「自転車で2km走れ」と言われたら、皆さんはどう思いますか?
「しんどい」と感じますか?
それ以前に、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。
では「8~9分走れ」と言われたら、どうでしょうか?
「それくらいはいつも走ってるよ」と、思うのではありませんか?
でもこれ、実は同じことを言っており、2kmの距離を自転車で走る時間が8~9分ということなのです。
自転車で走る距離と、時間の面白い関係について考えてみます。
自転車で2km移動する時間を計算するには時速が必要
2kmという距離は、どのくらいかと思って調べてみますと、学校のグランドのトラックが1周200mなので、10周です…ピンときませんね!
例えば、東京都庁とJR新宿駅の往復が約2kmです。
ですが、これも近隣に勤めている人くらいしか、距離感が分からないですね。
2kmは徒歩で、約25~30分程度の距離です。
少し分かりやすくなったのではないでしょうか。
このように、日常生活においては、「何分歩いた」「何時間走った」のように、時間で考えていることの方が圧倒的に多いのです。
いつも通っている場所なら、しみついた感覚で何ら問題ないですが、新しく行くような場所は、そうはいきません。
距離から所要時間を割り出して、移動する交通手段を考えます。
しかし、距離は地図で測ることができますが、時間は時速が分からないと予測がつきません。
徒歩や自転車(一般的なママチャリは特に)の場合は、時速を目にする機会がないので、あまり考えないはずです
最近は、地図アプリなどで予測時間を出してくれるので、アナログに計算する必要は少ないかもしれません。
しかし、おおよその時速は知っておいても、損はありません。
自転車で2km走る時間は「ひとっぱしり」程度
まず徒歩ですが、ウォーキングなどのエクササイズではなく、普通の生活での時速は4~5km/hと言われています。
不動産屋さんの物件案内で、駅から○○分という表示を見かけると思いますが、あれは全国共通で分速80mと定められています。
そのため、時速に換算すると、4.8km/hとなります。
また、これは女性がハイヒールを履いて計測した時間に基づいているとも言われており、老若男女の平均としては、良い数字に思えます。
そのため、先述した2kmの距離は、徒歩で25~30分という計算が成り立ちます。
では、自転車はどうでしょうか?
まず、一般的なママチャリの時速は、14km/h程度と言われています。
1時間で14km移動できることになりますが、東京駅から東京ディズニーランドまで行ける距離です。
2kmであれば、冒頭でもお話したように8~9分ですから、近隣のスーパーまで買いものに行くくらいの感覚でしょう。
ただ、ママチャリは自転車の中では、最もスピードが出ない機種です。
スポーツ自転車なら街中でストップ&ゴーを考慮したとしても、ママチャリよりは5~10km/hスピードは出せます。
仮に時速20km/hとすれば、2kmは5~6分ですから、「ひとっぱしり」と言われるような範囲です。
自転車で2kmはダイエットには少し短い距離!
自転車で2kmというと、移動手段としては最適だと思いますが、エクササイズの面では物足りなく感じます。
と言うのも、近年、スポーツ自転車の台頭により、自転車がダイエットの世界で注目されています。
自転車は下半身だけではなく、上半身も動かす運動のため、効率が良いとされています。
有酸素運動になるのも、ダイエットの大事な要素ですが、自転車はこれもクリアします。
ただ有酸素運動の場合、開始して20分程度経過してから脂肪が燃え始めると言われているので、2km=8~9分では、少し心もとないです。
移動手段であれば、無理に距離を伸ばすのは厳しいですが、時間に余裕があるときなどは、少し距離を伸ばしてみると効果が上がりそうです。
ダイエットには、食事制限やジム通いなど、厳しいことを続ける意志の強さが必要です。
しかし、人間はそんなに強くありませんから、厳しいことは長続きしませんし、体への負担も大きいです。
その点、自転車の良いところは、特にダイエットをするんだという強い意志も必要なく、体への負担も驚くほど少ないです。
何より、ただの生活の足ですから、継続せざるを得ないです。
スポーツ自転車なら時間は短縮、距離は伸びる
自転車で2km走ることが、それほど苦労することではないとお話していますが、もっと楽に走れる方法があります。
ひとつは、スポーツ自転車の導入です。
先述したように、根本的なスピードが違いますので、時間の短縮ができますし、距離も稼げるようになります。
ママチャリから乗り換えた人が、最初に口を揃えるのが、軽い力で漕げることです。
車体の軽さやギア比の高さが、そこに繋がるわけですが、前に進む力が強いと言うことですね。
最初のスポーツ自転車におすすめなのが、クロスバイクです。
ロードバイクほど本格的ではないですし、MTBほどごっつくありません。
街乗り車として開発されているので、前傾姿勢がキツクなく、小回りが利く仕様になっています。
価格的にはピンきりですが、スーパーで販売しているようなものは避けた方が良いです。
耐久性にも問題がありますし、性能が低いので下手すれば、現在乗っているママチャリの方が良かったなんてことになりかねません。
やはり、ある程度名の通ったメーカ―が良いですし、5万円前後の機種なら、スポーツ自転車の醍醐味を味わえるはずです。
ママチャリをスポーツ自転車仕様にする
「自転車に5万円も出せないよ!」…その気持ち分かります、私もそうでしたから。
それならば、現在乗っているママチャリを、少しだけスポーツ自転車風にしてみましょう。
手っ取り早いのは、車体を軽くすることなので、カゴや泥除けを取っ払うことですが、それは現実味に欠けます。
そこで、まずはタイヤに空気を入れてみましょう。
特にママチャリは、空気のあまり入っていない状態で、乗っている人が目立ちます。
タイヤは空気が入っていない状態だと変形するので、地面との摩擦が大きくなり、スピードが出ません。
逆に、入り過ぎてパンパンになっていると、地面からの振動を拾ってしまうので、乗り心地が悪くなります。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」で、適度で良いということですね。
タイヤの側面を親指で押した際に、指が食い込まず、少し跳ねかえってくるくらいが適性の空気圧です。
次に、サドルの位置を変えます。
スポーツ自転車のサドルは、ハンドル側から見ると、高く遠い位置にあります。
これは空気抵抗を減らすために、前傾姿勢を取れるように設計されているからです。
それにならって、またがったときに、つま先がギリギリ地面に着くくらいまでサドルを上げます。
これにより、少し前傾姿勢になり、ペダルに体重が乗りやすくなるので、漕ぐ力が強くなります。
少し時間が掛かるかもしれませんが、慣れれば2km程度の距離は、より快適になります。
あとはチェーンに注油すれば、スポーツ自転車化の完成です。
自転車通勤を考えてみる
2kmを自転車で、どのくらいの時間で走れるのかを考えてきましたが、やはり2kmは自転車にとって、短い距離と考えて良さそうです。
最近は、通勤に自転車を利用する人が増えていると聞きます。
さすがに、2km圏に職場がある人はうらやましいとしか言いようがないですが。
東京や大阪近郊で首都圏に電車通勤している人の平均通勤時間は、1時間というデータがあります。
電車を利用しての1時間と、自転車で走る1時間では距離が違いますから、1時間が許容範囲とまでは言えません。
しかし、朝の通勤ラッシュのわずらわしさを考えると、自転車で通勤したくなる気持ちは大いに理解できます。
まずは、自分に無理のない範囲で始めるのが良いと思います。
会社まで全行程自転車が無理なら、まず最寄駅まで行く。
慣れてきたら今度は、急行や快速が止まる駅まで距離を伸ばしてみる。
そして、最終的に会社までたどり着ければベスト、仮に行けなくても運動量は相当なものです。
まず自転車に乗ってみましょう
今回は、自転車で2km走ることを考えてみました。
全く自転車に乗らないという人は、2kmでも8~9分でも、最初は厳しいかもしれません。
しかし、自転車には、驚くほどのポテンシャルがあります。
慣れてくれば、自然と時間は短縮されますし、距離も伸びます。
とにかく、自転車に乗る習慣を付けることをおすすめします。