今や、ロードバイクといったらカーボンが主流ですが、アルミならではのキビキビとした軽快感も捨てがたいものですよね。
スペシャライズドの「s-works・allez」(エスワークス・アレー)は、エントリーアルミバイクでありながら、幅広い方から支持を得る、レーシングバイクです。
レースでの心強い味方、「s-works・allez」の、インプレをお伝えしていきます。
「s-works・allez」ってどんな自転車?
アルミバイクの中で、最高峰の存在感を放つのが、スペシャライズドの「s-works・allez」です。
この「s-works・allez」は、カーボンの普及によりアルミフレームが追いやられてしまった中で、アルミフレームを次世代レベルへと進化させ、再び復権させたいと考えられ作られました。
では、いったい従来のアルミバイクとどういった違いがあるのか「s-works・allez」の特徴についてご紹介していきましょう。
まず、従来のアルミバイクとの違いは、ヘッドチューブ周辺の構造にあります。
通常のフレームでは、円柱形のヘッドチューブにトップチューブとダウンチューブを繋ぐ行程となります。
ですが、アレーはあらかじめトップチューブとダウンチューブの前端をヘッドチューブと一体成形し、そこに各チューブを繋いでいる構造となっています。
また、溶接部分にも大きくこだわり、通常の溶接に対して、溶接部を薄く仕上げているにも関わらず、強度を落とすことなく剛性を維持することに成功しました。
では、たくさんの高い評価を得ている次世代アルミバイク「s-works・allez」のインプレを早速ご紹介していきましょう。
「s-works・allez」インプレッション!
早速「s-works・allez」のインプレをお伝えしていきましょう。
まず、乗り始めて感じたのが、踏み込みの軽さと加速性の良さです。
特にダンシングをした際のパワーの掛かり具合は非常に爽快で、どんどん前に進んでいく感覚を覚えました。
パワーを逃さない理由は、先ほどご紹介したヘッド周辺の剛性にあります。
荒れた路面では、やはりアルミらしいゴツゴツとした乗り心地でしたが、荒れた路面を除けば、ロングライドにも対応できるバイクといえるでしょう。
乗っていて少し硬さが目立つものの、足に過度な負担を与えるほどではありません。
どんどん加速したくなるような、頼もしい剛性感を感じることができました。
アルミならではの加速性を活かし、非常に高いレベルに仕上げているバイクですね。
カーボン全盛期の現在でも、アルミバイクながら、レースでも十分に戦えるバイクといえるでしょう。
「s-works・allez」インプレ!レース向きロードバイク
続いてインプレをお伝えしていきます。
「s-works・allez」を乗って感じたことは、やはりレース向けのバイクということです。
レース向きとされる理由としては、バイク自体のクセが少ないという点です。
疲れが溜まりやすいレースでは、このクセが少ないというのは非常に重要で、特に疲れが溜まってきた頃、フラつくことなく、安定したコントロールができるといった点では、評価は高いといえます。
また、コーナリングやブレーキングに関しても、抜群の安定感を誇っています。
ヘッド部の高い剛性により、下りでスピードが出る場面や急なコーナリングでも、狙ったラインで走行できるほどの安定感があります。
さらに「s-works・allez」が最大に能力を発揮できると感じたのは、短い登りを一気に駆け上るような場面です。
その際は、カーボンバイクに負けない能力を感じました。
また、長い登りでもシッティングとダンシングを切り替えたときの繋がりがスムーズで、ロスを感じさせません。
さすが、レーシングバイクだけありますね。
「s-works・allez」のインプレ!パワーのある方におすすめ
インプレして感じたことですが、やはりアルミのレーシングバイクであり、レーサーにベストなバイクといえます。
特に重量や、パワーがある方には非常にマッチすると思います。
アルミはカーボンよりは脚が受けるダメージも大きいため、これを跳ね返すパワーを持った方であれば、性能を十分に発揮できるでしょう。
スペシャライズドがこのカーボン全盛期に、アルミバイクをリリースしたことには新たな挑戦であり、自転車界に新しいトレンドを生み出そうという意欲を感じます。
カーボンが主流になっている今、アルミバイクが好きな方、魅力を感じている方であれば、非常におすすめできるバイクですが、ただ残念なことに「s-works・allez」は現在販売終了となっています。
そのため、購入するとなると中古品かオークションなどでしか購入できません。
ですが、安心してください。
「s-works・allez」の後継車となるモデルが2016年に発売されました。
「s-works・allez」の後継車「allez・sprint conp」(アレー・スプリントコンプ)
アルミレーシングバイクとして、名だたる高い評価を得ている「s-works・allez」ですが、今現在は販売終了となっています。
アルミバイク派の方たちにとっては非常に悲しいニュースですが、「s-works・allez」の後継車となる「allez・sprint conp」が新たに2016年にラインナップで追加されました。
○「allez・sprint conp」ってどんな自転車?
「allez・sprint conp」は、2016年モデルよりラインナップに追加されたアルミのエアロロードバイクです。
「s-works・allez」同様、溶接部を薄く仕上げるスペシャライズド独自の技術により強度と共に、軽量化を実現しています。
「s-works」の最上位である「s-works・tarmac」(エスワークス・ターマック)のカーボンフォークをそのまま採用し、平地に限らず上り下りでも優れた加速性、反応性を誇ります。
また、コンポーネントはシマノ製の105を搭載しているので、レースなどでも安定した変速性能を発揮することができます。
「s-works・allez」は残念ながら販売終了となってしまいましたが、その素晴らしい性能を引き継いだ「allez・sprint conp」も高性能なアルミバイクといえます。
では次に、「allez・sprint conp」のインプレをしていきます。
「allez・sprint conp」のインプレッション!
早速インプレをお伝えしていきましょう。
まず、「allez・sprint conp」に乗って感じたのが、アルミらしいキビキビとした走りと反応の良さです。
これは「s-works・allez」を連想させる乗り心地でした。
見た目も非常にレーシーで、変速付近のたわみは一切感じませんでした。
ダイレクトに進む踏み心地は、踏んだと同時に進む力へと変換してくれる印象を持ちました。
また、ブレーキングについては、下りの中の高速域にあっても不安がなく、しっかりとした制動力を持っています。
ただ、ブレーキ本体は、シマノ純正と比較すると制動性能はやや劣りますので、もしより強い制動力を望むのなら、シマノ製に交換することをおすすめします。
さらに重さについてですが、完成車状態で8.4kgとそこそこ重量はあるものの、走りは軽く、意外にもヒルクライムでも活躍してくれそうです。
これは、剛性の高さもあるのでしょう。
「allez・sprint conp」の特徴である高剛性は、加減速の回数が多いクリテリウムや、下りでの安定感、ダンシングで攻略する短い登りに活かすことができます。
ですから、このようなレースに多く出場する方にとっては武器となるでしょう。
スペシャライズドのアルミバイクはカーボンに負けない性能を持つ
今回ご紹介した、「s-works・allez」は残念ながら現在販売終了となってしまいましたが、その後継車である「allez・sprint conp」も軽量アルミバイクとして、高性能を誇っています。
高い剛性と、その走りはアルミならではです。
今回ご紹介したアルミバイクは、現在カーボン全盛期とされる中で、負けずとも劣らない高性能を誇ります。
ぜひ、購入の際、検討してみてはいかがでしょうか。