シマノのロード用コンポーネントのsoraはエントリーグレードですが、上位グレードと同様にstiレバーを採用しています。
st-3500はstiレバーですが、上位グレードの技術を継承したものになっています。
現在は、モデルチェンジされましたが、まだ販売は継続されています。
今回は、そんなst-3500の話と、新soraの評価も確認したいと思います。
シマノsoraのst-3500はデュアルコントロールレバー
タイトルに聞き慣れない単語が並んでいるなと思った人もいらっしゃるはずですので、まずは簡単に整理しておきましょう。
シマノsora(ソラ)はロードバイク用のコンポーネントの名前で、stはブレーキ、シフト一体型のデュアルコントロールレバーstiの略称、3500はsoraに振り分けられた型番です。
そのため、st-3500はsoraのstiレバーのことを指しています。
soraはリアギア9速で、シマノのコンポのグレードでは11速のデュラエース・アルテグラ・105、10速のティアグラに次ぐ、5番目のモデルで下に8速のクラリスがあります。
soraは2016年にR3000系が発売になったので、3500系は一世代前のコンポです。
ロードバイクの完成車には、10万円を切るエントリーグレードに多く採用されており、扱いやすさと耐久性が売りになっています。
正直に言えば、ロードバイクのコンポをグレードアップしようとしたときに、soraを選ぶ可能性は低いでしょう。
しかし、安いルック車的なロードバイクやクロスバイクなどの、換装には用いられることも多いです。
特にフラットバーハンドル用のトリガーシフターがあるので、安価なクロスバイクで換装すると、劇的な変化が体感できると思います。
シマノsoraのst-3500は今が買いとき
デュアルコントロールレバーは、ブレーキとシフトが一体型になった、ロードバイクのドロップハンドル用にシマノが開発したレバーです。
正式にはstiレバーですが、商品名では「st」と略されることが多いです。
デュアルコントロールレバーもstiレバーもシマノの登録商標なので、コンポを製造している他メーカーはシステムは同じですが、独自の名称を使用しています。
変速の仕組みはsoraを始め、全てのグレードでワイヤーでディレイラーを操作する機械式ですが、上位グレードのデュラエースとアルテグラには、電動式のDi2モデルもあります。
今回の主役st-3500は、soraグレードとしては初めて、上位モデルと同じく、シフトレバーがブレーキシフトに隣接する現行の形となりました。
お伝えしている通り、soraはR3000系にモデルチェンジしていますので、st-3500は値崩れしてきています。
そのため、st-3500を購入するのは今がチャンスとなりますし、のちほど詳しくお話しますが、以前9速だったアルテグラや105の変速機を操作することもできます。
soraと旧9速シマノコンポとの互換性
現在シマノのロードバイク用コンポで、リア9速なのはsoraだけです。
しかし、リアの変速スピードはいきなり上がるものではないので、上位グレードも以前は9速の時代があったわけです。
さすがに、現在11速のモデルが9速だったのは10年以上前ですが、現在10速のティアグラは2011年まで9速でしたので、現在も使用している人も多いかと思います。
そこで、例えば9速のコンポを搭載したロードバイクは、stiレバーを交換したいとなったときに、選択肢に入ってくるのがst-3500です。
10年以上も前のロードバイクにst-3500を取り付けて、問題なく操作している人も多いので、ディレイラーがシマノ製であれば、互換性は心配ないでしょう。
ただ気を付けなくてはいけないのが、現行のsoraのR3000系はフロントディレイラーのワイヤーの引き量が変わっており、旧製品との互換性がありませんので、正確に操作できる保証がないです。
そのため、旧コンポに換装するのはst-3500が最適となります。
st-3500はフロント2速用~3速用はst-3503
旧コンポからの換装や、クロスバイクのドロップハンドル化に伴うstiレバーの導入などでは、可能性としてフロントが3速の場合があります。
その場合はstiレバーも3速用にする必要がありますが、型番st-3500はフロント2速用ですので、st-3503を選んでください。
フロント3速に対応しているstiは、かなり希少なので、st-3503を選ぶほうが無難です。
ここまではst-3500を換装することを、あれこれ考えてきたわけですが、シマノsoraはR3000系がリリースされているので、新型へのステップアップも視野に入れて良いはずです。
R3000系へのモデルチェンジで、stiレバーはケーブルの取り回しが従来の外装式から、ブラケット内に収める内装式になりました。
性能はさておき、見た目のすっきり感は明らかにアップするので、煩雑になりがちなハンドル周りの取り回しが、良くなるのは間違いありません。
また、クランクが上位グレード同様に、スタンダードな4アーム仕様になり、軽量化している点も見逃せません。
シマノsoraの進化
シマノsoraのR3000系について、もう少し話を進めますと、フロントディレイラーの性能に、大きな進化が見られます。
これは多くのユーザーさんが口を揃えていますし、動画などでも、その音の違いやスムーズなギアチェンジの様子が公開されています。
これも上位モデルにならって、アームが長くなったことにより、軽い力で変速が可能になったということなのです。
しかし、実は上位モデルにはない、ワイヤーの取り回しをしているために、変速性能がアップしたとも言われているのです。
詳しいメカニズムまでは分かりませんが、とにかくガシャっと大きな音で雑な感じの変速だったのが、カチっとスムーズに、はまるようになっているのは確かです。
感覚の問題もあるので、文字では伝え切れないですが、試してみる価値はあります。
先ほどもお話したように、旧モデルとの互換性が取れておらず、st-3500では操作できない可能性があるので、stiレバーも交換することになります。
ギア数を増やすカスタマイズ
シマノsoraは、エントリーグレードの完成車に搭載されていることが多いので、初めてのロードバイクのコンポがsoraという人も多いと思います。
リアのギア数は少ないほど歯抜けになっているので、ロードに慣れてくると、細かいスピードコントロールに不満が出てきます。
となると、考えるのは、ギアを増やすということですが、これが一筋縄ではいきません。
理論上は、リアギアであるカセットスプロケットを交換すれば済むはずなのですが、それに伴って、様々なパーツの交換が必要になります。
まず、スプロケットを動かすリアディレイラーは、必ず交換になります。
そして、今回のテーマでもあったst-3500のようなstiレバーも、ワイヤーの引き量が変わるので、ギアのスピードに合わせる必要があります。
あとは、9速からの換装はチェーンも交換です。
ここまで、とりあえずリアギアは増やせました。
ですが、チェーンを交換するので、それに伴ってクランクセットとフロントディレイラーも、合わせなければいけない可能性もあります。
そのため、ギアを増やすということは、「ドライブトレイン」と呼ばれる駆動系のパーツを全交換するような、大がかりなカスタマイズなのです。
それを見越した上で行うことは、もちろん否定しませんが、新しい自転車を購入することも、同時に天秤にかけて考えてみましょう。
シマノのコンポはモデルチェンジ後がねらい目
st-3500は、すでに一世代前のコントロールレバーですが、まだ販売されています。
今回のsoraのモデルチェンジでは、フロントディレイラーとの互換性はないですが、以前のコンポとの互換性はあることが分かりました。
旧モデルは、当然ながら値段が下がってくるので、1年後くらいがねらい目です。
soraは、正に今そのときを迎えているので、チャンスと言えるでしょう。