クロスバイクを購入して、そろそろどこかいじってみたいな、と考えている方におすすめなのがシートポストの交換です。
シートポストの交換は大げさな工具も不要で、比較的低コストでトライできるのがポイントです。
今回の記事では交換の手順やクロスバイクにおすすめのシートポストやサドル、そして交換にあわせてきちんと調整しておきたい乗車ポジションの合わせ方についてもご紹介していきます。
ちょっと手を加えるだけで、また新たな気分で愛車に接することができるようになるので、ぜひトライしてみてください。
クロスバイクのシートポスト交換は簡単
クロスバイクを購入した当初は満足して乗っていても、しばらく経つとちょっと気になる部分もいろいろと出てくるものです。
そんな時に自分で改造してみようかな、と思うものですが、どこから手をつけてみようか、という方も多いのではないでしょうか?
そんな方におすすめなのが、シートポスト及びサドルの交換です。
シートポストはシートピラーとも呼ばれ、フレームから伸びているサドルを支える棒状のパーツです。
市販されているクロスバイクではシートポストやサドル周りの部品には正直、それほどコストがかけられていないことが多いものです。
シートポストとサドルを交換すると見た目が変わるだけではなく、ポジションやお尻の痛みの軽減、軽量化にもつながります。
さらにシートポストとサドルは自転車に乗っている間は、常に体重を預ける大事なパーツです。
このため、交換による効果を実感しやすいのも、初めに手を付けるのにはおすすめする上で重要な点です。
パーツの価格もリーズナブルで、また、特別な工具が不要なので、今まで工具をほとんど触ったことがないような方であっても大丈夫です。
シートポストとサドルを外す
では、まずシートポストをフレームから外してみましょう。
クロスバイクの場合、シートポストの調整は、ママチャリにようにレバーを起こしてぐるぐる回して緩める方式でない場合が多いです。
シートポストの固定方法には大きく分けて2種類です。
クリックリリース式の場合は、レバーを起こせば工具なしで緩めることができるので、そのまま引き抜くことができます。
六角ねじで固定されている場合は、上下2ヶ所のねじを六角レンチを使って緩めることで、シートポストを抜くことができます。
ただし、古い自転車などで錆などによりシートポストが固着して動かなくなっている場合は要注意です。
CRC556などの潤滑剤を隙間から流し込むことで緩められればラッキーですが、自転車専門店でなければ修理が難しい場合が多いので、すぐに持ち込んで修理を依頼した方が無難です。
こういった固着を防止するためにも、時々ポジションの微調整をしたついでにシートポストを動かしておくとよいでしょう。
シートポストをフレームから抜いたら、次はサドルも交換しましょう。
サドルの場合、固定方法は六角ねじ1本締めと、ボルトが前後に付けられた2本締めの2種類です。
1本締めは6mm、2本締めは5mmか4mmの六角ねじが使われていますが、いずれも六角レンチを使って外すだけの簡単な作業になります。
シートポストとサドルを交換
クロスバイクのシートポストとサドルを新しいものに交換する作業は、取り外す時の反対の手順を踏んでいくことになります。
違っているのは、取り付ける場合、乗車ポジションを確認して調整していく必要がある点です。
最も注意しなければならないのは最初からきつくねじを締めすぎないことです。
サドルは前後にスライドすることができるので、今までちょっとハンドル遠いと感じていた場合はサドルを少し前に出してみましょう。
逆にハンドルが近すぎて背中が丸まってしまっていた場合には、少し後ろにズラすことで調整が可能です。
こうして座った時のお尻の当たる位置を調整できるのですが、サドルの角度自体も変えられます。
サドルはもちろん水平にするのが基本です。
六角ねじの締め方によってはサドルが微妙に前下がりになってしまうことがあるので、きちんと水平になるように横から確認しながら調整しましょう。
クロスバイクでカーボン製シートポストへの交換はあり?
ロードバイクで軽量性を追及するのであれば、シートポストはカーボン製が一番と
言われているので、交換したいと考えている方も多いのではないでしょうか?
カーボンとは、正式には「炭素繊維強化プラスチック」と言い、炭素繊維を織物のように薄い布のような形状にして、樹脂などで固めたものです。
かつては有名なブランドのものしかなく、しかも高価な製品ばかりでしたが、現在はノンブランドのものであれば比較的リーズナブルな価格で購入できるようになってきました。
他のパーツに比べれば、シートポストは棒状でカーボンでも加工しやすい形状なので、低コストで製造できるのでしょう。
クロスバイクに標準で装備されているシートポストの重量は300g程度ですが、カーボン製品であれば200g前半で収まります。
カーボンは非常に強い素材ですが、一部分に力が集中してしまうと破断することもあるので慎重に行う必要があります。
実際に締め付ける際は、トルクレンチを使って指定されたトルクで締め付けなければならないので、自転車専門店に依頼することになります。
もちろんレースなどに使うのであれば、カーボンは魅力的な素材ですが、日常使いの多いクロスバイクに装着してもメリットはあまりないので、取り扱いが容易なアルミ素材のシートポストの方がおすすめです。
また、サドルにもカーボン製のものがありますが、硬めでこちらも非常に乗り手を選ぶのと、なにより高価です。
そして、シートポストと違ってサドルはまず、形状が自分にあったものかどうかが最優先です。
このため、「高価だから」「デザインが気に入ったから」、という理由で選ぶことは避けた方が良いでしょう。
それ以外で注目したいのは、シートポストと固定するレール部分です。
レール部分の素材での主流はクロモリ、チタン、カーボンですが、この3つであればコストパフォーマンスに優れるクロモリ製がおすすめです。
レールの中が中空になっているものであれば、十分軽く仕上がっています。
クロスバイクに多いサスペンション付きシートポストのデメリットは
市販されているクロスバイクには、サスペンションのついたシートポストが装着されていることがあります。
腰の痛みに悩まされている方の中には、サスペンション付きシートポストに交換したいと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
確かに地面からの突き上げをサスペンションが緩和してくれる働きがあるので、ふんわりとした乗り心地になります。
そう聞くとよさそうな気がしてきますが、実はスポーツ用の自転車としてはあまりおすすめできません。
サドルに座ってペダルをこぐ際、サスペンションが動くことによって、本来ペダルにかかるべき力が吸収されて逃げてしまうからです。
また、サスペンションを装備することで、構造が複雑化して重量も増えるのもマイナスポイントです。
一番大事なのはポジション
よく街中でクロスバイクに乗っている方を見かけて一番残念だな、と思うのはサドルの位置が低いことです。
どうしてもママチャリのくせが抜けないのか、サドルにどっかり腰をおろして乗っている方はまだまだ多いです。
ママチャリはシートポスト自体が短めのものが多いため、どうしてもそういったポジションになってしまいがちなのですが、これではクロスバイクの性能を引き出すことはできないのです。
サドルを合わせる時にまたがった状態で足がべったりつくような位置に合わせていることが原因ですが、これではペダルにうまく力を伝えることができません。
サドルにまたがった状態でつま先が着くか着かないかぐらいがちょうど良い位置なので、シートポストを交換した際には合わせて調整しておきましょう。
「そんなにサドルの位置を高くして信号待ちの時はどうするの」と言われるかもしれませんが、答えは簡単です。
止まる寸前に腰をサドルからおろして、ちょうどフレームにまたがるようにすれば良いのです。
最初はちょっと慣れが必要ですが、すぐに気にならなくなるはずです。
サドルを高い位置にして、ひとこぎしてみれば、すぐにスピードアップの効果を実感できるでしょう。
お手軽改造は愛着への第一歩
シートポストとサドルの交換はほんとうにお手軽にできる改造です。
簡単でコストもそれほどかからず、その割に見た目にも交換したことがわかりやすいので、自分のクロスバイクにちょっと飽きてきたかな、という方には改造の手始めとしてぜひトライしてもらいたいです。
ちょっと手を加えるだけで今までよりも自分の自転車に愛着が持てるようになりますよ。