あるアンケートの結果によると、自転車の盗難にあったことがある人が2割、その内の約6割の人が自転車が戻ってこなかったということでした。
5人に1人が自転車の盗難被害の経験があり、見つかる確率は、わずか4割程度ですから、盗まれないための対策が必要ですね。
そこで今回は、自転車の盗難防止と被害にあったときの対処方法をご紹介したいと思います。
自転車の盗難の原因
自転車の盗難ですが、警察に届けがあっただけで、近年は毎年30万件以上発生しているそうです。
諦めて届け出をしていない人もいるでしょうから、実際には、もっと多く発生しているものと思われます。
また、被害届を出した件についての犯人の検挙率は、何とたったの5.5%というデータもあります。
さて、盗難は、どんな理由で起きているのでしょうか?
これには、大きく分けて3つあると言われており、1つめは「出来心」によるものです。
疲れて道を歩いていたら、目の前に放置してある自転車があった→鍵が掛かっていない→ちょっと拝借、のような流れが出来心というわけです。
この場合は、近くに乗り捨てられているケースが多いので、後日、見つかる確率が高いそうです。
しかし、この手の盗難は施錠しておけば避けられます。
鍵が掛かっていないから「つい」乗っていってしまうのであって、わざわざ施錠してある自転車を鍵を壊してまで乗っていくケースは、出来心系の盗難では、まず考えられません。
そのため、施錠する習慣が高まれば、多くの盗難事件は防げるはずなのです。
スポーツ自転車の見つかる確率
一概には言えませんが、無施錠で盗難に遭うのは、ママチャリなどのシティサイクルなどが多いです。
ロードバイクなどのスポーツ自転車は基本的に高価ですから、ユーザーの防犯意識も高いですが、ママチャリは残念ながらそうではないです。
大げさに言えば、「盗まれてもいいや」くらいの感覚で乗っている人もいるかもしれません。
そのため、もう1回同じことを言いますが、鍵をかける習慣をつけてください。
最低限、それだけで良いはずです。
次に、施錠や防犯対策をしていても盗難に遭うケースですが、これは最初から狙われていた、計画的犯行と考えられます。
計画的犯行は、やはり高価なスポーツ自転車が多く、価値があるだけに見つかる確率もママチャリと比べて、格段に低くなります。
転売や自分の所有物にしてしまうのが主目的ですから、盗難に遭えば手元に戻ってくる可能性は、ほぼないと考えられます。
ロードバイクを専門に狙う、プロの窃盗団なども存在しているらしく、外国に転売ルートを持っているところもあるらしいので、ますます厄介です。
見つかる確率が低いなら盗難されないようにする
やはりスポーツ自転車の場合は(ママチャリもですよ!)見つかる確率が低いので、盗難に備え、徹底した防犯対策を行う必要があります。
普通の施錠だけでは、簡単に破壊されて終了ですので、チェーンやU字ロックなどで二重、三重にしておくことが必要です。
またご存知の通り、車輪にはクイックリリース機能があります。
そのため、チェーンやU字ロックはフレームとホイール両方に掛かるようにしないと、車輪を外されて盗難されてしまいますので、ご注意ください。
公共の場では、いかがなものかと思いますが、自宅などで保管する場合は、木や柵などに括り付けておく「地球ロック」も効果的です。
盗難にゆっくりと時間を掛ける犯人は、まずいません。
こういった対策はいざ犯行を起こそうとしたときに、いかに時間を掛けさせるか、また時間が掛かると思わせれば、未然に防げる可能性も増すわけです。
そのため、用心しすぎなくらいで、ちょうど良いのです。
自転車の保管場所にも注意
計画的な自転車盗難への対策は、日常の保管場所にも、注意する必要があります。
いつも人目に付く、まして毎日同じ場所にあれば、狙われる可能性が高くなるのは当然です。
そのため、室内で保管しておくのが一番なんですが、スペースの関係で置けない場合もあります。
ですから、まずは、なるべく外から人目に触れにくい場所に置くことが大事です。
また、定期的に場所を変えるのも、効果があると思います。
ロードバイクなどのスポーツ自転車は、突発的な欲求で盗難に走るケースは少ないと思われますので、犯行の前に下見している場合がほとんどでしょう。
そのため、とにかく自分の自転車が外から見つかる確率を低くするのが、重要ということです。
また、盗難しずらいと思わせる、抑止力のある対策も効果的になります。
あまり具体的に書くと、盗難の参考になってしまう可能性があるので控えますが、センサー付きのライトは安価な上に抑止力もあるし、実際の犯行時にも力を発揮するものなのでおすすめです。
自転車の盗難に遭っても見つかる確率を高める方法①
ここまでは、自転車を盗難させないことに主眼を置いた防犯対策でしたが、ここからは、万が一の盗難も想定した対策になります。
まずは、法律で義務付けられている防犯登録ですが、自転車を購入したときに必ず行っているはずです。
しかし、中古の自転車や知人から譲り受けた場合などで、登録されていない可能性もあります。
防犯登録は、個人を特定できる証明書と、自転車固有についている「車台番号」で行います。
購入時に防犯登録がされていれば、その後の経緯が多少あやふやでも、車台番号は不変なので、最初が誰の所有物だったかは分かるようになっています。
また、もし自転車泥棒が盗んだものを登録しようとしても、譲渡証明書や委任状がないと元の所有者の登録を抹消することもできませんし、登録もできません。
自転車泥棒は、防犯登録のステッカーをはがして乗っていると思いますが、そうなれば自転車の検問にひっかかる可能性が高いです。
また、車台番号があるので、どんなに言い訳しても、盗難の疑いは晴れません。
そのため、防犯登録をしていれば、していないよりは多少、見つかる確率が高いのは明白です。
もし、今の自転車が防犯登録されていないとしたら、元の持ち主とも連絡を取って、しかるべき処理をすることをおすすめします。
自転車の盗難に遭っても見つかる確率を高める方法②
盗難された自転車を、海外に転売されると厄介です。
ですが、お金に換えようとしても販売ルートを持っていない犯人は、顔をさらす必要がないオークションサイトを利用することが多いです。
その対策としておすすめなのが、オークションサイトにある「アラート機能」です。
あらかじめ商品の特徴を登録しておくと、条件に見合ったものが出品されたときに知らせてくれる機能です。
これを利用するために、あらかじめ、サイトに自分の自転車の特徴を細かく登録しておきます。
もし、そこに盗難された自分の自転車が出品されてくれば、見つかる確率は確実に上がります。
また、もし自分のものが出品されたとしても、焦ってはいけません。
落札者を装い、やり取りを重ね、自分のものと確信したところで警察に通報しましょう。
防犯登録をしていれば照合してくれて、自分のものと証明されるはずですから、手元に戻ってくると思います。
あとは、自分の自転車の特徴や盗難された状況を登録すると、それをSNSで拡散してくれるサイトがあります。
見つかる確率を高めていくためにも、盗難に遭った場合は積極的に利用しましょう。
盗難されたら「終わり」と思え!盗まれても「諦めるな」
一見矛盾しているように見えますが、盗難されたら二度と戻ってこないと思って防犯対策をすることが重要で、万が一盗まれても、諦めずに対処するのが大切ということです。
愛着を持って大切に乗っている自転車ですから、やれるだけのことはやっておきましょう。