シマノは、世界一の自転車パーツメーカーですが、コンポ同様にホイールの評価も高いです。
今回は、中の下あたりの完成車に付属していることが多い、rs11を見ていきます。
基本的には市販されていませんが、市販されているrs21と同じものと推測されますので、2つ同時に確認していきます。
シマノのホイール
シマノのアルミリムホイールは性能の評価は高いのですが、海外メーカーと比べるとデザインが地味で洗練されていない印象を受けるので、見た目よりも性能重視と考えても良いと思います。
また、全体的にスポークの本数が他メーカーに比べ少ないのと、剛性がやや抑えめな設計なので、乗り心地が柔らかめという評価が多いです。
コンポ同様、ハイエンドモデルは「デュラエース」の名前が付くモデルですが、アルミクリンチャーでは最軽量クラスです。
コンポセカンドグレードの「アルテグラ」のホイールもありますが、コンポ名が冠されているのは2種のみで、あとは品番だけです。
市販のホイールと、市販されていない完成車の付属ホイールで品番が違うものがあります。
今回、取り上げるrs11は国内での流通に同じ品番が見当たらず、海外通販サイトでの取扱いのみのようです。
そのスペックを確認したところ、国内で販売されているrs21がほぼ同等品と判断できますので、今回はrs21も同時にご紹介していきます。
シマノrs11(rs21)ホイールのスペック
シマノrs11が完成車に付属するのは、コンポが105以上の中位レベルとみて良さそうです。
それ以下になると、シマノでも鉄下駄と呼ばれるr501やrs010になりますので、下位レベルのホイールではありません。
重量は市販されているrs21で1850g、リムハイトがフロント21mm・リア24mm、もちろん11速対応で、価格はフロント・リアセットで定価25,000円前後です。
スポークはステンレス製ですが、ストレートのエアロスポークを採用しているので、横剛性が強化され、動力をしっかりと伝達できるようになっています。
先ほども触れましたが、スポークの本数が気持ち少ないので、余計に、先折れしていないストレートスポークの必要性があります。
また、ハブがシマノの特徴でもあるカップ&コーン式ベアリングなので、グリスアップなどのメンテナンスが容易です。
ただ耐久性重視で、プラスチック製シールとゴムパッキンの二重構造になっているので、少し回転力を犠牲にしていることは否めません。
シマノrs11(rs21)ホイールはどんな人向け?
rs11は完成車付属のホイールなので、のちほど詳しく検証するとして、ここでは市販されているrs21を参考に、どんな人がrs21に換装すると効果があるのかを確認してみましょう。
まず、他メーカーの同レベルのホイールと比較した場合、重量は重い部類です。
なので、何はともあれ、軽さ重視なら選択肢から外してください。
しかし、今2000g以上のホイールでスポーク本数がrs21と同じなら、その差はスピードに関係するリムの重さということになるので、走りの軽さは間違いなく向上するはずです。
また、ハブの性能を称賛する声が多いですね。
先ほど、少し回転力を犠牲にしているとお話しましたが、あれはもう少し上のレベルのホイールと比較してのことなので、初めての交換であれば驚くほど良く回ると思うはずです。
あとは乗り心地です。
これは、シマノのホイール全体がここに照準を合わせていると思われるので、このレベルでも十分なものがあるということです。
ツーリングなどで長時間乗る方には最適ですし、普段使いで多少悪路を走ることが多いような場合にも、向くと思います。
シマノrs11はスピードの維持に長けている!
引き続きシマノrs11、rs21を確認しますが、高速巡航性の高さも大きなセールスポイントです。
決して軽くないので、スピードに乗るまでは他と比べれば、少し時間が掛かります。
瞬発力が必要なレースでの終盤のスプリントや、爆発力が欲しいヒルクライムには少し不利です。
しかし、一度スピードに乗ってしまえば、重量のハンデはないですし、そこはシマノのハブの回転力でスピードの維持が容易にできるわけです。
脚力にもよりますが、初期に付属していたホイールからの交換で、平均時速2~3キロアップは達成できているようなので、かなり効果が高いですね。
あとは、フリーハブの構造上避けられない「ラチェット音」の問題です。
一般的には、カンパやフルクラムは大きめ、シマノは無音とまではいかなくも、小さめと言われています。
これに関しては、大きい方が好きな人もいるので一概には言えませんが、やはりrs11やrs21も、静かなのは間違いありません。
rs11からの履き替えにおすすめのホイール
このrs11(rs21)の評判の高さは前から聞いていたので、今回検証してみようと思ったわけですが、このグレードにしては良いホイールという意見が目立ちます。
「このグレードにしては」という注釈が付くのは、価格や重量を見た場合に、rs11(rs21)は上級者向けのホイールではないということでしょう。
レース向けのトレーニングホイールとしては、そこそこの負荷が掛けられるので使えないことはないですが、レースに使う人は、まずいないと思います。
そうなってくると、特に完成車に付属しているrs11は、レベルアップを考える人が多いことになるんですね。
そこで、ここでは、rs11から履き替えるのにおすすめのホイールをご紹介します。
もし、これから本格的にロードレースを目指すという人は、フルクラムの「レーシング3」を推します。
まず、根本的にrs11よりも総重量で300g程度軽く、しかもスポークが1本多い状況下でのことなので、リムの軽さは言うまでもありません。
ペダルを踏んだときの俊敏性は、恐らく全くの別物と感じるはずです。
そのぶん、硬めと感じるはずなので、乗り心地はシマノ製に劣ります。
ですが、スピードの乗りとリムハイトが高めなので、巡航性は負けていません。
ヒルクライムに耐えうる軽さと、スプリントの瞬発力、ロードレース向きの巡航性と、レースに必要なすべてを兼ね備えたホイールです。
前後セットで約6万円しますが、コスパの高さは、同価格帯の中でもトップクラスです。
シマノならWH-6800がねらい目
一方、「レースには興味がないから乗り心地優先」という人は、シマノ製が良いでしょう。
特に今ねらい目なのは、今年リニューアルされて新型が発売されたアルテグラグレードの「WH-6800」です。
ひとつ前のホイールということになりますが、型落ち感は全くありません。
重量は1600g台なので、それほど軽量というわけではないですが、アルテグラグレードはハブのグレードがグッと上がりますので、漕ぎ出しの軽さは特筆ものです。
そのため、ヒルクライム向きではないと評価させてもらったrs11からの履き替えなら、坂の上りやすさは歴然としたものがあるはずです。
よく、ギア1枚軽くなると言いますが、その上、2枚は変わってくると言っておきましょう。
35キロくらいの速度で巡航するぶんには、維持が楽にできるので、ツーリングを楽しむという観点から見れば、最適な選択でしょう。
2017年現在、アマゾンで前後セット47,000円で購入できます。
シマノrs11はコスパの高いホイールです
今回は、シマノのrs11(rs21)ホイールを確認しました。
噂にたがわず、コスパの高さが感じられるホイールでした。
高いホイールはいらないが、ある程度のスピードと乗り心地などの性能を確保したいと思えば、真っ先に候補に挙がってくるものです。