自転車事故を起こしたとき警察から逃げるとどうなる!?

自転車に乗っていて、必ず考えなくてはいけないことがあります。
それは、いつ事故が起きるか分からないということです。

通い慣れた道でも、何が起きるか分かりません。
ちょっとした油断が、大事故を引き起こしてしまう可能性だってあるのです。

そんな時、警察を呼ばず、その場から逃げてしまうとどうなるのでしょうか。

自転車事故の時に、警察から逃げるとどんな不利なことが起きるのか、考えていきましょう。

意外と多い自転車事故!

自転車の事故の発生はとても多いものなっていることを知っていますでしょうか。
誰でも乗れる乗り物だからこそ気をつけなければいけません。

そこで、まずどのくらい事故が発生しているのかについてご紹介していきましょう。

警察署で計上されている事故発生の数に関して、平成27年の自転車事故の発生件数は、全国で約10万件も起きています。

平成26年が約11万人ということで年々減ってきています。
これも法律の改正や、事故防止の呼びかけなどの効果と言えるでしょう。

しかし、それでも多くの自転車事故が起きているのは変わりありません。

また、自転車事故で死亡した人も572人もいると報告されており、26年よりも32人も多くなっていることになっています。

1日に1人以上が自転車事故で亡くなっているということになります。

特に交通量の多い東京都内の、自転車事故発生数は多いです。

東京都内での自転車事故の発生件数は、約1万2,000件近くおよびます。
全都道府県の割合からして考えると、一割が東京都内というのが事故の多さを物語ってますね。

また、自転車事故によって怪我をした人や死者も多く、約1万人の負傷者数と、33名の死者数となってます。

どちらも東京都内で起きた交通事故の2割以上を占め、都内での自転車事故発生率がいかに高いかがわかる結果となっています。

都内で発生した自転車による死亡事故では、事故の発生場所として多いのが交差点で、出会い頭で事故に遭うケースが半数ほどです。
安全の不確認やスマホ運転で事故を起こすパターンも少なくありません。

また、年歳別の自転車事故の発生件数で見ると、65歳以上の高齢者が事故を起こすことが多いとの調べもあり、次に15歳以下の子供で、その次に多いのが16歳から19歳、と続いています。

自転車はどの年代にも乗れる乗り物です。
そのため、まだ世の中のことを知らない若い世代の子は、警察から逃げてしまうこともあるでしょう。

このことから、自転車による事故を起こしたとき、警察から逃げるとどうなるのか、お子さんにもしっかり教えた上で乗らせなくてはいけません。

事故の時どうする!?警察に通報する前に相手の手当てを!

自転車の事故の発生数はとても多いことがわかったことでしょう。
それでは、実際に事故を起こしてしまったらどうすればいいのかをご説明していきます。

自転車で交通事故を起こしてしまったときに、まず考えることは、何より被害者を助けることです。

被害者の様子を見て、必要なら、119番に電話して救急車を呼んでください。
そして、さらなる事故が起こることを防ぐために、安全な場所に移動します。

交通の邪魔になる自転車や、荷物なども移動させてください。

安全な場所に避難したら、警察に110番通報します。
自転車保険に入っている方は、保険会社に電話して、状況の説明をしましょう。

そして、救急車や警察が到着したら、その指示に従って行動します。

このような流れで行動することが、道路交通法で定められており、常識として、ご理解されていることだと思います。

事故を起こしたとき、被害者を残してその場からだまって逃げてしまうのは、いわゆる「ひき逃げ」とされ、罪が重くなってしまいます。

事故を起こして逃げたらいけないのは当たり前のことですね。
ほとんどの人が、実際に事故を起こす前は、「ひき逃げなんて、絶対にやらない!」と考えているはずです。

でも、実際に、ぶつかってしまった直後は、頭が真っ白になってしまい、パニックになってしまうかもしれません。

相手方に意識が無かったり、ひとけのない場所だったりすると、怖くなって一瞬逃げることを考えてしまうのではないでしょうか。

自転車事故の時に、逃げるとどうなるのか、考えていきましょう。

自転車事故で警察から逃げると逮捕されるかもしれない

警察に逮捕される、ということについて考えていきましょう。
逮捕されるとどうなるのでしょうか。

誤解されている人が多いのですが、実はこれは「刑罰」ではないのです。

逮捕というのは、最後に責任を取ってもらうまで、しばらくの間、逃げたり、証拠(しょうこ)を隠そうとするのを防ぐために、拘束されるということです。

事故を起こしたら、かならず逮捕されるわけではありません。

事故を起こしたときに定められた手順通り、被害者を助け110番し、警察や裁判所に呼ばれたらいつでも行くことを約束すれば、その真摯な姿勢が評価されます。

しかし、被害者の人を放り出して逃げ、そのせいで被害者の人が死んでしまったらどうでしょうか。
そのような幼稚で無責任な人は、逮捕して、責任について、徹底的に追求する必要があります。

その結果、悪質な行動があったと判断されれば、少年院や刑務所に行くことになるかもしれません。

わざと事故をする人はほとんどいないでしょう。
ですが、逃げることによって被害者を死なせてしまったら、それはわざとやったことになってしまいます。

責任逃れし、証拠(しょうこ)を隠そうとする人のことを、警察は厳しく追及します。

自転車の事故で警察から逃げると、かえって不利な状況に!

自転車で事故を起こしたときに逃げると、有利な事情を、主張することができなくなるかもしれません。
ほとんどの交通事故は、どちらか一方だけに過失があるわけではありません。

事故の時に、真っ先に逃げてしまうと、その状況判断ができませんが、もしかしたら、相手にも何か落ち度があったかもしれないのです。

子供の時、親には、悪いことをした以上言い訳をしてはならない、と教えられたかもしれません。
しかし、事故のときに黙っていては、全ての罪を被ることになります。

それでは、公平とは言えません。
事故を起こした人にも、自分に有利な事情を、警察や裁判所で話す権利があります。

これは一個人の考えではありません。
日本国憲法をはじめとする法律で、定められていることです。

もし、事故を起こしたとき、きちんと向き合おうとせず、すぐに逃げ出してしまったら、自分にとって有利なことを知るチャンスが、永遠に失われてしまいます。

逃げ帰って部屋で震えている間に、不公平な筋書きや一方的なストーリーができ上がっているかもしれません。
これはとても怖いことではないでしょうか。

後からでも言える、というふうに考える人もいるかもしれません。
でも、逃げた人の後からの言い分と、逃げずに向き合った人の言い分では、どちらが信じてもらえると思いますか。

もちろん、逃げなかった人に決まっています。

また、いちばん大切なのは、被害者の人を助けることということを忘れないでください。

そのことで、同時に後で自分だけに過失が無いことを主張するために必要なことを知り、それを警察や裁判所で伝えるチャンスが生まれるのです。

警察から逃げることで家族全員の生活が台無しに!

ここからは、学生の方に向けて、一番大切なことをお話しします。

事故は、当事者だけの問題ではありません。
裁判所に行って終わり、ではないのです。

その責任は時に重く、一人で背負いきれるものではありません。

被害者は、どんな被害をこうむったでしょうか。
ケガをしてしまったでしょうか、モノを壊してしまったでしょうか、亡くなってしまったでしょうか。

いずれにせよ、当事者は弁償しなければなりません。

もし被害者が亡くなってしまったら、その弁償額は、あなたのお父さん、お母さんが一生かけて稼ぐお金とだいたい同じになります。

なぜでしょうか。

答えは簡単です。

被害者の人が生きていれば、おそらく、あなたのご両親と同じくらい、お金を稼いだはずだからです。
誰かを死なせてしまったら、このような大金を、すぐに支払う責任が生じることになります。

もちろん、学生に払うことはできないと思います。
そこで、多くの場合、特に事故を起こしたのが、小学生以下の人の場合、その両親が払うことになります。

事故を起こし警察から逃げる、逃げないに関わらず、この責任は発生します。

もっとも、事故を起こした人に有利な事情があれば、この額は大きく減るかもしれません。

自転車で事故を起こす前に加入したい保険と日々の心がけ

この記事を読んでいる方の中には、保険に入っている方もいることでしょう。
最近はいろいろなニュースで保険の大切さが紹介されていますので、保険に入っている方も多いでしょう。

また、自転車の意識の高い方は保険に入っているのではないでしょうか。

このように保険に入っているから安心、と思っている方もいることでしょう。
しかし、事故の時に逃げることで、この保険が使えなくなる可能性があります。

ここのところに関しては、保険は細かい場面によって異なり、保険会社などによっても異なるため一概に全部一緒とは言えないところです。

事故だけでは、被害者は死なずにすんだのに、わざと放置して逃げたり、事故を隠そうとして、被害者が死んでしまった場合などにおいては、保険金が支払われない可能性があります。

今まで、脅かすような、怖い話ばかりしてしまいました。

ですが、このようなことを事前に知り、警察から逃げたらどうなるか肝に銘じているだけで、事故の現場でパニックになっても、間違った希望にすがることで逃げるという可能性は、少しは減るのではないかと思うのです。

残念なことですが、日本で、交通事故は毎日のように起こっているのが現状です。

一部の悪質な犯罪を除いて、交通事故は、日常生活の中で普通の人が、普通に起こしてしまうことなのかもしれません。

自転車で事故を起こす責任は重い、それは変わりません。
でも、逃げてしまうと、卑怯者とみなされ、状況は悪化します。

事故を起こして相手を傷つけてしまったら、取り返しはつきません。
しかし、正しく行動することには、意味があります。

人の本当の価値は、間違いを犯したとき、どう行動するかで決まるものです。

自転車事故を起こしてしまったら逃げずに適切な行動を

自転車で事故を起こしてしまったとき、適切な対処をせずに逃げるとどんな怖いことが起きるのか、分かっていただけたでしょうか?

逮捕され、辛い尋問で責められるかもしれませんし、相手が死亡してしまったり、悪質と判断された場合は、少年院や警察に入ることになるかもしれません。

また、事故の現場において、自分にとって有利になる情報を得られないと、後々不利になります。

そうした場合、事故の賠償額も高額になり、支払い能力のない子供の場合、家族に大きな負担をかけることになります。

普段から、このようなことについて考える時間を持ち、危機意識を高めておくことが大切ですね。