日本人にとって、自転車という乗り物は非常に便利であり、老若男女、多くの方に乗られている乗り物です。
その自転車の中でも軽快車、いわゆるママチャリと呼ばれている自転車は特に需要があるのは明確です。
最近では1万円もしない安価なママチャリも増えており、全て自分で整備して乗るという方は少ないでしょう。
安価という部分で、手軽さ故に整備に関しては重要に思われていないのも事実なのです。
そんなママチャリを自分で修理してみてはいかがでしょうか。
今回はクランク周り、BBというパーツを中心に紐解いていきましょう。
ママチャリに付いているBBって?修理の前にBBを知ろう!
さて、皆さんはBBというパーツをご存知でしょうか?
ロードバイクやマウンテンバイク等のスポーツ系自転車に乗っている方なら、どういう物かご存知だと思います。
しかし、ママチャリにしか乗らないという方には、馴染みがない言葉だと思います。
では、BBとはどんな部品なのか、ご紹介していきます。
BBという部品は、正式名称は「ボトムブラケット」というパーツで、BBと略されて呼ばれる事が多いです。
自転車のフレーム下部にあり、左右のクランクを回転させる際の軸、及びベアリングの部分の部品の総称がボトムブラケットとなります。
BBといっても作りによって数種類あり、カップアンドコーン式、カートリッジ式、ホローテック2など形が様々あるのです。
その中でも軽快車、いわゆるママチャリや1990年ぐらいに販売されていたスポーツ車等には、カップアンドコーン式と呼ばれるBBが装着されている事が多いです。
カップアンドコーン式BBの特徴としては、クランクを取り付けるためのシャフト、ベアリング、フレームにそれらを固定するための「ワン」と呼ばれるカップのようなパーツが、すべて個々の部品になっている点です。
その部品を一対にして、「玉あたり調整」というベアリングを滑らかに回転させるための締め付けの調整をBBがおこないます。
これだけ聞いてみると、少々複雑な感じがするかと思います。
果たして、修理は簡単に出来るのでしょうか。
次はこのカップアンドコーンBBに着目して、取り外し方等をご紹介していきましょう。
ママチャリ御用達のカップアンドコーンBBを取り外してみよう!工具編
さて、BBを修理等で取り外すにあたって、当然の事ですが工具が必要となってきます。
ここで、カップアンドコーンBBを外すために必要な工具を挙げていきます。
・14mmソケットレンチ
・17mmハブスパナ
・モンキーレンチ
・コッタレスクランク工具
・フックスパナ(自転車用が販売されています。)
カップアンドコーンBBを外すための工具は、以上です。
ママチャリ等の軽快車は、BBやクランクを外す機会が少ないパターンがほとんどなので、潤滑剤のスプレーやスプレータイプのパーツクリーナー、グリスもあると良いでしょう。
購入に関しては、一般車を扱う大型自転車ショップや、今は通信販売でもこれらの工具は簡単に手に入ります。
それと平行して、BBを外す以外の自転車整備に必須な工具もご紹介します。
・アーレンキーセット(六角レンチ)
・プラス、マイナスドライバー各種
・ワイヤーカッター
・10mmレンチ
以上があれば、ある程度の自転車整備が可能になります。
注意点とすれば、100円均一などの安価な工具は精度が低い場合が多いので、注意が必要です。
ママチャリ御用達のカップアンドコーンBBを取り外してみよう!手順と交換修理編
さて工具を揃えたら、いよいよ修理の行程、ママチャリのBBを外す作業をご紹介していきます。
まずBBを外すためには、BBに付いているクランクを外す必要があります。
クランク軸に付いているナットを、14mmソケットレンチで外します。
次にコッタレスクランク工具を、ナットを外した場所にねじ込みます。
ねじ込んだら、モンキーレンチでコッタレスクランク工具の真ん中の軸を締め込むと、徐々にクランクが外れてきます。
この要領でクランクを外したら、次はいよいよBBを外していきます。
BBはまず右側と左側に分かれています。
右足でペダルを踏む方を「右ワン」その逆を「左ワン」と呼びます。
左右のワンのロックリングを、フックスパナで外します。
外したら左ワンの出張りをモンキーレンチで挟み外していきます。
これがカップアンドコーンのカップ部分です。
カップを外すと中からベアリングが出てきて、さらにシャフトを引き抜くと一緒に右側のベアリングも出てきます。
これがペダルを回転させるための心臓部になります。
このベアリングが割れている場合はもう使えません。
ベアリングが割れている場合は、基本的にワンとベアリングのセットが販売されているので交換になります。
ベアリングが壊れるほど乗っているという事であれば、シャフトも摩耗している可能性が大きいのでついでに交換することをオススメします。
交換する場合は、シャフトに刻印されている規格に合わせて購入しましょう。
また、ベアリングが割れていない場合は、パーツクリーナー等で掃除したあとグリスを塗ります。
塗った後にBBを戻していきます。
これが一連の流れになります。
さて次はBB以外の部分も整備してみましょう。
ママチャリをBB以外も簡単な整備や交換修理をしてみよう!ステム編
BBの次は、ママチャリのフロントにあるステムの簡単な整備、及び交換修理をしてみましょう。
まず、ステムという部分ですが、簡単にご説明するとハンドルをくわえているパーツを「ステム」と呼びます。
ママチャリに付いている大体のステムは、ノーマルステムというステムが付いています。
古典的な仕組みの「ノーマルステム」には様々な呼び方があり、ステアリングコラムにネジ溝(スレッド)が切ってあるので、「スレッドヘッド」とも呼ばれます。
本体とウスと呼ばれる下部にある部品、それを引き上げるための引き上げボルトの3点で出来ています。
ステムは基本的にハンドルの中心を決めたら、引き上げボルトを締めていき、ステムを固定します。
ボルトを締めていくことで、ウスが上がりフレームに固定されていく仕組みです。
新品に交換する場合は、ステムを引き抜く前にハンドルについているブレーキやグリップを外します。
その後にハンドルも外し、ステムのみになったらボルトを緩めて引き抜きます。
また、使っている物の整備としては、ステムを外した後にまずきれいに拭き上げをします。
錆ついている場合が多いので、フレームに挿入する部分をグリスアップしてあげましょう。
後はハンドル固定側のネジ、引き上げボルトの両方をきちんと締めれば終了です。
簡単な整備ですが、ハンドルが緩んでいていきなり下がってしまったりしたら大事故になってしまいますので、非常に重要な作業です。
しっかり整備を行い、安全に乗りましょう。
次は前後のブレーキの調整についてお話しします。
ママチャリをBB以外も整備や修理をしてみよう!ブレーキ周り編
次にブレーキ周りですが、ママチャリのブレーキの整備も非常に重要な作業です。
ブレーキに関しての交換修理は、自転車屋さんに交換してもらう事をオススメします。
しかし、ワイヤーの調整であれば、自分で簡単に出来ますので行ってみるのも良いでしょう。
まず、前輪のブレーキの調整をご紹介します。
前輪のブレーキは「シュー」と呼ばれるゴムでホイールを挟んで減速する物が多いのですが、ワイヤーが緩むとブレーキの握り具合が緩くなります。
そのワイヤーを固定しているネジを緩めてワイヤーを下に引っ張ります。
シューとホイールの感覚が2mmの隙間がちょうど良いと言われています。
その間隔までワイヤーを引いて、またワイヤー固定ネジを締めれば前ブレーキの調整は完了です。
次はリアブレーキの調整をご紹介します。
リアブレーキもフロントと同じくワイヤーの固定ネジを緩めて、ワイヤーを引っ張ります。
ワイヤーの引き代はハンドルとブレーキレバーの間隔が1/2から1/3が目安です。
間隔を合わせたら、ワイヤー取り付けネジをしっかり締めたら完了です。
BBよりも簡単に整備が出来ますが、ブレーキが効かないという事がないようにきちんと整備しておきましょう。
ママチャリのBBの故障の原因と危険性
さて、ここまでママチャリのBBや他の部分の整備や交換修理についてご紹介してきましたが、なぜ不具合や故障が起きてしまうのでしょうか。
多くは「錆からくる摩耗」や、「定期的な整備が行われていない場合」が多くを占めています。
近年、ママチャリなどの軽快車と呼ばれる自転車の価格が安価になり、壊れたら買えばいいという風潮が多くなっており、整備不足に繋がっているケースが多いのです。
自転車は金属を主に使用しており、潤滑剤やグリスを定期的に塗らないと当然錆びてきます。
錆びるという事は、パーツがどんどん劣化していくという事なのです。
チェーンが錆付いていて、自転車をこぐ度に「キュルキュル」と音がしている自転車を見かける事があると思いますが、それも一つの整備不良です。
BBが自転車に乗っているときに故障すると、クランクが空転してしまい、足を踏み外す危険があります。
しかし、定期的にBBを取り外しグリスアップをすることで、壊れているかの確認も出来、長持ちさせる事も出来ます。
面倒に思われがちな整備ですが、きちんと整備や修理する事により買い直すより安上がりになりますし、安全面にも繋がります。
今日からママチャリのBBやその他パーツの整備してみよう!!
先程もご説明しましたが、ママチャリをはじめとした自転車は非常に便利な乗り物です。
しかし、整備や修理を怠ってしまうと自分自身の安全面や、周りの人を巻き込む事故に繋がったりしてしまうという事を理解する事が大切です。
今回はBBやブレーキ等の整備や修理交換をご紹介しましたが、自分自身で整備をしてみると更にママチャリに愛着が湧くのではないでしょうか。
しっかりと自転車を整備して、安全で快適な自転車生活を送りましょう。