今や数多くのメーカーが、その技術の粋を集めて、優れたロードバイクを世に世に送り出しています。
昨今は、北米やアジアのバイクメーカーが取り沙汰される事が多いですが、ロードバイクファンであれば、イタリアのメーカー「コルナゴ」を、1度は見るか聞くかしたことがある人が、多いのではないでしょうか?
今回は、この「コルナゴ」のロードバイク、その中でも「CLX2.0」に焦点を当ててご紹介していきます。
イタリアが誇る匠の技術!「コルナゴ」というメーカー
「CLX2.0」を具体的にご紹介する前に、「コルナゴ」についてご紹介します。
少々長くなりますが、メーカーの事を深く理解することにより、バイクそのものへの信頼感が、より増すことへも繋がります。
信頼感は、そのまま快適な走りへと繋がりますので、どうか最後までお付き合い願えると幸いです。
「コルナゴ」の創設者は、ミラノ郊外のカンビアーゴ村出身のエルネスト・コルナゴという人物です。
このエルネスト・コルナゴという人物、実は元々、優秀なロードレースの選手だったのですが、落車による骨折が原因で選手生命を絶たれてしまい、その後メカニックとして活躍することになるのです。
この時に弟のパオロと、地元のカンビアーゴで「チクリコルナゴ」を創業し、これが「コルナゴ」の起源となっています。
その後、技術を認められたエルネスト・コルナゴは、当時のロードレースチーム「モルニテ」のメカニックとして、その技術力を発揮します。
後に、最強の選手の1人と言われることになるエディー・メルクスに、自作のフレームを提供するなど、その活動の場を広げていくのでした。
更に、1970年のチミラノ-サンレモにおいて、コルナゴのバイクに乗ったミケーレ・ダンチェリの優勝を機に、クローバーのマークをシンボルとして採用するなど、その認知度を確固たるものにしていくのでした。
そして、1980年代初頭に、コルナゴは運命的な出会いを果たすのです。
コルナゴとある男との出会い!同じ信念を持つ両雄!
ロードバイク業界では、モノコックフレームが多く出回っている現在でも、コルナゴは、昔ながらのカーボンラグと、カーボンチューブを接合する工法にこだわっています。
そのカーボンへの強いこだわりは、あのモータースポーツ界の雄、エンツォ・フェラーリとの出会いが大きなウエイトを占めているのは間違いないでしょう。
フォーミュラーカーとロードバイクの分野の違いこそあれど、「レースに勝つ」という共通の信念を持つコルナゴとフェラーリの出会いから、両社のパートナーシップが始まるのです。
この技術協力により、コルナゴはカーボンフレームの生産を始め、それによりプロのレースで1000勝以上を獲得した「C40」という伝説的なフレームを誕生させるに至るのです。
そして、その技術は、現在世界で最も厳格でストイックなバイクだと評される「C59」へと繋がっていくことになります。
コルナゴのカーボン素材技術は、生産効率を重視する現在の流れに逆行していると思われがちです。
しかし、職人が丁寧に手作業で全てのカーボンパーツを組み合わせる工程は、ライダーの身体に合ったバイク作りを可能としています。
まさにコルナゴのロードバイクは職人の技と言えるでしょう。
いよいよその1つである「CLX2.0」をご紹介していきます。
コルナゴ「CLX2.0」というロードバイクとは?基本編
コルナゴのCLXシリーズは、同社のV1-rのフレームデザインを踏襲しています。
このV1-rは、前述したフェラーリ社との共同開発されたモデルで、徹底的な軽量化と空力性能を追求しており、それが多くのプロレーサーから高い支持を得ています。
少し脱線しましたが、「CLX-2.0」の基本スペックをご紹介します。
フレームマテリアルはHMカーボン、フォークはCLX2.0カーボンと、非常にコルナゴ社らしいこだわりのパーツが使われています。
サイズは420Sから順番に、450S、480S、500S、520S、540S、570S、590Sと、かなりの種類が用意されており、より多くのライダーのサイズに合うようになっています。
自分の身体にあったサイズ選びは、快適な走行にとって非常に重要で、この選択肢の多さは、多くのライダーから重宝されています。
価格はそれぞれフレームセットが\283,500(税込み)、アルテグラ完成車が\409,500(税込み)、105完成車が\336,000(税込み)となっています。
次は、別の角度から「CLX2.0」の魅力に迫りたいと思います。
コルナゴ「CLX2.0」というロードバイクとは?デザイン編
コルナゴのCLXシリーズが、V1-rのデザインを踏襲しているのは前述の通りですが、では具体的にどういったデザインなのでしょうか?
CLXシリーズは、昨今のバイクとは違い、どちらかというと、クラシカルなロードバイクに近いビジュアルとなっており、ファンの間では高い評価を得ています。
そのデザインは、ハイエンドモデルが持つ高級感と遜色も無く、見ても乗ってもユーザーには満足感と高揚感を与えてくれるでしょう。
コルナゴのCLX2.0には、それぞれシルバー、ホワイト、レッド、ブルーと4種類のカラーが用意されています。
ブラックとシルバーが基調となった、ストイックなシルバー。
全体的に白でまとめられた清潔感のあるホワイト。
鮮烈な赤が印象的なレッドと、清涼感溢れるブルー。
それぞれが、非常に洗練されたデザインとなっており、人によってはどのカラーにするか悩んでしまい、決められないといった事があるかもしれませんね。
では、その性能についてはどうでしょう?
コルナゴ「CLX2.0」というロードバイクとは?性能編
コルナゴのバイクの中でも、ミドルグレードのカーボン使用モデルとして人気の高いCLXが、モデルチャンジで2.0にバージョンアップしたのが「CLX2.0」です。
トップレーサーも実戦で使用するほどの機能とは、果たしてどのような物なのでしょうか?
元々CLXシリーズは、ロードレースだけでなく、ロングライドにも対応できるように、快適性も重視された安定した走行性能を有しています。
しかし、2010年に発表されたロングライド専用モデルの「ACE」シリーズが出てきたことにより、それまでCLXが備えていたロングライド的な性能をACEへ託しました。
そのため、CLXはよりロードレースに重きを置いたバイク「CLX2.0」へとバージョンアップしたのです。
従来のCLXシリーズの基本設計は、そのまま引き継がれていますが、フレームなどに使われているカーボン素材のグレードがアップしており、フレームの剛性が旧モデルに比べ上がっています。
しかも、重量は200g程という、かなりの軽量化を実現しているのも大きな着目点と言えるでしょう。
旧シリーズと比べ、派手なモデルチェンジこそ無いですが、その見た目以上に性能がアップしているのがCLX2.0なのです。
次では、実際に乗った人の感想も交え、どういった走行をするのかをご紹介します。
これこそコルナゴ!ブレの無い独自の乗り味のCLX2.0
コルナゴのCLX2.0を乗った人が口を揃えて言うのは、「コルナゴらしさ」です。
コルナゴは元々、ロードレースを得意とする車種のメーカーなので、CLX2.0もやはりそれに沿った乗り心地のようです。
ペダルは踏んだ分だけ加速するような感じではなく、踏んだ分に対して少し遅れて加速するような、高級感のある加速が実感できるといった声が多いです。
また、カーボンフレームについても、その剛性が固過ぎず柔らか過ぎず、万人に乗りやすい調整になっています。
その証拠に、CLX2.0に乗ったことのあるライダーのほとんどが、レーサーや上級者のみならず、ロードバイク初心者のような一般的なレベルのライダーにも扱いやすいと評しています。
つまり、CLX2.0は全体的なバランスが優れており、ロードバイクとして基本性能がしっかりした、オールラウンダーと言えるバイクなのです。
コルナゴのCLX2.0でイタリアの匠の業を実感してみては?
かつてロードバイクの真髄とも言われたイタリアンブランドですが、今では以前ほどの勢いが見られないのが現実です。
しかしそんな中、コルナゴは今日に至るまでその輝きを失わず、世界中のライダーから愛されている老舗と言えるでしょう。
そんなメーカーの中でも、万人に扱いやすいCLX2.0。
色々な国のメーカーから出ているロードバイクですが、誰かに聞かれたらこう答えてみませんか?
「私のロードバイク、イタリアのメーカーなんです」