チェーンをパーツクリーナーできれいにすることは可能か?

自転車のチェーンは、いつでも外にむき出し状態ですから、当然、よく汚れます。

そのため、昔からチェーンの清掃については試行錯誤が繰り返されており、様々な方法が紹介されています。

最近では入手しやすいということもあり、パーツクリーナーの使用も多くなってきているようですが、果たしてきれいになるのでしょうか。

そこで今回は、チェーンの清掃方法について説明していきたいと思います。

チェーンの清掃に不正解はない

いきなり結論めいた話から入りますが、チェーンの清掃はどんな方法にせよ、何もしないよりはきれいになるわけですから、不正解はありません。

パーツクリーナーで地道に、塗っては拭き取りを繰り返すのも良いですし、昔ながらの方法で、灯油で洗うもよしです。

また、最新の方法としては、チェーン専用の洗浄アイテムなんかもあるので、それを使うのもアリです。

今回は、それらをひとつひとつご紹介していきます。
その中から、自分ができるものを選んでいただければ良いと思います。

まず、パーツクリーナーを使用する方法です。
これはチェーンを外さなくても清掃できるのが、大きなメリットです。

吹き付けてブラシでこするだけですから、誰でも簡単にできます。

また、パーツクリーナーと銘打っているのですから、他の部分の清掃にも使えます。

少々地道な作業になりますし、いつまでたってもチェーンを拭けば、黒い汚れが布に付くので、分かりずらいです。

ですが、2~3回繰り返せば、相応に汚れは落とせていますので大丈夫です。

安価なパーツクリーナーでも良いのか?

さて、パーツクリーナーですが、結構種類があるので、最初はどれを使うのか戸惑うと思います。

また、これは見解の分かれるところですが、ホームセンターなどで200~300円で売っているようなもので十分という意見と、ある程度値が張っても有名メーカー品の方が良いと言う意見で真っ二つです。

チェーンは清掃後に注油するのが基本なので、清掃時に完全に油を除去しなくて良いと言う意見には賛成なので、個人的には安いパーツクリーナーでも十分かと思いますし、実際に安いのを使っています。

しかし、以前使用した少し割高なパーツクリーナーは、確かに汚れの落ちが良かった気がします。
(気のせいだった可能性もありますが…)

ですから、最初は安いものを使って清掃してみて、汚れ落ちに納得いかないようなら、少しグレードが高いものにしてみるのもいいと思います。

また、揮発性や乾くスピードも考慮に入れたほうが良いのですが、詳しくは次項でお話します。

チェーン洗浄向きパーツクリーナー

パーツクリーナには、素早く乾いてしまうタイプだと汚れに浸透しないので、グリスなどの頑固な脂汚れには向きません。

チェーンはグリスは使いませんが、頻繁に注油するので油汚れが固着しやすくなりますから、速乾性はチェーンの清掃向きではないですね。

反面、浸透しては困る、プラスチックを使用している部分などには向いているので、ブレーキ周りなどにおすすめです。

チェーンは、中乾性や遅乾性のパーツクリーナーが良いです。

浸透性が高く、脱脂効果が強力になってくるので、チェーンやスプロケットには効果が高いです。

では、いくつかご紹介しますので、参考にしてください。

【AZ(エーゼット):バイク用チェーンクリーナー パワーゾル 420ml】
参考価格:\91

1人1本限りの商品です。

バイク用となっていますが、自転車のチェーンに何ら問題なく使用できます。
この値段でノズルが付いているのが嬉しいですし、遅乾性なので頑固な油汚れ向きです。

【KURE(呉工業):チェーンクリーナー760ml】
参考価格:¥1,141

潤滑油でお馴染みの、呉工業の商品です。

中乾性くらいですが、結構長く乾かないので、頑固な汚れに良いです。
また、防錆効果がうれしいところです。

【ワコーズ(WAKOS):BCスーパージャンボ PLUS A180 洗浄剤】
参考価格:¥1,300

商品名の通り、840mlの大容量タイプです。

中乾性で油汚れに強い上に、アルコールを使用していないので揮発性が低く、結露もしにくいので防錆効果もあります。

パーツクリーナーと同じ効果があるチェーン洗浄方法

パーツクリーナーを使用する以外にも、昔ながらのチェーン洗浄には灯油を使う方法があります。

やり方は至ってシンプルで、チェーンと灯油を容器に入れてシャカシャカ振ってみたり、メガネの高圧洗浄機を使っているなんて人もいます。

先ほど説明した遅乾性のパーツクリーナーと同じような効果が見込めると思いますので、どのインプレを見ても失敗は伝えられていませんし、灯油は安いですからね。

しかし、今はガスストーブが下火になってきて、灯油がどこでも手に入るわけではなくなっているので、思いつくところではガソリンスタンドでしょうか?
(もちろんネットでは売っていません)

いずれにしても、販売店まで出向いて購入して来なければなりません。

また、毎度チェーンを外す手間があるのが、デメリットと言えます。
しかし、最近は工具なしで外せるチェーンもあるようなので、一概にはデメリットとは言えなくなっています。

あとは、あの独特な臭いに耐えられるかどうかも問題ですよね。

チェーンの洗浄器もある!

チェーンの洗浄についてお話していますが、チェーン専門の洗浄器があるのをご存知でしょうか?

簡単に言えば、ブラシ付きの洗浄器の中にパーツクリーナーをセットして、そこにチェーンを通してペダルを回すと、チェーンが自動的に洗浄されていくというものです。

実際に行った人のを見ると、かなりきれいになっています。
また、手順通り使用すれば、チェーンを傷める心配などもなさそうです。

洗浄を行うときは周りに洗剤が飛び散る場合もあるので、リムに掛からないように、新聞紙か何かで覆ってから行ってください。

ペダルを逆回転させますので、チェーンラインを真っ直ぐにします。

ロードバイクならフロントインナーでリアはローから3・4速、MTBならフロントはミドル、リアはローから3・4速です。

少しリアディレイラー寄りに洗浄器をセットして、ペダルを逆回転します。
あまり速く回しても結果は一緒なので、ゆっくり目に回してください。

ひと通りチェーンを見て、汚れが落ちていれば終了です。

また、このときに使用した洗浄液が、パーツクリーナーなどの脱脂剤である場合、商品によってはオイルを使用している場合があります。

そうなると当然、注油の役目も同時に行ってくれていることになるので、洗浄後に新たに注油する必要はありませんと言うか、不可です。

違う種類のオイルが混じることは良いことではありませんので、洗浄液がオイルの場合は注意してください。

おすすめのチェーン洗浄器

では、チェーン洗浄器をご紹介しましょう。

【AZ:自転車 チェーンクリーナー・チェーンオイルセット(チェーン洗浄器、ブラシ、ディグリーザー高浸透500ml、チェーンルブ ロードレース50ml】
参考価格:¥1,950

セット内容は上記の通りですが、ディグリーザーはパーツクリーナーと同じ脱脂剤のことなので、洗浄効果も同様です。

チェーンルブとは潤滑油のことですから、ここではチェーンオイルとした方が分かりやすいですね。

ブラシは2本付いていて1本は普通のブラシですが、もう1本はギアやブレーキの間に挟まっている、泥や小石を掻き出すのに使用します。

正直、あまり必要としないものまで付属しているセットもあるのですが、こちらはシンプルなセット内容でおすすめです。

【PARKTOOL(パークツール):チェーンギャング CG-2.2】
参考価格:¥5,000

こちらはチェーン洗浄器、洗浄剤(オイル)、ブラシの3点セットです。

洗浄剤がオイルタイプの上に高級なので値段は高めですが、注油の必要がないので、おすすめさせていただきます。

パークツールの洗浄器はチェーンが真っ直ぐに入るので、洗浄時にペダルの回転がスムーズなのが、大きな特徴です。

チェーンがきれいになれば良いんです!

今回は、チェーンの洗浄についてお話しました。

他のパーツにも使用できる、汎用性を考えればパーツクリーナー。
家に灯油があるならそれでも良いですし、手を極力汚さず、スマートに行いたいなら洗浄器と、手段は様々です。

予算や状況によって、ご自分に適した洗浄方法を選んでください。