自転車のパーツの中でも、一番に酷使されているチェーン。
人の力を車輪に伝えるための大切なパーツです。
しかし、鉄でできているチェーンもいつかは必ず寿命がきます。
「チェーンの寿命はいつなのか」「ショップでも交換してもらえるけど、せっかくなら自分でやりたい!」そんな時のために、シマノプロチェーンカッターの使い方とあわせて、チェーン交換の方法をお伝えします。
チェーンはいつ交換すればいい?適正なチェーン寿命の確認
自転車のチェーンは、一般的に5000㎞が寿命と言われています。
しかし、ひとくちに5000㎞と言っても、走行距離を管理していなければいつが交換時期なのかわからないです。
ましてや、ゆっくりと摩耗する愛車のチェーン疲労を体感することは難しいことと言えるでしょう。
このように5000kmという基準がありますが、管理をしなければわかりづらいと言えます。
また、よく「チェーンが伸びる」と言いますが、実際に引っ張られて長くなるわけではありません。
チェーンはたくさんのコマが繋がってできていて、そのコマを繋ぐためにひとつひとつに回転軸が入っています。
その軸が摩耗によって削られ隙間ができてしまうと、コマの感覚が開いてしまいます。
これが、チェーン伸びの正体です。
それでは、いつがチェーンの寿命となるのでしょうか?
それは、日ごろのメンテナンスで確認することができます。
専用の計測ツールもありますが、簡単なやり方をご紹介します。
チェーンリングにかかっているチェーンを指でつまんで、軽く引き上げてみてください。
その時に浮いたチェーンから、ギア歯が見えてしまうと交換時期と言えます。
この時に、「チェーンが伸びたから1コマ詰めよう」と考える方もいることでしょう。
しかし、コマを詰めたとしても、コマ自体の間隔が開いてしまっているため、ギアと合いません。
逆にスプロケやチェーンリングも痛めてしまい、最後には駆動系の取替えということになりかねません。
そうなる前に、シマノプロチェーンカッターの使い方をマスターし、適正な時期に交換しましょう。
シマノプロチェーンカッターの他にあると便利なもの
シマノプロチェーンカッターの他に、もちろん新品のチェーンも必要です。
変速数によって規格が違うので、愛車のギアを確認して、お好きなグレードのチェーンを用意してください。
交換するだけならこの2つだけでもできますが、できれば下記のものも用意すると便利でしょう。
・ウエスやペーパータオル
・ディグリーザー
・チェーン用フックツール
・ワイヤーブラシ
・綿棒
・通常のメンテナンス工具
これらの使い方は後ほど詳しくご説明させていただくとして、まずこれらのアイテムについてご説明していきます。
ウエスやペーパータオルは、オイル汚れを取るのに必要なアイテムです。
ディグリーザーは、スプロケなどの汚れを落とすために用意しましょう。
また、チェーン用フックツールはあると便利ですが、なかったとしても針金などで代用できます。
そして、ワイヤーブラシや綿棒は、チェーンを外した際のクリーニングに使います。
ディレーラーの調整も必要なので、通常のメンテナンスに使用する工具も用意しておきましょう。
古いチェーンを外そう!シマノプロチェーンカッターの使い方・切断編
それでは、チェーン交換のやり方をご説明していきます。
まず、チェーンを取り外していきます。
この取り外す作業をする際に、シマノプロチェーンカッターが登場します。
最初に行うことは、チェーンのテンションを取ることです。
ギアはインナー・ローにかけ、用意できればチェーン用フックツールでチェーンを緩ませてください。
このチェーン用フックツールは、針金などをチェーンの穴に通して代用することも可能です。
チェーンのテンションを緩めましたら、チェーンカッターを使っていきます。
それでは、チェーンカッターの使い方をご説明します。
接続リンクを使っていないチェーンは、1か所だけ接続用のピンが入っています。
そのピンを探し出し、チェーンカッターをセットします。
セットさえしてしまえば、使い方は簡単です。
ハンドルを回し、ピンを押し抜いてしまいましょう。
ただし、切断した時にフックツールなどをかけていないと、チェーンが跳ねて車体に当たってしまうことがあります。
人に当たると思わぬ怪我をするので、注意してください。
チェーンを外した自転車にするべきこと!用意したアイテムの使い方
古いチェーンを外し終えたら、シマノプロチェーンカッターはいったん置いておきましょう。
ここでは、先程ご紹介したアイテムの使い方を見ていきます。
せっかくチェーンを外したのですから、このチャンスにギアまわりのクリーニングもしてみましょう。
常にオイルが付着する箇所なので、汚れもたまりやすく普段から綺麗にしておきたい場所です。
汚れを放っておくとチェーンにも入り込み、埃が研磨するようにチェーンを摩耗させます。
そして、新しいチェーンの寿命を延ばすためにも、日常的にクリーニングを行いましょう。
また、ディグリーザーをかける前に、大きなゴミはブラシなどで取り除いてください。
ディグリーザーをかける時は、ハブやプーリーなどの駆動部の中に入り込まないよう注意します。
ディグリーザーをかけると汚れが浮き出すので、ブラシや綿棒で清掃してください。
ギア歯の凹み部分やスプロケットの奥は汚れのたまりやすい部分なので、できるだけ綺麗にしましょう。
スプロケットを外してクリーニングするのが効果的ですが、専用工具が必要となるので割愛させていただきます。
新しいチェーンの取りつけ!シマノプロチェーンカッターの使い方・接続編
綺麗になった駆動部には、新しいチェーンをつけます。
ここでのシマノプロチェーンカッターの使い方は、切断と接続の2つです。
まず、袋から出したチェーンには粘度の高いオイルがついていますので、埃などが付着しないよう注意してください。
新しいチェーンは、いろいろなギアや車体に使えるように長めになっています。
そのため、長いチェーンを愛車に合わせてカットします。
適正な長さを測る簡単な方法は、リアディレーラーを通さずにアウター・ローにかけて、1~2コマ余分にしたくらいの長さ、またはリアディレーラーに通してプーリーが縦に並ぶくらいの長さにすることです。
ギアの大きさによっても適正な長さは違うので、取りつける車体で確認しましょう。
適正な長さにカットしたチェーンをディレーラーに通して取りつけます。
ディレーラーを通したチェーンは引っ張られるので、チェーン用フックツールや針金で切断時と同様に接続部のテンションを取ってください。
テンションの高いまま無理に接続してしまうと、ピンが斜めに入ったり接続部が固まって動かなくなることもあります。
そして、チェーンの接続には、チェーンカッターと付属のチェーンピンを使います。
チェーンピンは、アンプルピンやコネクティングピンとも呼ばれ、変速数によって長さや太さが違います。
単品での販売もしているので、予備も用意しておくといいでしょう。
チェーンカッターとチェーンピンをセットしたら、あとはハンドルを回すだけです。
切断時と同じようにピンを押し、指示された溝まで入れてください。
ピンの長さはチェーンの幅の倍ほどありますが、セット後に溝の部分で折れるので挿入を確認後に折ってください。
走行前の最後のチェック
シマノプロチェーンカッターの使い方はここまでですが、まだやることがあります。
ペダルを回し、チェーンが正常に動いているかチェックしてください。
接続に不具合があるとコマの動きが渋くなり、チェーンが折れたままで固定されていたりします。
固定された部分を縦横に動かすと解消される場合もありますが、無理なようなら新しいピンでやり直しになります。
正常に動くのが確認できたら、チェーンの余分なオイルを拭き取ってください。
余分にオイルがついていると、埃などを吸い寄せやすくなり汚れの原因になります。
同様に、ギアについた余分なオイルも拭き取りましょう。
軽く油膜が張っているくらいが目安です。
そして、新しいチェーンをセットした時は、必ずディレーラー調整をしましょう。
すべてのギアにチェーンをかけ、正常に変速しているか確かめます。
この時に、チェーンのオイルがギアにも付着し油膜を張るので、必ずすべての変速を行いましょう。
チェーンカッターもライディングのお供に!
ストレスのないライディングのためにはメンテナンスが必要です。
そして、携行するアイテムで決まります。
いつも持ち出すレンチやパンク修理セットに加え、これからはチェーンカッターもロングライドのお供に加えてください。
万全のメンテナンスをしても、酷使するチェーンのトラブルはないとは言い切れません。
ロングライドにはチェーンカッターとチェーンピン、カットした時に余ったチェーンを2コマほど持参しておきましょう。
これだけ備えておけば、ほとんどのチェーントラブルは解消されます。