自転車は、タイヤの空気圧が適正がどうかが走りに大きく関係するので、タイヤの空気圧を気にする方は多いですよね。
タイヤの空気がないまま乗っていると、パンクするリスクも上がります。
ですが、空気の入れ方が悪いと、思ったよりタイヤに空気が入りません。
今回は、英式バルブを採用している自転車への上手な空気の入れ方をお伝えします。
自転車のバルブには、いくつか種類がある!
今回は、英式バルブを採用している自転車(ママチャリやシティサイクル)の空気の入れ方についてお伝えしますが、その前にまず、自転車のバルブの種類についてお話しします。
ご存知だと思いますが、自転車は、その用途によって、タイヤや重量が異なりますよね。
例えば、ママチャリやシティサイクルは街乗り用の自転車です。
それに対して、ロードバイクやクロスバイク、mtbなどのスポーツ自転車は、街乗りとして乗ることも出来ますが、基本的にはレース用に作られた自転車です。
ですので、タイヤの太さなどが違ってきますし、タイヤが違えば、バルブが異なり、空気の入れ方も異なるのです。
自転車のバルブには、以下の3種類があります。
〇英式バルブ
シティサイクルで使われているもので、安くて扱いやすいのが特徴です。
また、一般的な空気入れで空気を入れることが出来ます。
〇米式バルブ
主にmtbで使われているもので、空気が抜けにくく丈夫という特徴があります。
激しい運転での衝撃にも耐えられるバルブです。
〇仏式バルブ
これは、空気圧に気を配る必要のあるスポーツ自転車に多く使われるものです。
空気圧を計ることが出来るのも大きな特徴で、高圧の空気を入れられます。
英式バルブの仕組みは?空気の入れ方が簡単なのがメリット!
先ほど、自転車のバルブの種類についてお伝えしました。
ここでは、今回のメインである、英式バルブについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
英式バルブは、主に5つのパーツから成り立っています。
上から順にご紹介すると、
・バルブのキャップ
・トップナット
・プランジャー
・虫ゴム
・バルブステム
となっています。
ところで、どうして日本のママチャリやシティサイクルには、この英式バルブが多く使われているのでしょうか。
それは、先ほどご紹介したメリット以外にも、
・日本に初めに入ってきたバルブが英式のもので、それをコピーしているうちにスタンダードになった
・空気の入れ方が簡単なので普及した
ことがあると考えられます。
また、米式や仏式のバルブに比べると、構造自体も簡単(部品をはめるだけ)なので、大量に生産できたというのも大きな理由でしょう。
故障しにくく、仮に故障しても分解しやすいので、修理して何度も使えるのも日本人の気質に合っていたと思われます。
何か異常があっても、中の虫ゴムを交換すれば大抵直るので、ここまで浸透したのでしょうね。
英式バルブのデメリットは虫ゴムの劣化!交換方法は?
ここまで、英式バルブのメリットをお伝えしてきましたが、どんなものでもデメリットはあります。
それが、先ほども少しお話しした、虫ゴムが劣化しやすいという点です。
虫ゴムが劣化していると、いくら空気を入れても(空気の入れ方を工夫しても)漏れてしまいます。
ですので、パンクをしているわけではないのに、自転車(ママチャリやシティサイクル)に空気を入れてもシューという音がしてすぐに抜けてしまうときは、虫ゴムの劣化を疑ってみましょう。
では、虫ゴムが劣化していた場合の交換方法をご紹介します。
1.キャップとトップナットを手で外し、プランジャーの上部をつまんで上に引き抜く
2.プランジャーに付いている虫ゴムがちぎれていたら、新しい虫ゴムをプランジャーに差して交換
3.プランジャーやトップナットを元に戻す
自転車のパーツは、どんな部分でも少しずつ劣化していきます。
それはもちろん、空気を入れるのに重要な役割を果たす、英式バルブ内の虫ゴムも同じです。
新しい虫ゴムは、100円ショップやホームセンターで簡単に購入出来るので、数年に1度は点検し、劣化しているようなら、新しいものに交換してから空気を入れるようにしましょう。
ママチャリなどの普通自転車に空気を入れるタイミングは?
では、英式バルブを採用しているママチャリやシティサイクルなどの自転車に空気を入れるタイミングはいつなのでしょうか。
また、その判断のポイントはどこなのかについても、おさらいしておきましょう。
ママチャリの空気を入れる目安として一般的に言われているのは、タイヤの側面を指で押してへこむかどうかで判断するという方法です。
押してみて、もしへこむようなら、空気を入れた方が良いでしょう。
これ以外にも、走っていて「なんだか走りにくくなった」と感じたら、空気を入れるタイミングと言われていますよね。
その理由をご説明しましょう。
タイヤの空気が抜けてくると、当然ですが、タイヤの空気圧が低くなります。
そうなると、路面に触れる面積が大きくなり、走りにくいと感じるのです。
ママチャリなどの街乗り用自転車に空気を入れる頻度としては、1週間に1回程度で十分だと思われますが、乗る前にはタイヤを押してみて、空気が入っているか必ず確認しましょう。
では次から、ママチャリやシティサイクルのタイヤへの空気の入れ方について詳しくお伝えします。
英式バルブ採用の自転車への空気の入れ方をおさらい!
では、いよいよ、英式バルブを採用している自転車(ママチャリやシティサイクル)への上手な空気の入れ方をお伝えします。
使うのは、普通の空気入れで大丈夫です。
一般的に売られている空気入れであれば、その先端に「英式クリップ」というアダプターが付いているはずですので、そのまま使うことができます。
キャップを外したバルブステムに、90度の角度になるようにクリップを咬ませてセットします。
このとき、トップナットは緩めないようにしましょう。
その理由は、トップナットを緩めると、せっかく入れた空気がそこから漏れてしまうからです。
また、クリップがずれることでも空気が漏れるので、なるべくしっかりと挟んで下さい。
そして、空気を入れる際は、レバーを上下させて空気を入れます。
抵抗を感じてレバーを押すのが大変でも、頑張って下まで押すことが重要です。
ゆっくりでいいので、しっかりストロークして空気を入れていきましょう。
とは言え、自転車のタイヤは空気圧が重要と思うあまり、空気を入れ過ぎている方も見受けられます。
そうなると「過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し」で、逆にタイヤが破裂してしまう原因になります。
特に、体重が軽めの方は、多少少なく入れても大丈夫なので、空気の入れ過ぎには注意しましょう。
自転車に子供を乗せて走る場合、空気の入れ方は変わってくる?
先ほどは、英式バルブを採用している自転車への上手な空気の入れ方をご紹介しました。
自分一人でシティサイクルに乗っているという方の場合は、先ほどお伝えした方法で問題はないでしょう。
ですが、ママチャリに子供を乗せて走っているという場合は、同じ英式バルブの自転車でも、空気の入れ方に違いが出てきます。
なぜなら、自転車は、体重によってタイヤの空気圧を変える必要があるからです。
ママチャリに子供を乗せて走る場合、自転車用のチャイルドシートを取り付けていますよね。
そうなると、この分の重さもタイヤにかかることになります。
自転車を運転する親の体重、子供の体重、荷物の重さに加えて、チャイルドシートの重さが加わるので、普通のママチャリと同じ空気の入れ方では、すぐに空気が抜け、走りが悪くなったり、パンクしてしまいます。
ですので、この場合には、少し空気圧を高めに入れるのがいいでしょう。
自転車の空気圧を測れる部品(エアチェックアダプター)が、量販店などで売られているので、活用するのがおすすめです。
そして、空気圧は問題がなくても、パンクする可能性はあります。
特に子供を乗せて走行中にパンクし、転倒しては大変ですので、自転車に乗る前(乗せる前)には、タイヤに亀裂がないか、釘などが刺さっていないかなどを、確認することも忘れないようにしましょう。
自転車の空気の入れ方を再確認して、安全に走れるようにしよう!
今回は、英式バルブを採用している自転車への上手な空気の入れ方をおさらいしました。
英式バルブは、製造や空気の入れ方、修理などが簡単なので、広く浸透したのですね。
自転車のタイヤには、自分や子供の命がかかっています。
ですので、自転車に乗る前は、必ず自転車のタイヤを点検し、空気圧を確認しましょう。