自転車に乗っていて横から颯爽と追い抜かれたりすると、「もっと速く走れないものかな」なんて思うことありませんか?
また、プロのレーサーや趣味でもレースに出ようと思っている人には「地道なトレーニングで脚力を付けるのが一番です」なんて言われそうですが、趣味で自転車を走らせたい人は、トレーニングと言われてもピンとこないものです。
そこで今回は、可能な限り自転車の性能を上げて、スピードアップすることを考えてみましょう。
自転車の種類を変えればスピードアップになる
まず、根本的な話ですが、ママチャリに乗っている人はクロスバイクやロードバイクに乗り換えれば、飛躍的にスピードは上がります。
カゴ・荷台・泥除けなどを取っ払い、極限まで車体を軽くして、タイヤも細く、空気抵抗を避けるために前傾姿勢になるような形状をしているのがスポーツ自転車です。
また、ギアが多くあるのも、スピードアップには大きな要因です。
ママチャリのギアは、おおむね3速から6速の内装変速式ですから、スピードに限界があります。
スポーツ自転車の場合は、最低でも16速くらいのギアが付いており、ママチャリでは出せないギア比になる組み合わせで走ることができるので、スピードが上がります。
しかし、価格がママチャリと比べて高いので、中々簡単には踏み切れないと思います。
でも、ママチャリのままでも、スピードアップを諦める必要はありません。
次項でママチャリのスピードアップ術についてお話します。
ママチャリもスピードアップ!
さて、ママチャリのスピードアップですが、特別なことではなく、ちゃんと整備しようという話になります。
まず、タイヤにちゃんと空気を入れてください。
ママチャリのタイヤの英式バルブは構造上、空気が抜けやすくなっていますので、小まめなメンテナンスが必要です。
タイヤの側面を押してみて、指が沈み込んでいかず、押し返してくるくらいまで空気を入れてください。
次にチェーンに油を差しましょう。
チェーンの動きをスムーズにすれば、当然ペダルを漕ぐ力が小さく済みますし、スピードを上げることができます。
そして、サドルの位置を少し高めにしましょう。
具体的にはサドルに座ってペダルを踏み、一番下に来たときに足が伸びきる寸前くらいが良いです。
これですと普通にまたがった状態では、つま先立ちになると思いますので、最初は怖いかもしれませんが、すぐに慣れます。
坂道などで力を入れたいときに自転車を立ち漕ぎすると思いますが、その立った状態の場所にサドルがあるイメージですね。
常にペダルを強い力で漕げるようになりますし、座った状態ですから、立ち漕ぎほど疲れません。
以上、3つのことを行うだけで、ママチャリの大幅なスピードアップになります。
お金も手間もほとんど掛かりませんので、ぜひやってみてもらいたいと思います。
スポーツ自転車のスピードアップ
ママチャリのスピードアップは、メンテナンスをするという概念があまりないことを逆手に取っただけで、特別に何かを交換したとか改造したわけではありません。
しかし、スポーツ自転車はメンテナンスなんかは当たり前の話で、厳しいことを言えば、整備する気がないなら乗るなという代物です。
そのため、メンテナンスが行き届いている前提で話を進めます。
また、ロードバイクとクロスバイク、MTBは少し違うと思いますので、分けて考えてみたいと思います。
まず、ロードバイクは元がスピードを出すためにできているので、さらにその長所を伸ばしていくカスタマイズを行います。
その意味で真っ先に目を向けるべきなのは、ホイールです。
自転車のスピードアップは空気抵抗を減らせば良いのですが、パーツの中で最も大きな空気抵抗を受けるのが、ホイールです。
そのため、ホイールを空気抵抗の少ない、軽量のものに交換するのが、最も効果が大きくなります。
また、タイヤを細くすることも、スピードアップに繋がります。
タイヤと地面の接地面が小さくなるということは、それだけ摩擦が少なくなるということなので、良く転がるようになり、スピードがアップします。
とはいえ、タイヤはロードバイクの場合元々細いですし、最近はロードのタイヤが太めにシフトしてきているので、将来的には細いタイヤがホイールに適合しなくなってしまう可能性もあるので注意しましょう。
他に自転車のスピードアップに効果があるパーツは?
これは個人的な見解ですが、スピードアップという観点だけで見た場合、ロードバイクはホイールとタイヤに尽きると思っています。
軽量化という要素を加えるなら、ハンドルやサドル、フロントフォークにシートポストなどをより軽いものにすることは可能です。
しかし、私のようなホビーライダーレベルで、それらのカスタムではスピードアップを体感することは、ほとんどなかったです。
衝撃が少なくなった、坂でわずかに漕ぐのが楽になったとは感じるので、当然無意味ではありませんが、スピードに与える影響は正直少ないです。
そのため、ロードはホイールとタイヤを交換して、なおかつまだスピードアップしたいということになれば、フレームのグレードを上げるしかないので、買い替えるしかないです。
一方、スポーツ自転車でもスピードに特化していないクロスバイクは、カスタマイズのしがいがありますね。
次項で詳しくお話しましょう。
クロスバイクのスピードアップ①
クロスバイクは単純に言うと、ロードバイクより遅く、MTBよりは速い、そんな自転車です。
そのため、スピードアップするにはロードバイク寄りにしていけば良いことになります。
となれば、先ほどの話からすると、ホイールの交換ということになりますが、クロスのホイールはロードほど優秀なものが少ないです。
ならば、ロード用のホイールに、としたいところです。
しかし、多くのクロスバイクは、ホイールがはまるフレームの幅が135mmで130mmのロードより広いので、適合させにくいのです。
中には、ロードと同じエンド幅の130mmのクロスもあるので、その車種なら問題なく交換できます。
135mm幅のフレームでも、できないことはありませんが、ハブを分解したり細かな調整も必要になるので、初めてのカスタマイズにしてはリスクが高過ぎます。
そのため、やるなら自転車屋さんにやってもらうのが賢明ですが、メーカー非推奨の改造を快く受け入れてくれるかどうか、微妙なところです。
おすすめできる手があるとすれば、オリジナルのホイールを作ってもらうことです。
「ロードバイク用のリムでエンド幅135mmのクロスバイク用のホイールを作ってください」
と自転車屋さんに依頼すれば、予算に応じてパーツも見繕ってくれた上で、ホイールを組んでくれると思います。
クロスバイクのスピードアップ②
次は、タイヤです。
クロスバイクに装備されているタイヤは、少し太めの28C以上が多いので、これをロード並みに25C・23Cにすると、スピードアップに繋がります。
タイヤは前後で1万円も出せば、結構グレードの高いものが揃えられるので、コスパ的にもおすすめです。
あとは、サドルのポジションを調整してみてください。
これはママチャリの項でもお話しましたが、クロスバイクに乗り換えてからも、足が地面にべた付け状態で自転車に乗っていませんか?
クロスバイクも、ペダルを一番下まで下げた状態でペダルをかかとに乗せて、膝が伸びきるくらいで良いです。
さらに前後の位置ですが、ハンドルとの距離の関係で前に出せば、上体が起きます。
逆に後ろに引けば、前傾姿勢になり空気抵抗を減らせるので、スピードアップには少し後ろ目に位置させると、効果的です。
基本はママチャリから
今回は自転車のスピードアップについてお話しました。
まず、ママチャリでも十分にスピードアップできることをお伝えしましたが、実はこれが一番のおすすめだったりします。
そこからスタートして、それでもスピードが欲しければ、スポーツ自転車に移行していけば良いのではないでしょうか。