みなさんは、自転車のタイヤに空気入らない経験はありますか?
一般的に空気が入らないとなれば、パンクが思い出されるところですが、実は違う原因も意外と多いのです。
その違いが分からないと、修理しようがありませんので、しっかりと把握しておく必要があります。
そこで今回は、タイヤに空気が入らない原因と対処法を、ご紹介していきます。
タイヤのバルブを確認してから空気入らない問題を考える
まず、自転車のタイヤに空気入らない問題を解決させる前に、タイヤ(チューブ)に空気を充填するためのバルブに付いて、簡単に説明しておきましょう。
自転車のバルブには3種類あって、一般的なママチャリなどは英式バルブ、ロードバイクやクロスバイクは仏式バルブ、MTBは米式バルブが使われいます。
中でも、英式バルブは構造上、何もしなくても自然と空気が抜けてしまいます。
そのため、長い間放置していたりすると、タイヤがぺちゃんこになっている、なんてことが良くあります。
仏式バルブの場合は、空気の入れ方にちょっとしたコツがあったり、先が細くて折れやすいので、トラブルが起こりやすいとも言えます。
また、それぞれのバルブに合った空気入れを使用しなければ、空気を入れることはできません。
現在は全てのバルブに対応している空気入れが多くなりましたが、以前のタイプは、どれかにしか対応していないものもあるので、注意が必要です。
また、バルブにアダプターを装着して、英式を米式にしたり、仏式にしたりすることも可能です。
自転車のタイヤに空気入らない問題を考える~虫ゴムかも
では、自転車のタイヤに空気入らない問題に移ります。
まずは、英式バルブを使用しているママチャリから考えてみたいと思います。
英式バルブは先ほども言ったように、自然と空気が抜けてしまう構造の上に、空気圧が測定できない仕様になっています。
そのため、適正な空気圧も分かりづらく、見た目や触った感覚で把握するしかありません。
明らかに、空気が抜けていれば分かりますので、そのときはトラブルを疑ってみましょう。
英式バルブの構造は、「虫ゴム」という弁の役割を果たすパーツが、空気穴をふさぐように被せてあります。
空気を送るとゴムが押し出されて、空気が入り終わると、また元に戻って、逆流しないようになります。
英式バルブの空気が入らないときは、まずこの虫ゴムの劣化が考えられます。
虫ゴムが切れて、穴が開いていたりすると、そこから絶えず空気が逆流して漏れていきます。
いくら空気を入れても、タイヤはパンッと張った状態にはなりません。
そのため、虫ゴムの点検をして切れていたり、穴が開いていたら、交換してください。
虫ゴムは100円ショップで売っていますので、すぐに入手できるものです。
自転車のタイヤに空気入らないのはパンクだった
英式バルブの虫ゴムを交換しても、タイヤが張った状態にならず、すぐに空気が抜けてしまう場合は、パンクだと思います。
パンクは自転車の空気入らない問題の本丸ですが、主なパンクは、チューブに小さな穴が開いてしまう「リム打ちパンク」です。
チューブに空気が十分に入っていない状況で強い衝撃が掛かると、チューブがタイヤのリムと地面の間に挟まるような形になるので、穴が開いてしまいます。
リム打ちパンクの修理は、自転車のメンテナンスの中でも一番簡単な部類ですから、本来は自分で行うようにしたいものです。
ましてタイヤがバーストでもしない限り、そんなに急激に走れないほど、空気が抜けてしまうわけではないので、緊急性もあまりありません。
そのため、自宅でゆっくりと行うことができると思うので、手順を覚えておいて損はないと思います。
それでも修理代は、せいぜい1,000円程度ですから、お店に任してしまうのも全然アリです。
ですが、自力なら100円で済みます。
100円ショップで売っている修理キッドで、ほぼ事足りますので、次項で説明したいと思います。
自転車のリム打ちパンクの修理方法
自転車の空気入らない問題はパンクの修理に進みますが、パンク修理キッドを購入する前に、まずはタイヤ全体を見回して、本体に異常がないか確認します。
もしタイヤに、異物でも刺さって穴が開いていたりすれば、タイヤごと交換になりますから、よく点検してください。
タイヤに異常がなければ、先ほどもお話した虫ゴムを確認して、異常がなければ、チューブが原因となります。
修理キッドには、チューブの穴を埋めるためのパッド4枚くらい・ゴムのり・紙ヤスリ・タイヤレバー2~3本・虫ゴムなどが入っています。
まず、タイヤからチューブを取り出す作業です。
付属しているタイヤレバーを使い、1本をタイヤとリムの間にはさみ、もう1本を離れたところに差し込んで、てこの原理でタイヤを外していきます。
チューブが取り出せたら、穴の開いた部分を確認するので、水につけてみてください。
泡が出てくる部分に穴が開いていますので、その部分にゴムのりを塗り、ある程度乾いたら、パッドを貼り付けます。
パッドを十分に圧着させたら、チューブをタイヤに戻して、タイヤをリムにはめ込めば終了です。
これで空気を入れてみて、1日程度放置しても空気が抜けていないようであれば、修理は成功です。
仏式や米式バルブの空気入らない問題
自転車の英式バルブを使用しているタイヤのお話をしてきましたが、ロードバイクなどの仏式やMTBの米式での空気入らない問題はどうでしょうか?
仏式バルブや米式バルブには虫ゴムがありませんので、タイヤに空気が入らない場合は、パンクかバルブの故障、または空気の入れ方が間違っているかになります。
リム打ちパンクは、タイヤの種類がチューブを必要とするクリンチャータイプであれば、英式バルブも仏式バルブも方法は同じですので、上記のやり方を参考にしてください。
MTBはチューブのないチューブレスタイヤが主流ですので、また別の修理方法になります。
今回はご紹介できないので、別記事を参考にしてください。
さて、バルブですが、米式は自動車にも採用されるくらい、非常に頑丈な作りになっています。
そのため、故障は考えにくいのですが、仏式は先が細いので曲がったり、折れたりします。
そうなれば修理というよりは交換ですが、やり方は簡単ですし、バルブ自体は安く手に入りますので、問題ありません。
あとは仏式バルブの場合、空気の入れ方に少しコツがいるので、それを知らないで、空気が入らないと思い込んでしまっているケースがあります。
自転車タイヤ・仏式バルブの正しい空気の入れ方
では、仏式バルブへの空気の入れ方をご紹介します。
まず、バルブコアと呼ばれるネジが付いていますので、止まるまで上に回します。
止まったら、指でコアを押すと空気が勢いよく出てきますので、何度か押して、軽く空気を抜いてあげます。
これをしないと、バルブの中でパッキンが固着して、空気が入らないことがあるので、必ず行ってください。
次にバルブにポンプを差し込みますが、ポンプの先に付いているレバーを一旦起こしてから、真っ直ぐに奥まで差し込んでください。
このとき、斜めになっていると、先端が曲がったり折れたりする原因になります。
また、奥まで差し込まないと、空気が抜けてしまいます。
差し込んだら、レバーを戻して固定すると、空気圧計が付いているポンプは、空気圧が示されます。
空気を入れていきますが、ロードバイクのように高圧が必要なタイヤの場合、体重を掛けてしっかりと押し込まないと、空気が入っていきません。
そういうものなんだと思って、がんばって入れましょう。
スポーツ自転車は可能なら、空気圧計で測りながら入れていき、タイヤの適正空気圧を保つようにすることをおすすめします。
入れ終わったら、固定レバーを上に起こし、解除してから、真っ直ぐ引き抜きます。
最後に、最初に緩めたネジを元の場所まで締め直して(手で締める程度で十分です)終了です。
これで、仏式バルブに空気入らない問題は、だいぶ解消されると思います。
タイヤに空気が入らないのはパンクだけじゃない
今回は、自転車のタイヤに空気が入らない事象を考えてみました。
英式バルブの虫ゴムは劣化が早いので、小まめに点検してみましょう。
また、バルブによって空気の入れ方が違ったり、破損しやすかったりするので、正式な使い方をマスターするのも大切ですね。
さらに、チューブに少しだけ穴が開く「リム打ちパンク」は、自力で簡単に修理できますので、恐れずに挑戦してみてください。