イタリアメーカーのビアンキで、サイズが「43」というとロードバイクにはありませんので、MTBとクロスバイクのサイズになります。
ビアンキはサイズごとの適応身長を出していませんが、43未満のサイズがないのでは、女性や小柄な人はどうやって選べばいいのか悩むところです。
そこで今回は、スポーツ自転車のサイズ選びについて考えてみましょう。
ビアンキのロードバイクにサイズ43はない
ビアンキは適応身長を出していませんので、世界的な自転車メーカーであるアメリカの「トレック」のロードバイクのサイズ表を参考にしてみます。
対象が151cmからとなっており、サイズは44以上となっていますので、ビアンキ同様43以下はありません。
ちなみに、44サイズの適応身長は151cm~155cmなので、仮に身長が150cm以下の人は、適応サイズないことになります。
欧米人の身長に合わせて作られているとはいえ、やはり小柄な日本人には厳しい設定ということでしょうか。
後述しますが、日本の自転車メーカーや小柄な人向けのサイズを出しているメーカーもあります。
では、身長が150cm前後の小柄な人や女性(日本人女性の平均身長は154cm)は、ビアンキやトレックのロードバイクに乗れないのでしょうか?
メーカーが発表しているサイズは、シートチューブの長さを表しています。
先ほどから出てきている43や44の数字は、シートチューブが43(cm)という意味です。
シートチューブにシートポストを挿入し、その上にサドルが乗るので、フレームの頂点を表す数字ではあります。
これを元に目安の適正身長を出していますので、無理な設定ではないでしょう。
しかし、サイズ選びは、目安の適正身長だけで決められるような、甘いものではないのです。
ビアンキのサイズを決めるときに重要なのは乗車姿勢
今回は、ビアンキのロードバイクに43以下のサイズがないことに端を発し、ロードバイクのサイズ選びを考えています。
スポーツ自転車にまたがったときに、足が地面に着かないということは、よほどサイズがずれていない限り、あまり考えられないです。
むしろ、ハンドルまでの距離や肩幅が重要で、乗車姿勢がポイントになります。
仮に、身長が同じだとしても、座高や腕の長さは人それぞれですから、身長からサイズを選ぶだけでは不十分です。
サイズを決めるのは、最終的には購入する店舗で試乗してみてということになりますが、それ以前に大まかな目安を考えておきます。
そのときに、参考にするのが「ジオメトリ表」です。
カタログやホームページに載っている設計図のようなものですが、各所の寸法が記載されています。
このジオメトリ表で、まず見ていただきたいのは、トップチューブ長です。
トップチューブはフレームの一番上、ヘッドチューブからシートチューブまで伸びているチューブです。
簡単に言うと、この長さがサドルにまたがったときの、ハンドルまでの距離を表します。
一概には言えませんが、ここが長ければハンドルから遠くなるので前傾姿勢が強くなり、短ければ反対に上体が起きてきます。
サイズが43で同じでもジオメトリは様々
トップチューブ長は仮に同じサイズ43だとしても、ビアンキとトレックでは違いますし、自転車のコンセプトによっても変わります。
また、トップチューブには大きく分けて2種類あります。
地面と水平に最後まで真っ直ぐ伸びている「ホリゾンタル」と、シートチューブにいくに連れて、斜めに下がる「スローピング」です。
ホリゾンタルなら、ほぼチューブの実測値でハンドルまでの距離が測れますが、スローピングはホリゾンタルに換算する必要があります。
ジオメトリ表に載っているのは、スローピングスタイルの自転車でも、ホリゾンタル換算の数値なので、それを見ればいいことになります。
スローピングスタイルは、チューブが斜めになっている分、跨ぎやすいです。
また、フレームの前三角の面積を小さくできるので軽量化が図れますし、小さなサイズを作ることが可能です。
一方、ホリゾンタルスタイルは空気抵抗の低減という観点からは優位なので、流行りのエアロフレームはホリゾンタルです。
ビアンキのロードバイクのサイズ選び
それでは、ビアンキののロードバイク【VIA NIRONE7】を例に挙げて、トップチューブの長さの違いを見てみましょう。
スローピングスタイルで、サイズは44(440)~57(570)まであります。
サイズ44のホリゾンタルトップチューブ長は510mm、サイズ57は560mmです。
初心者向けのエントリーモデルということもあり、ごく標準的なサイズです。
また、この機種はステムの突き出しの長さを70~110mmまで選べますので、そこでも調整ができます。
トップチューブ長から見た場合の目安の身長ですが、510mmは160cm±5cmと言われています。
ですから、ビアンキは43から下のサイズがないので、確かに小柄な方には厳しいかもしれません。
しかし、目安では155cm~165cmと身長に10cmも幅を持たせているわけですから、諦めずにまず、またがってみることが大切です。
しかも【VIA NIRONE7】はスローピングスタイルですから、無理のないポジションで乗れる可能性もあるわけです。
ビアンキのサイズ43のクロスバイクを確認
さて、ビアンキのサイズ43はMTBやクロスバイクにはありますので、ジオメトリ表を確認してみましょう。
ビアンキの人気クロスバイクの1台である【CAMALEONTE1】を参考にします。
サイズ43のトップチューブ長は525mmあります。
上記のロードバイクよりサイズは小さいですが、トップチューブは長いです。
これは、クロスバイクがストレートハンドルを使用しているためです。
ドロップハンドルのロードバイクと同じ長さにしてしまうと、サドルとの距離が短くなりすぎて、上体が起き過ぎてしまうからです。
また、ヘッドアングルと呼ばれるフロントフォークの取り付け角度が、ロードバイクに比べると寝かせ気味です。
この角度が寝気味だと、ハンドルとサドルの距離が近くなりますので、前傾姿勢は緩やかになります。
ですから、このヘッドアングルにも注目すれば、さらに適正なポジションを探ることが可能です。
ただし、このヘッドアングルは73度を基準にしています。
これよりも立ち気味になるとレーシーな仕様になり、低速でのハンドルコントロールが難しくなるので、注意が必要です。
ロードバイクで小さめのサイズを展開しているメーカー
クロスバイクやMTBは操作性を重視するので、車体をコンパクトに作ります。
そのため、小さいフレームサイズが可能になります。
しかし、ビアンキのロードバイクを求めている人に、「サイズ43があるからMTBやクロスバイクの方が良いですよ」というアドバイスは的外れですね。
やはりここは、ロードバイクにこだわってもらって、メーカーの選択肢を広げるのが良いでしょう。
小さめのサイズ展開に定評があるのは、ブリヂストンのスポーツ自転車ブランド【ANCHOR(アンカー)】です。
国産メーカーなので、日本人の体型に合わせたジオメトリで構成されています。
ほとんどの機種で39サイズから用意されており、トップチューブ長も485mmと短めです。
39サイズの目安の身長は145cm~ですので、中学生の方でも対応可能かもしれません。
アンカーは、オーダーメイドでコンポやパーツを決めていくシステムもあるので、より自分好みの1台が作れます。
サイズ43以下がなくても諦めないでください
ロードバイクのサイズ選びは、メーカーが出している目安の身長に従順である必要はありません。
より重要なのは乗車姿勢であり、自分に無理のないポジションです。
その意味ではトップチューブの形状や長さ、トップアングルなどにも注目すれば、自分に合う1台が見つかるはずです。