ロードバイクのクリンチャータイヤで、タイヤを外して、再度はめることって結構ありますよね?
パンク修理するときと、タイヤを交換するときです。
その時、最後の15センチぐらいの所から、どうしてもタイヤビードが上がらない状態になって困ることがあります。
タイヤのビードはタイヤの両側の淵についている固い縁状のものです。
今回は、タイヤ交換するときの方法で、順を追ってその工程と解消法を解説します。
タイヤを外す時ビードは指では上がらない!タイヤレバーを使おう!
まず、タイヤ交換の工程を簡単にご説明します。
①準備
②タイヤの空気を抜く
③古いタイヤの片側のビードをホイールのリムから外す
④中のチューブを外す
⑤もう片方のビードをリムから外す
⑥ホイールの中を点検する
⑦新しいタイヤの片側のビードをリムにはめる
⑧新しいチューブに少し空気を入れる
⑨タイヤにチューブをセットする
⑩片側のビードをリムにはめる
⑪ちゃんとはまっているか点検する
⑫空気を入れる
という工程になります。
それでは、この工程を詳しくご説明していきます。
では、「①準備」です。
ここでは道具を準備します。
・新しいタイヤ
・新しいチューブ
・念のための新しいリムテープ〈傷んでいたら交換〉
・タイヤレバー
・マイナスドライバー
・フロアーポンプ
上記のも道具を用意します。
次に「②タイヤの空気を抜く」の工程です。
まず最初にチューブのバルブを、緩めて中の空気を抜きます。
その時バルブをホイールに固定するナットがあるので、ついでにナットを外してください。
空気を抜いたら次に「③古いタイヤの片側のビードをホイールのリムから外す」工程です。
片側のビードを外しますが、手ではタイヤビードは上がらないので、タイヤレバーを使います。
バルブ位置の反対側のスポークがある付近に、タイヤサイドを親指で押しながら、リムの底を露出させてビードとリムの底との間にレバーの先を挿し込みます。
この時チューブを一緒に噛み込まないように注意しながらビードだけをすくうようにしてください。
これを怠るとチューブに穴が開いて使えなくなります。
入れたレバーをリムの外側に向かって、リムの淵を支点にして起こしていき、ビードをリムの外側に出します。
そのレバーは抜かないで、スポークにレバーの切り込みをかませて固定します。
レバーをもう一つ使って、固定したレバーの右か左のどちらかに、同じくタイヤサイドを押して、チューブをかませないようにして挿し込み同じ要領でリムを支点にして起こします。
そのレバーは抜かないで、そのままリムの外側をビードに噛ませたままスライドさせてビードを外していきましょう。
外れる範囲が広がれば固定していたレバーが勝手に外れます。
片側が完全に外れるまで続けましょう。
片側のビードが外れたら、「④中のチューブを外す」の工程です。
中のチューブをバルブの反対側から外していきます。
そして、バルブ穴からバルブを抜きます。
もう一方のビードは上がらないので外側の下に下げて外す
ここで片側のビートが外れているので、「⑤もう片方のビードをリムから外す」をおこなっていきます。
もう片方のビードをリムから片方が外れた方向に外していきます。
このとき、手で上げて外そうとしても上がらないので、まずホイールを立てて、タイヤをつかみ、リムの外側の下方向に向かって、掌の手首側付け根を使って、上から下に力を加えます。
すると、外れやすいです。
ビートが外れたら、まずは「⑥ホイールの中を点検する」の工程をしましょう。
リムに入っているリムテープに亀裂とか傷がないかをウエス等で中を拭きながら確認していきます。
このとき、リムテープに亀裂があったり、スポーク穴のエッジが出てしまっているものは、パンクのリスクが上がるので交換します。
リムテープも消耗品なのでリムの幅に合わせて選定したものを購入しておいてください。
リムテープにはバルブ穴が開いているので、リムのバルブ穴に合せ、ずれないようにドライバーの軸を穴に挿し込んで固定しながら装着します。
最後はタイヤレバーで、リムとリムテープの間に差し込んで、テコの原理で入れてください。
新しいタイヤの片側のビードを指でこじ上げてホイールに入れていこう
ビートを外してホイールの点検まで完了したら、次はいよいよ「⑦新しいタイヤの片側のビードをリムにはめる」工程をおこなっていきます。
まず、新しいタイヤのパッケージを開けると、大概のメーカーのものは、畳んで入っていると思うので、畳まれているタイヤを伸ばして丸くなるように形を整えます。
次にリムに片側からはめていきますが、リムのバルブを入れる穴の位置に、タイヤメーカーのロゴマークの中心が来るように合せます。
これはパンクなどのトラブルになった時に、パンク穴の位置を確認しやすくするためです。
そして、空気を入れるとき、そのタイヤの推薦空気圧の範囲を確認しやすくするためでもあります。
バルブを入れる穴を基準に、片側のビードを入れていきます。
ここで気づく方もいると思いますが、ビードは簡単に上がり、リムにはまります。
これはどういうことかといいますと、リムには幅があり中央部も両端から見ると窪んだ形になってます。
つまり、ビードはリムの中央に、落ち込みながら入れられるため、その結果、簡単に入ったということです。
ビードの中には、ワイヤーが入っているので、他の部分のように力が加わっても伸びないのです。
このことから、どうしてビードをはめるときに最後のほうでタイヤビードが上がらないのか、ということもなんとなくわかってきたのではないでしょうか。
そして、もう一方のビードを入れるときは、このビードとリムの形状を利用すればいいのです。
チューブの空気を抜かないとタイヤビードが上がらない一因になる?
それでは次に、「⑧新しいチューブに少し空気を入れる」ことをおこないます。
まず、フロアポンプで、チューブに、少しだけ空気を入れます。
これはタイヤにチューブをセットしやすくするためです。
チューブは空気を入れると、際限なく膨らみ続けるので、チューブが丸くなるくらいで充分です。
空気を入れたら「⑨タイヤにチューブをセットする」ことを行いましょう。
バルブ穴に入れるとき、はまっていない方のビードを、押してバルブ穴が見えるようにして差し込みます。
バルブ穴付近のタイヤは、狭くなったままなので、両手の親指でビードを押し上げ、タイヤの中に膨らんだチューブを入れます。
チューブが地面につかないように、バルブ穴を中心に両側同時に、チューブをタイヤの中に収めていきます。
チューブをタイヤの中に収めたら、チューブの空気を抜いてバルブ固定ネジを軽く絞めてください。
このときにタイヤチューブの中に空気が残っていると、タイヤビードが上がらない原因の一つを作ってしまいます。
それは空気が入っているとビードがリムの中で動けなくなるからです。
もう片方をはめるとき最後のほうでビードが上がらないのはなぜ?
ここまでくればいよいよ終盤です。
次は、「⑩片側のビードをリムにはめる」工程です。
もう一方のビードを、リムの中にはめていきます。
この時ホイールは、バルブの位置が上で、手前側に傾くように、斜めに立ててください。
これからはめるビードが奥側で、バルブ位置が上になるようにします。
バルブ穴部分からはめるのですが、この時のコツをご紹介します。
バルブの先端を、空いている指でタイヤ外周側に押し込みながら、両手の親指ではめるのがコツです。
15cmほどはめてしまえば、ビードが勝手に外に外れる心配もないので、それまでビードを押さえてる指を離さないように注意しましょう。
ビードとリムの間にチューブが挟まれないように、注意しながら残りの部分を少しずつはめていきます。
ホイールの中央ぐらいまでビードをはめたら、バルブの位置を入れ替えて下の方にします。
そして、手前がこれからはめる側にして、上を奥側に倒すように斜めに立てます。
次に残りの部分もチューブが挟まらないように上に滑らすようにはめていきます。
ここで限界が来ると思います。
そうです、タイヤビードが、リムより上に上がらないという現象が現れます。
それはタイヤが走行中に、外れないためですね。
ビードはリムの淵よりも少し小さく伸びないようにできているからです。
タイヤビードはホイールの中に落とし込むと上がらないビードは上がる
初心者の方は、ここで失敗してしまいます。
タイヤレバーを使って、テコの原理でビードを、上げようとしてしまいます。
これではタイヤレバーの先がチューブに噛み込み、新品のチューブに穴が開いてしまいます。
では、どうやってタイヤビードが上がらない状態を解決するのでしょうか。
解決策は、リムの形状を利用するのです。
上げるのではなくて滑らせてはめるです。
ここでもう一度バルブ位置に戻り、バルブを押し込みながら、はめる側のビードをリムの底のほうにに押し込みます。
そしたら、上がらない部分に向かって、片側ずつタイヤを片手でつかみ、その部分を手前にひねるように親指でリムの底に押し込みます。
上がらないところまで両方やると、少しその部分が少なくなってきているはずです。
要は先にはめたビードをホイールリムの底から端に押し上げ、これからはめる側の既にはまっているビードをリムの底に押し込むということです。
ここでチューブに空気が入っているとリムの中でビードが動きずらくなってしまいます。
だからチューブをタイヤに入れた後、空気を抜いたのです。
次にまだ上がらない側を手前にして、両手の掌の付け根を使って、手前から奥にタイヤをつかんで捻じるようにホイールリムの側面を滑らせてください。
どうですか?
簡単にタイヤビードが上がってリムにはまったはずです。
はまったら「⑪ちゃんとはまっているか点検する」をおこないます。
ビードの下にチューブが噛み込んでいないか両側の点検をしましょう。
空気を少なめに入れて、タイヤがリムのセンターに乗っているか点検します。
乗っていなかったら、空気を抜いて修正します。
最後は、「⑫空気を入れる」工程をします。
推奨空気圧まで空気を入れて、バルブを閉め固定ネジを下まで手で絞めキャプをつければ終了です。
タイヤビードは上がる
タイヤビードが上がらない現象を、新しいタイヤに交換する場合を中心に、順を追ってご説明してきました。
リムににビードをはめるとき、タイヤとリムの構造上の特徴を利用すると力があまりいらないことが理解できたかと思います。
タイヤビードが上がらない場合は今回ご紹介した方法を試してみてください。
タイヤビードは上げるのではなくホイールリムの外側を、滑らせてはめることが大切ですよ。