近年、自転車は様々な種類が販売され、それぞれのニーズに合った乗り方がされています。
その中でもピストバイクはトラック競技のみならず、街乗り用としても幅広く普及してきています。
変速機が無くシンプルな構造のピストバイクですが、クランクやその他のパーツを自分で交換出来ればいいな、と思っている方もいるのではないでしょうか。
今回は、ピストバイクにクランク等のパーツを取り付ける方法をご紹介していきます。
ピストバイクのクランクにはどのような種類があるのだろう?
今回、ピストバイクのクランクをはじめとしたパーツの取り付け方のご紹介をしていくにあたって、まずはクランクの種類をご紹介していきます。
クランクの見た目的な形に関しての種類はありませんが、クランクを取り付ける部分であるBB(ボトムブラケット)の種類の違いにより、クランクが変わってきます。
ピストバイクは昔から変わらず、四角テーパー型が主流です。
ママチャリと呼ばれる一般車にも使用されているタイプです。
そして、もう一つが、オクタリンクと呼ばれるタイプになります。
このオクタリンクというBBは、シマノ社がリリースしている規格で、過去にはロードバイク向けのラインナップもありました。
現在はロードバイク向けはホローテック2という規格に変わっていますが、トラック用はオクタリンクのままです。
また、クランクのギア板の取り付け部分のサイズは、PCDと呼ばれています。
PCDとは、クランクとギア板を固定するボルト穴の中心を結んで出来る円の直径のことです。
このPCDが小さいほど、ギア歯数を少なく出来ます。
ロードバイクのコンパクトドライブはPCD110などと、小さくなっているわけです。
このPCDがクランクとギア板が合わないと、ぴったり合わずに取り付けられません。
今まではPCDが144mmのサイズが一般的でしたが、近年は130mmサイズのラインナップも増えています。
その理由は、街乗りピストバイクが増えてきているためです。
街乗り用に、より軽いギアを取り付ける為に130mmが増えていているのです。
さて、次からはピストバイクのクランクの取り付け方を見ていきましょう。
ピストバイクのクランクを取り付けるための必要工具
ピストバイクのクランクを取付けるBBの種類や、ギア板の取り付け部分のサイズが様々だということが分かって頂けたでしょうか。
では、具体的な、クランク取付け方法について見ていきましょう。
ピストバイクのクランクを取り付けるにあたり、もちろん工具が必要になってきます。
今回は未だピストバイクではメジャーな四角テーパー型BB用のクランクについて見ていきます。
まずは必要な工具をご紹介していきましょう。
・15mmソケットレンチ
・コッタレスクランク工具
・モンキーレンチ
・アーレンキーセット
・グリス
こちらの工具があれば、クランクのみであれば取り付け、取り外しが可能になります。
クランクの他にBBを取り外ししたい場合は、以下の工具も用意してください。
・17mmハブスパナ
・フックスパナ(自転車用)
以上の工具があればクランク周りの取り付け、取り外しが出来ます。
次に上記の工具を使用してクランクの着脱をしてみましょう。
ピストバイクのクランクを取り付けよう!手順編
さて、上記の工具を使用して、まずはピストバイクのクランクを取り付けてみましょう。
まず、BBのクランク取り付け部分にクランクを差し込みます。
差し込んだ後、フィキシングボルトを穴の中心にねじ込みます。
締め付けは、15mmソケットレンチで行います。
ここは良く締め込んでおく事が重要となります。
ボルトが緩むとクランクの装着部の穴が拡がり、修正不能になってしまいますので、きちんと取り付けましょう。
この作業を左右のクランク共通で行っていきます。
取り付けの際に、四角テーパーの部分と、フィキシングボルトにグリスを塗る事をお勧めします。
理由としては、錆や摩耗を極力防ぐ為です。
取り付けは以上で終了です。
四角テーパー型のクランクは、思った以上に簡単に取り付けられます。
次は、取り外し方をご紹介していきましょう。
ピストバイクのクランクを取り付けよう!外し方編
先程、ピストバイクのクランクの取り付け方をご紹介しましたが、次は取り外し方をご紹介していきます。
まず、15mmのフィキシングボルトを外します。
フィキシングボルトを外す際、ボルトが薄いために工具の掛かりが甘くなりがちです。
ネジを痛めて(なめて)駄目にしないように注意して外しましょう。
フィキシングボルトを外したら、そこにコッタレスクランク工具をねじ込みます。
ねじ込んだら、モンキーレンチでコッタレスクランク工具の真ん中の軸を締め込むと、押し出されるように外れる感覚があり、徐々にクランクが外れてきます。
この作業は左右どちらのクランクを外す際も一緒になります。
クランクの取り外しは以上で完了です。
ご覧の通り、クランク自体の着脱はそこまで難易度の高い作業ではないのです。
次はクランク以外のパーツも取り付けてみましょう。
クランク以外のパーツも取り付けよう!ハンドル編
さて、ここまではピストバイクのクランクの取り付けをご紹介してきましたが、次にハンドル周りも取り付けてみましょう。
ハンドル周りを取り付ける際に必要な工具は、アーレンキーセットがあれば取り付けが可能です。
ピストバイクはハンドルと、それを支えるステムのみの簡単な構造となっています。
また、ピストバイクの場合、ブレーキは後付けとなる為、ブレーキのことは割愛させて頂きます。
まず、ステムとハンドルを一対にします。
ステムのハンドルを入れる部分のネジを緩めて、ハンドルを入れていきます。
ハンドルを入れたら、好きな角度でネジを締め込みます。
このネジは、フレームにステムとハンドルを装着してからの方が、きちんと締めやすいので仮止めでいいでしょう。
この作業が終わったら、ステムをフレームに差し込みます。
その際、ステムにグリスを塗っておきましょう。
フレームに差し込んだら、好みの高さでステムのハンドル側とは別のネジを締めていきます。
締めていくと固定されるので、最後まできちんと締めていき、締め切ったらハンドルの角度もここで固定しましょう。
以上でハンドルの取り付けは終了です。
クランク以外のパーツも取り付けよう!ギア編
さあ、次はピストバイクのギアを取り付けてみましょう。
ギアは、クランクに取り付けるフロントギアと、ホイールに取り付けるリアギアの二つです。
必要な工具は、アーレンキーセットとロックリング外し、スプロケット外しです。
まず、フロントのギアを取り付けましょう。
フロントは、右クランクの星形アームの穴にギアの取り付け穴を合わせてネジで固定します。
ネジは、雄ネジが表面、雌ネジが裏面で使用します。
まず、アームの穴5点を仮止めし、対角線上に締め込んでいきます。
その時、なるべく5点を均等に締め込み仕上げます。
1点ずつ締めすぎると折れたりしてしまうので、均等に対角線上が基本です。
次はリアのギアを取り付けましょう。
まず、ギアをリアホイールのハブにねじ込みます。
ある程度締まったら、スプロケット外しのチェーンでギアを巻き付けて、さらに締め込みます。
完了したら、ロックリングをギアの上からねじ込みます。
手でねじ込み、最後にロックリング外しを引っ掛けて締めて完了です。
クランクやハンドル、ギアに至るまで、ピストバイクは非常にシンプルな構造で、案外簡単にパーツの交換が出来てしまうのです。
ピストバイクに自分好みのクランクやパーツを取り付けてみよう!!
今回はピストバイクのクランクやハンドル、ギアの取り付けをご紹介しました。
ピストバイクは非常にシンプルな構造になっており、慣れてしまえば思った以上に簡単にパーツ交換が出来るのです。
現在、自転車ブームにより、様々なパーツがラインナップされてきています。
自分自身でパーツを交換する事が出来れば、さらに愛着が湧く事でしょう。
あなたのオリジナルでかっこ良くピストバイクに乗ってみてください。