合わる
7.グリップシフトとグリップをもとの位置に戻す
8.シフトワイヤーをFディレイラーに固定
このような手順を踏めば、ワイヤー交換ができてしまいます。
初心者でも、慣れてしまえば比較的簡単な作業となるので、定期的にシフトワイヤーは交換したいですね。
定期的にメンテナンスをし、必要であれば交換することで常に安全な自転車での走りが約束されるでしょう。
グリップシフトのワイヤー交換の注意点
自転車を走らせている時に変速がしにくくなったら、シフトワイヤーを確認し、劣化しているようであれば、交換した方が良いでしょう。
そこで、シフトワイヤー交換をする時の注意点を挙げておきます。
◯グリップシフトのカバー割れ
グリップシフトのカバーを外す時、シフターの手首辺りについているツメの部分にマイナスドライバーを差し込んで外すことになりますが、このプラスチック製のカバーが意外に割れやすいので気をつけましょう。
この時、6速に入れて外すとワイヤーが緩むので、扱いやすくなるはずです。
◯ケーブル切断に専用工具必須
古いアウターケーブルと新しく取り付けるアウターケーブルの長さを揃えてカットするのですが、専用のケーブルカッターが必要です。
また、カットする際には、不要となった古いシフトワイヤーをアウターケーブルに通しておいてカットすると、断面がつぶれずに綺麗にカットできるので、試してみると良いでしょう。
◯初期伸びがある
新しいシフトワイヤーは初期伸びをする性質があるので、装着する前に何度か手で引っ張っておくと、装着後の調整が楽になります。
◯慎重に調整する
ワイヤーを張っていくときは、6速に入れて、ワイヤーを張り、リアディレイラー側のインデックスネジを一番奥まで回しながら、ロックナットリングを締めます。
この調整をしっかりとしておかないと、シフトチェンジがスムーズに行えない原因となってしまうので、時間をかけてじっくりと調整しましょう。
ワイヤーの交換は慣れてしまえば初心者でも十分にできる作業ですが、慎重に丁寧に行わなければ事故にもつながってしまうことがあるので、注意して作業をしましょう。
グリップシフトをトリガーシフトに交換する理由
昨今ではグリップシフトをトリガーシフトに交換する人が増えてきています。
グリップシフトはかつては多くの自転車に採用されていましたが、昨今ではかなり減ってきており、人気のないシフトと言われています。
その理由として、グリップシフトは手首に負担がかかりやすいことが大きな理由として挙げられますが、性能的にもトリガーシフトの方がスムーズな変速がしやすいと評価されていることからのことでしょう。
また、最近ではシマノなどからも簡単にトリガーシフトに交換できるようなパーツのセットが販売されており、シフトレバーもワイヤー交換も簡単に行えるようになりました。
「シマノ右シフトレバー 8S インナーケーブル付 SL-M310 ブラック」は、2000円ほどでネットでも購入することができますが、シフトレバーにインナーワイヤー、アウターケーブルもついています。
{シマノ 左シフトレバー 3S インナーケーブル付 SL-M310 ブラック 」も同時に購入して、こちらも2000円前後。
このようなセット商品を購入すれば、誰でも簡単に交換ができそうですね。
グリップシフトと違って、一回でしっかりと変速ができることと、指だけで操作できるトリガーシフトはやはり人気のようです。
一度の走行で何度も変速を行う人にとっては、トリガーシフトの方がおすすめします。
グリップシフトのワイヤー交換は定期的に実施しよう
グリップシフトのワイヤー交換は長い間放置しておくと、シフトの中で切断していたり、錆びて劣化している場合があり、変速がスムーズに行えなくなります。
変速機能に支障が出ると、走行にトラブルを起こす可能性があり、危険な場合も多く遭遇します。
グリップシフトが回りにくいなどの違和感を感じたら、早めにメンテナンスを行いましょう。
ワイヤー交換は初心者でも慣れれば簡単にできますので、その手順を覚えておきたいものですね。