ルイガノは単純に言うと、高価な自転車の取り扱いがないメーカーです。
言い換えれば、安価で質の高い製品を作っているコスパの高いメーカーという事です。
様々なカテゴリーの自転車を販売していますが、ミニベロのフレームのみを扱っているのは珍しいですね。
合わせていくコンポやタイヤによっては、これまでのミニベロの概念を変えられる1台になるかもしれません。
そこで今回はルイガノのミニベロを検証していきます。
LOUIS GARNEAU(ルイガノ)はアキコーポレーション製造のブランド
ルイガノは、カナダの老舗スポーツメーカーで、特に自転車部門が有名です。
日本における製品展開はアキ・コーポレーションがルイガノから商標の使用許可を得て、企画、販売を行っています。
本家には競技向きで実際のプロチームにも提供されるようなフラッグシップモデルも存在しますが、アキコーポレーション製造のルイガノはどちらかと言えば普段使いに向くような物が多いです。
両者の自転車の見分け方は自転車に描かれるロゴマークで、本家のルイガノが「GARNEAU」、アキコーポレーション製造車が「LOUIS GARNEAU」となります。
日本で展開されているLOUIS GARNEAU(以下ルイガノと記すのはアキコーポレーション製造車になります)は、とにかく車種の多さが特徴です。
また、ロードバイクのハイエンドモデルが15万円を切っており、値段だけでは決められないものの徹底した庶民向け戦略を採っていると言えるでしょう。
その中で異彩を放つのがチタンを使ったミニベロの【MV TI Frame kit】で、ミニベロのフレーム単体販売は他社ではあまり記憶にありません。
しかも、24万円というルイガノにしては攻めた価格になっており、ホイールやタイヤ、コンポを自分で選んで組めば30万円を軽く超える1台になります。
ルイガノのミニベロ【MV 1】はタイヤが太めで安心
ルイガノのミニベロは現在上記のフレーム単体1種に、完成車6種の計7種で展開されています。
キャリアや泥除けを標準装備した街乗り仕様から、ロードやMTBのコンポにディスクブレーキを搭載したスポーツバイク寄りの車種もあり、選択の幅は広いです。
【MV 1(エムブイ ワン)】
ミニベロシリーズの中でもロングセラーとなっている自転車です。
キャリアがヘッドチューブに固定され、ホイールベースが長く取ってある為に荷物を積んで走ってもふらつかない設計になっています。
また、タイヤも1.5インチサイズと太めな上にステンレススポークなので、乗り心地も担保されています。
いわゆるミニベロらしいミニベロと言えますが、リア7速で街乗りの様々なシーンに対応するギア比を持っていますので、ママチャリとは違う楽しみ方も可能です。
【MV 1M(エムブイ ワンエム)】
MV 1と同じコンセプトでフレームの素材がクロモリになっています。
キャリアこそ標準装備ではありませんが、ヘッドチューブに台座が付いているので後付け可能です。
大きく下に下がったトップチューブは、女性がスカートを履いたままでも跨ぎやすい構造で、370からの小さなサイズ展開も嬉しいところです。
ルイガノのスポーツタイプミニベロ
ルイガノのミニベロを紹介していますが、上記の街乗りタイプの他にもスポーツバイクさながらのスペックを持つ車種も存在します。
【MV 2 PRO(エムブイ ツー プロ)】
メインコンポにシマノ・クラリスを搭載し、ディスクブレーキを装備したモデルです。
クロスバイク並みのギア比に、ミニベロにしては細めの1.35インチタイヤでスピードも加味されています。
標準装備ではありませんがヘッドチューブにキャリア用の台座がありますので、街乗り仕様にカスタマイズも可能です。
【MV 5FS (エムブイ ファイブ エフエス)】
驚きのフルサスペンションミニベロです。
油圧式ディスクブレーキ搭載ですし、コンポはシマノ・デオーレのフルセットになります。
加えて1.95インチのブロックタイヤですから、正にスペックはMTBそのものです。
現在のルイガノにMTBカテゴリーはありませんが、復活に向けた1台ではないかと噂されています。
ミニベロのスピードアップのカギはタイヤ!
さて、ルイガノのミニベロをご紹介しましたが、どれもミニベロ本来の小回りの利く性格に合わせたジオメトリやスペックの数々です。
しかし、ミニベロは「小径車」とも呼ばれておりホイール径が小さいので、他のスポーツバイクと比べればどうしてもスピードは出しづらいです。
そのため、「漕いでも漕いでも進まない」「スピードの乗りが悪いしすぐ減速してしまう」というような感覚を持つ人も多いのです。
それは最初から織り込み済みでミニベロを選んだじゃないの?と言われればそれまでですが、クイックな反応が出来るミニベロだからこそママチャリにはないスピードを求めたい気持ちも分かります。
ロードバイクのスピードアップはホイールの交換が最も効果的で、どこを見ても高性能のホイールを勧められるはずです。
ところがミニベロのホイールを完組で販売しているメーカーはとても少ないですし、ホイールで完成車が買える値段になってしまうのも珍しくありません。
したがって、ホイールの換装はあまり現実的ではないので、他の部分で考えなくてはいけません。
そこで提案したいのが「タイヤの交換」という事になりますが、理由は次項で詳しくご説明します。
ミニベロのタイヤを細くしてスピードアップ!
さて、ルイガノのミニベロのご紹介をしたところでお気づきになったかもしれませんが、ミニベロのタイヤは全体的にかなり太めなものが採用されています。
これはミニベロは全体的にコンパクトな作りの為にフレームなどで吸収できる衝撃が少ないので、出来るだけ太いタイヤで地面とのグリップ力を高めて衝撃が来ないようにしています。
しかし、グリップ力が強いという事は言い換えれば地面との摩擦が大きいという事なので、当然ながらスピードは期待できません。
ですからミニベロにスピードを求めたいという人は、タイヤを細くする事を考えてみて下さい。
例えば、先ほどご紹介したルイガノのMV 2 PROは、ロードバイク用のコンポを搭載していますので、タイヤを細くしてスピードを求めても良いと思います。
MV 2 PROのタイヤの太さは、1.35インチ=約34.3㎜です。
これを1-1/8インチ=28.6㎜にすると、クロスバイク並みの細さになってきます。
これ以上細くしてしまうとロードバイク並みになり、さすがにジオメトリーからして安定感を欠きますので、1-1/8インチがおすすめです。
記載がないので確証はありませんが、MV 2 PROのホイールは恐らくリム内径451㎜サイズと聞いていますので、タイヤを細くする分には問題ないはずです。
おすすめのミニベロ用タイヤ
これまでの説明でミニベロのスピードアップにはタイヤを換装するのが良いとお話してきましたので、最後におすすめしたいタイヤをご紹介させて頂きます。
【パナレーサー :ミニッツ S 】¥2,300(1本)
サイズは1-1/8インチですので、リム内径451㎜のホイールに適合します。
太めのタイヤが多いルイガノのミニベロからの換装を前提にすると、このサイズが最適かなと思います。
さすがパナレーサ!この太さでグリップ力まで絶賛されている声が多いので、今まで太いタイヤしか履いた事がないという人でも安心して交換してもらって大丈夫です。
【SCHWALBE(シュワルベ):デュラノ 20×1-1/8】¥2,840(1本)
太さも適合リム内径もパナレーサーと同じですが、こちらは150g以上軽量です。
こちらも安定感を褒める声が多く、乗り心地の良さが強調されています。
また、耐久性にも優れているようで、1万キロ以上でまだ接地面のわずかな台形変化のみというインプレも見かけました。
ルイガノのタイヤはやや太め
今回はルイガノのミニベロを紹介して、タイヤを細くするカスタマイズを考えてみました。
ルイガノのミニベロは出来るだけママチャリ感を残し街乗り向けという位置付けの為に、全体的にタイヤが太めだと推測できます。
今回ご紹介したタイヤサイズの1-1/8は、他メーカーなら主力のサイズです。
したがって、細すぎるという事はありませんので、スピードを求めたい人は積極的に換装してみて下さい。