自転車にキズ?!外装塗装をセルフメンテナンスしてみよう!

自転車に乗っていると、ちょっとしたことでフレームの外装塗装にキズを作ってしまいます。

自分で作ったならまだしも、知らないうちに出来たキズを発見した時のショックは測り知れません。

まして、購入して間もない時のキズは、立ち直るのに時間もかかります。

今回は、ちょっとした外装塗装の剥がれやキズを直す、簡単なセルフメンテナンスの方法をご紹介します。

自転車の外装塗装のキズは日常茶飯事!

自転車に乗っていると、キズは付きものです。
ですが、キズによっては放置していいものと、そうでないものがあります。

まず、放置していいキズというのは、自転車の外装塗装の表面だけのキズです。

チェーンが当たってしまったり、メンテナンス中に工具があたってしまったりと理由は様々あります。

表面を擦るようなキズは、自転車に乗っていると日常茶飯事です。

最初のキズこそショックですが、少し輝きが失われただけで、回数を重ねると、そのキズさえ思い出となります。

ですが、キズによっては、放置すると、自転車の性能に影響を及ぼすものもあるので注意が必要です。
自転車の素材にもよりますが、キズが深いと、錆の原因につながります。

また、カーボンだと、そこから内部に水分が漏れ、破損ということにもなりかねません。

キズを作る度に、自転車屋さんに持ち込んで外装塗装のメンテナンスをしてもらうのもいいでしょう。

しかし、そんなことをしていたら、どんどんお金が消えて行ってしまいます。
ですので、自転車のメンテナンスと同じように、キズの修理を自分で行う方法をご紹介します。

アルミ素材の自転車の外装塗装の修理方法

手軽な方法から順にご紹介します。

まず、表面だけの外装塗装の擦りキズには、ラッカー薄め液がおすすめです。
清潔なウエス(布)に、この薄め液を染み込ませて、キズを拭くだけでいい、お手軽な修理方法です。

表面だけの薄いキズだと、これだけで綺麗さっぱり消えます。

人気商品はプラモデル用の「Mr,カラーうすめ液(小)」です。
自転車のフレーム面積はそんなに広くないので、プラモデル用がちょうどいい量です。

次にご紹介するのは、同じく拭く方法で、車用の擦りキズ消しの「液体コンパウンド」をご紹介します。

まず、最初に修理したい箇所をよく洗いましょう。
洗う目的は、脱脂することと、余分な汚れを落とすことです。

ここで使う洗剤は、自転車専用の洗浄液でなくても、家庭用の中性洗剤で充分です。

よく洗い終えたら、液体コンパウンドをスポンジにつけてキズをこすります。

他にも、歯磨き粉をコンパウンド変わりにしてキズを擦る方法もありますが、いずれも比較的手軽な修理方法です。

次に、深いキズの修理方法についてご紹介します。

一番手軽な修理方法は、車用のタッチアップペイントを使用することです。
修理したい箇所と同じ色のタッチアップペイントを選ぶという難しさはありますが、方法はいたって簡単です。

まず、修理箇所をよく洗います。
その後キズを埋めるように、タッチアップペイントの塗料を塗り込みます。

ここで、最大のポイントは、「付属の筆で塗らない」ことです。

そもそも、車用のため、自転車に使うと塗料が盛り上がってしまう恐れがあります。
ここは面倒でも、小さな筆を100円均一で準備しましょう。

なければ、つまようじでも構いません。

コツは、タッチアップペイントの塗料で、少しづつ埋めていくように塗ることです。
この方法だと初心者でも失敗が少なくなります。

また、キズに瞬間接着剤を塗り込み埋めて、コンパウンドや、やすりを使って平らにするという方法もあります。

これは、見た目ではなく、あくまでも自転車の性能が失われないように、錆止めとしての方法と言えるでしょう。

カーボン素材の自転車の外装塗装の修理方法

カーボンというだけで、なんとなく扱いが神経質になってしまいます。

下手にいじると、カーボンを保護している塗料を剥がしてしまうので、キズを広げてしまうとか、巷では様々な噂が飛び交っています。

でも実は、そんなに神経質になる必要はありません。

性能に問題がないという前提で、表面だけのキズだった場合の、外装塗装の修理方法をご紹介します。

見た目もそうですが、キズから内部に水分が入らないようにすることが最大の目的です。

最初に、エポキシ樹脂やエポキシ系の接着剤でキズを埋めて、サンドペーパーで平らにしてから塗る方法が一般的です。

エポキシ樹脂を塗ることで、キズからの湿気をシャットアウトすることが出来るのと、その上から塗る塗料が有機溶剤でもカーボンをキズつけません。

また、カーボンの場合、外装塗装のキズよりも、「内部にクラックが入っていないか?」という心配の方が大きいです。

自転車屋さんによっては、超音波で調べてくれる所もあるようですが、ご自身でも簡単に調べることが出来るのでご紹介します。

調べたい箇所をコインで叩いて、音を聞き分ける方法です。

クラックが入っている箇所は、鈍い音がします。

例えば、アルミフレームの自転車でも、フロントフォークだけはカーボンが使われていることも多いですよね。
その場合、左右のフロントフォークをコインで叩いて音を聞いてみましょう。

もし、鈍い音がしたら、クラックの恐れがあるので自転車屋さんに相談しましょう。

フロントフォークだけでなく、フレームでも、数ヶ所コインで叩いて、少しでも違和感を感じるようなら、自転車屋さんでみてもらうことをおすすめします。

少しのクラックも補修することで難を逃れることもあります。
逆に、見過ごしてしまったことで、大きな亀裂に発展し、最悪な事態になることも考えられます。

そういった点で、カーボンのキズについては、慎重にケアする必要があると言えるでしょう。

ドイツの万能な塗装のキズ修理キットがすごい

自転車のキズを修理するのに便利なキットはないのでしょうか。

自動車先進国ドイツで車のキズ修理に使われているキットは、自転車の修理にも使えて便利なので、ここではそれをご紹介します。

その名も「クイックス(Quixx)」です。

周囲の塗装とキズをなじませて磨くだけという手軽さです。
塗装が広がり、キズを埋めてくれます。

手軽さだけでなく、最大の人気は、色を気にしなくてもよいというところです。

自転車のキズの修理に車の塗料を使用する場合は、一般的に、自身でよく似た色の塗料を探してきて試すしかありません。

ですが、このクイックスだと、自転車にもともと付着している塗料を広げるので、色選びの手間が省けます。

また、素材もアルミ、カーボン、ブラスチックと様々に使用出来るので、自転車の外装塗装だけでなく、ヘルメットやホイールにも使用可能です。

お値段は2,780円ですが、他の様々な準備や手間を考えると、候補にあげても良いのではないでしょうか。

表面保護シートの活用でキズを未然に防ごう!

転倒などの突然のアクシデントは仕方ないですが、普段何気ない時に出来るキズを未然に防ぐ為に、自転車の外装塗装の表面に保護シートを貼っておく方法があります。

例えば、ワイヤーがあたるヘッドステーや、チェーンがあたるチェーンステーに貼っておくといいでしょう。

また、ローラー台を使用する人なら、リアエンドやリアディレイラーにも貼っておくのがおすすめです。
また、トップチューブのロゴなどは、いつまでも綺麗なままで乗りたいですよね。

フレームプロテクターという、自転車専用の保護シートを使用する方法と、3M(スリーエム)の表面保護用テープなどを使用するがあります。

厚みはメーカーによって違いますが、いずれも粘着力が弱い為、剥がした時に自転車にテープ後を残しません。

また、サイコンセンサーをフロントフォークに取り付ける際にも、テープを貼っておくといいでしょう。
カーボン素材の場合、凹む場合があるので、それを未然に防ぐ効果もあります。

自転車の外装塗装をセルフレストアで一新

もし、自転車の外装塗装を一新したい!と思ったら、自分で行うことも可能です。
もちろん、一度始めると後戻り出来ないので、根気と時間が必要ですが、その分愛着も増します。

順序は、

①自転車の分解
②洗浄
③今の塗装を剥がす
④下地処理
⑤塗装

です。

とても簡単そうに説明していますが、なかなか一筋縄ではいかない作業となります。

自転車の分解は、余計な所に塗料が付かないようにするためです。

もちろん、養生テープに頼るという方法もありますが、作業のしやすさを考えると、分解してフレームだけにする方が手間が省けます。

洗浄は、もし錆があれば、そこから錆が広がる場合がありますし、もし油汚れが残っていたら、色むらにもなるでしょう。

きちんと脱脂して汚れを落としておくことが大切です。

塗装を剥がすときは、塗装剥がし専用の液を付けて剥がします。
ここもなかなか大変な作業ですが、ここまでくると、いよいよ後戻りは出来なくなります。

塗装を剥がし終えたら、サンドペーパーで研ぎます。

この時、サンダーがあると一気に時間は短縮されますが、「染めQミッチャクロン」というスプレーを使うと、ペーパーする手間を1つ減らすことが可能です。

ここまでが下地処理になり、あとは楽しい塗りの時間です。
自分の思うデザインに仕上げて下さい。

世界に1つだけの、自分の自転車を完成させましょう。

自転車のキズは、かけがえのない歴史!

自転車に乗っていると、外装塗装の剥がれは日常茶飯事です。

いつまでもピカピカの自転車に乗り続けるのは困難ですが、キズを未然に防ぐ措置やセルフメンテナンスをすれば、キズを最小限にすることは可能です。

メンテナンスを心掛け、愛着を持って長く乗り続ければ、1つ1つのキズも、自転車とあなたの歴史となるでしょう。