数年前の完成車及びフレーム売りされているロードバイクは、bb30規格のものが多くありました。
bb30に関しては、この規格自体に当然メリットデメリットがありますが、対応クランクが各社から発売されています。
ここでは、各社におけるbb30対応クランクの事情と、bb30であっても使用出来る方法があるのでご紹介していきます。
スラム製bb30対応クランク
まず最初にご紹介しますのは、3大コンポーネントメーカーの一つ、アメリカのSRAM(スラム)です。
スラムのコンポーネントの最大の特徴は、ご存じの通り軽量であることです。
最上級のREDは、シマノのデュラエースと比べても大幅な軽量化がされています。
今話題の無線電動のetapもこちらのものです。
そんなスラムですが、こちらはbb30対応クランクを発売しています。
その理由は、bb30発祥が同じアメリカのキャノンデールだからでしょうか。
最上位のREDからForceやRivalのグレードでもラインナップがあります。
REDのグレードとなるとなかなかに高価です。
しかし、お求めやすいグレードでもbb30対応クランクがあるので、幅広い層の方に使用してもらえます。
見た目もシャープでいいですね。
スラムの売りは軽さですから、元々bb30対応フレームのメリットの一つであるフレームやbbの軽量化とつながりますし、大きなメリットとなるのではないでしょうか。
FSA製bb30対応クランク
お次にご紹介するのは、クランクだけでなくシートポストやハンドル、ステム等も発売しております「FULL SPEED AHEAD」、通称FSAのbb30対応クランクです。
bb30の完成車を購入された方の多くはこのメーカーの製品を見たことがあると思います。
多くのbb30対応フレームの完成車にはFSAのGOSSAMAというものがついてきます。
この製品ですが、世界で活躍しているとあるスプリンターが使っているということで有名な製品で、決して悪い製品ではありません。
しかし、bb30対応クランクとしては廉価版として扱われています。
また、完成車のグレードが上がりますと、上位機種のK-Force Lightというものがついてくるものもあります。
こちらも普通にパーツとして購入することが出来ます。
こちらのクランクは上述しておりますスラムのREDと同じく、カーボンクランクになっておりまして、非常に軽量で高剛性のクランクです。
bb30を使い続けていくのでしたら、ご縁があるメーカーとなるでしょう。
シマノは、bb30対応クランクがない?
そして、コンポーネントの話をするとなると、どうしても外せないのがシマノですね。
国内シェアはもちろんですが、海外シェアも高くツールでの使用率も最も高いです。
そんなシマノですが、bb30対応クランクは発売していません。
シマノはbb30に否定的です。
それはなぜかと申しますと、シマノは耐久性や耐環境性に重きを置いています。
bb30には軽さという大きなメリットはありますが、シマノの重要視している点を満たしていないため、bb30対応クランクは発表していないわけです。
シマノのクランクは変速性能が高いという大きな利点がありますので、それを享受されたい方はやはりシマノ製クランクを使用したいと思うでしょう。
では、シマノ製クランクを使うにはどうすれば良いでしょうか。
それは、各社から発売しているアダプター等を使用することで、シマノ製クランクを使用することが出来ます。
アダプターの種類は各種あります。
このアダプターをはめ込むことで、シマノ製bbとの間を埋めることが出来るため、使用することが出来るようになり、クランクを取り付けられます。
シマノ製クランクを取り付けたい場合は、ご自分がどのようにされたいかを考えてアダプターを選択する必要があります。
カンパニョーロもbb30対応クランクはないが、アダプターはある!
こちらも3大コンポーネントメーカーの一つ、イタリアのCampagnolo(カンパニョーロ)です。
カンパニョーロのコンポーネントの最大の特徴は、ヨーロッパメーカーらしく見た目が綺麗というか美しいというでしょう。
ただし、このあたりは人によりけりではあります。
あとはエルゴパワーが小ぶりなので、ブレーキがかけやすいというのが最大の特徴と言えるでしょう。
そんなカンパニョーロですが、こちらもbb30対応クランクは発売していません。
スタンスとしてはシマノ寄りですが、こちらは純正のアダプターを発売しております。
ただ、このアダプターですが、緩みやすいという特徴があります。
恐らく、bbシェル内に入る部分が短いことが原因と考えられています。
取付方法がbb30と同じく圧入方式ですが、bb30のようにスナップリングで押さえているわけでもないので、仕方のないことかもしれません。
この緩みを解消するなら、ロックタイトを使用することで緩みを抑えることが出来ます。
しかし、そこまでして純正アダプターを使用する必要があるのかは不明なところがあります。
このことを考えると、bb30にカンパニョーロ製クランクを使用する場合も、シマノと同様に他メーカーのアダプターを探すほうが良いかもしれません。
bb30に他社クランクをつけるときのお手軽な方法
ここまでは、bb30対応クランクについて代表的な各社の製品をご紹介してきました。
他にも例えばスギノのようにクランクを発売しているメーカーはありますが、主なコンポーネントメーカーと完成車に付属していることの多いものをご紹介させていただきました。
ですが、変速性能や見た目の好み等の理由から、シマノやカンパニョーロのクランクを使用したい方は多かれ少なかれいらっしゃると思います。
と言うわけで、ここからはbb30に他社クランクをつけるときの方法をご紹介してきます。
最も簡単なのは、おそらくホイールマニュファクチュアリングのbb30カップを取り付けることです。
bb30のベアリングはそのままに、そこに内径24mmの筒を入れ込むことでシマノクランクを取り付けることが出来ます。
カンパニョーロのクランクの場合、一番お手軽なのは上述しました純正のアダプターです。
これも同様に左右からはめ込むだけです。
この2つはお手軽なのですが、カンパニョーロの項でも触れましたとおり問題点があります。
そこで、他のオススメ方法として、KCNCやスギノから出しているbb30フレーム用のアダプターを使用します。
そうすることで他社クランクを使用することが出来、上述した問題点に関しては解消されます。
では、これらに問題点がないのか、と言うと実はそうでもなかったりします。
精度誤差が大きかったり、防水防塵性能が低くベアリングが傷みやすい等といった問題点があります。
また、結局は圧入方式なので、取り外しの際にフレームを痛める可能性があることも否定は出来ません。
bb30に他社クランクをつけるオススメの方法
ここでは、bb30対応クランクではない他社クランクを使用するのに、オススメの方法を2点お伝えします。
1点目は、プラクシスワークスのコンバージョンBBというものを使う方法です。
これはカンパニョーロのウルトラトルク用もシマノクランク用も用意されています。
特許出願中のシステムみたいですが、2つの大きな特徴があります。
特徴としては、
・BBをねじ込んだ際に筒が広がり、BBの内側に接触し押すことで剛性が保たれる点
・各社BBと同じようにベアリングがフレームの外側にくるよう設計されているため、剛性が保たれる点
この2つの特徴で剛性が保たれます。
2点目は、FSAのコンバージョンBBという製品です。
こちらはbb30フレームに直接筒を押し込んでロックタイトで固定してしまうことで、疑似的にねじ切りbbに変換してしまうものです。
これにより信頼性の高いシマノ製のBBを使用することが出来ますし、メンテナンスもしやすくなります。
こちらの場合、欠点としまして、bb30に戻すことは出来ません。
完全固定用のロックタイトを使用しますので、外すことを考えない場合は、メンテナンスもしやすくなるので、良い製品です。
様々な方法で自分の好きなクランクを使用出来る
さて、ここまで各社のbb30対応クランクや、各社のクランクを取り付ける方法をご紹介してきました。
いかがでしたでしょうか?
bb30を使用していると様々なところで悪い噂を耳にすることがあると思いますが、長年使用しているフレームだと愛着もありますし、当然メリットもあります。
ここでご紹介してきたことがアップグレードする際の参考になれば幸いです。