使い勝手がよく多くのご家庭に一台はあるママチャリですが、買いっぱなしになっていませんか?
自転車のブレーキは定期的にメンテナンスして、故障することがないようにケアしなければなりません。
ブレーキの効きが悪くなったままで放っておくと故障して交換することになり、余計なお金がかかってしまいます。
前輪ブレーキと後輪ブレーキそれぞれの調整方法について書いていきますので、参考にしてみてください。
ブレーキが利きにくい!後輪ブレーキの調整方法①
ママチャリなどの自転車の後輪ブレーキの調整方法です。
そんなに難しくはないので、ブレーキのきき具合がおかしいな、と思ったら早めにトライしてみましょう。
まずはロックナットを緩め、レバーを動かしてスプリングを収縮させてください。
この状態でブレーキケーブルを軽く引っ張ってみると、たるんでいくと思います。
そうしたら次に、アジャスターボルトを緩めてみましょう。
緩めると、たるんだケーブルがつられて張ってきます。
パンパンに張ってしまうとブレーキが効いたままになりますので、遊びを持たせてから、ロックナットを締めます。
遊びというのはブレーキレバーの引きしろのことですね。
引きしろの多い少ないは個人によって違いますので、お好みで調整してください。
ここで注意してほしいのは、アジャスターボルトを締めすぎないようにすることです。
締めすぎるとボルトが金具から抜けてしまいます。
ここまでで後輪ブレーキの調整は終わりです。
丁寧に行っても、時間がかからない作業です。
ぜひ、調整してみてください。
次の項では、ブレーキケーブルが伸びきってしまったときの調整方法をご紹介します。
ブレーキが効きにくい!後輪ブレーキの調整方法②
ブレーキケーブルが大幅に伸びてしまっているようなときの調整方法です。
まず、アジャスターボルトを、めいっぱいきつく締めこみ、ケーブルをペンチやプライヤーなどで引っ張りながら、ケーブルを留めているナットを緩めてください。
アジャスターボルトをきつく締めることによって、後の作業で、ブレーキの遊びをつくりやすくなります。
ケーブルが緩んだ状態でナットを緩めると、スプリングの力でケーブルが抜けてしまいますので気をつけましょう。
次はナットを緩め、余裕を持たせながらブレーキケーブルを引いて、テンションをかけていきます。
ここで余裕を持たせすぎたとしても、後でアジャスターボルトで調整可能です。
あとはナットを締めてケーブルを固定し、アジャスターボルトでお好みの遊びに調整して調整作業終了です。
ママチャリなどの自転車の後輪ブレーキは、サーボブレーキかバンドブレーキが一般的ですが、どちらのブレーキでも調整方法は同じです。
ローラーブレーキにもこの調整方法は使えますが、微調整するのは難しい作りになっています。
自転車の前輪ブレーキの調整と鳴きの対処法
自転車の後輪ブレーキの調整方法をご説明しましたが、前輪ブレーキの調整方法も基本的には同じです。
やはり、ロックナットを押さえながらアジャスターボルトを回し、アジャスターボルトを緩めブレーキケーブルにテンションをかける作業を行うのです。
後輪ブレーキの項でも書きましたが、緩めすぎには注意してください。
アジャスターボルトの調整でブレーキが効くようにならない場合は、ケーブルを固定しているナットを緩め、ケーブルを引きながら遊びを調整してください。
では、次に自転車の前輪ブレーキから鳴きが発生したときの対処法についてご説明していきたいと思います。
自転車の前輪ブレーキですがディスクブレーキのようなタイプのものでなければ、左と右のブレーキシューでリムをはさみ込む仕組みになっています。
そのため、リムをきれいに清掃することで、音鳴りを防げる場合があります。
リムにブレーキカスが付いている場合はクレンザーや台所用洗剤で落としてみてください。
研磨剤を使用して磨くのも効果があります。
ですが脂分を含んだものを使うと、ブレーキの効きが逆に悪くなりますので注意しましょう。
自転車の前輪ブレーキの音を静かにする効果的な方法
自転車の前輪ブレーキの鳴きの対処法の続きを書いていきます。
前項でご説明した通りに掃除しても鳴きが続くときは、ブレーキシューを削ってみましょう。
自転車からブレーキシューを外し、点検してください。
ガラスや金属のかけらが付着している場合は取り除き、食い込んでしまっているときはカッターなどで抜いてください。
ブレーキシューの表面に何も付いていない状態になったら、ゴムの表面をサンドペーパーややすりで削ります。
ブレーキの摩擦熱でブレーキシューが炭化しツルツルした状態になっている場合、こうすることで表面をザラザラの状態にすることができます。
このような方法で鳴き止まない場合は、ブレーキシューの角度を調整します。
ブレーキ取り付け部分にあるステーをペンチなどでよじり、進む方向に対して、前を狭く後ろを広く取り付けます。
「ハ」の字になるようにするのです。
この「ハ」の字の角度をつけ過ぎると、ブレーキシューの効きが悪くなったり、減りが早まったりしますので気をつけましょう。
こんなふうにステーをよじれないときは、ブレーキシューの取り付け部分に厚紙を挟み込んで角度をつける方法があります。
もし、今までご説明した方法すべてでも鳴きが改善しない場合はブレーキシュー、もしくはゴムだけでも交換してしまいましょう。
次は後輪ブレーキの鳴き対処法です。
自転車の後輪ブレーキの鳴き対処法
後輪ブレーキが鳴くようになった場合、どのような対策があるのでしょうか。
リムを挟んで制御するブレーキは、前輪ブレーキと同じように対処されるといいでしょう。
問題は、バンドブレーキです。
専門店ではなくホームセンターなどで安く購入したママチャリに使われていることの多いバンドブレーキですが、鳴きが発生したら調整することは難しいです。
それでもトライしたい場合は、バンドブレーキの回転面を削る方法があります。
自転車のブレーキが鳴く原因の一つに、金属同士がすれあうということがあげられますが、ドラム表面を削ることで一時的に対処することができるのです。
では、くわしい方法をご説明していきます。
まず、ドラムの表面に研磨剤を塗って、軽い力でブレーキをかけながらペダルを回していくことで、ドラム表面とバンドの摩擦面を削っていきます。
このとき使う研磨剤は針金の先にほんの少し、ご飯粒半分くらいが適量です。
手元にない場合、錆び落としやクレンザー、ピカール、歯磨き粉などが研磨剤の代用品として使えます。
削った後はブレーキの効きが悪くなることがありますが、ブレーキを長時間かけ続けることでもとに戻りますので安心してください。
一度にドバっと研磨剤を付けないようにしましょう。
作業は少しずつ行うのがコツです。
バンドブレーキを研磨後のブレーキ調整は難しい!交換もあり
この方法で鳴きがおさまらなかったら後輪を外してバンド摩擦面とドラムの表面を研磨してください。
分解作業は記録を残しながら行いましょう。
分解に使用するのはママチャリです。
まず自転車を逆さにして、バンドブレーキ側とチェーンカバー側のボルトを外します。(15mmのメガネレンチ使用)
次にクランク側のチェーンカバーを外しクランクにぶらさげておきます。
後ろのチェーンカバーも一部外しておいてください。
荷台・泥よけ・スタンドを外したら、チェーンを外していきます。
このとき車軸を貫くチェーン引きボルトを緩め、後輪をぐっと前に押すようにすると外しやすいです。
次に10mmスパナでブレーキワイヤーを外し、ブレーキを固定しているボルトを外します。
金具をフレームに付けているボルトは残しておいてください。
そうしたらバンドブレーキをフレームから外し後輪を抜きます。
そして、後輪のチェーン側の玉押しを15mmのペダルレンチで押さえ、17mmのメガネレンチでハブの固定に使われているナットと玉押しを外します。
これで分解できました。
いよいよバンドの研磨です。
パーツクリーナーで綺麗に掃除したら400番の耐水やすりで時間をかけて磨きましょう。
作業が終了したら分解と逆の手順で組み立てて下さい。
分解するときに記録しておいた順に慎重に、ブレーキワイヤーの先端のほつれが出ないよう気をつけながら組みます。
後輪は、「フレームと平行にすること」「玉押しを締めすぎないこと」「チェーンを張り過ぎないこと」に注意しましょう。
ここまで簡単に作業内容をご説明してきましたが、分解自体も、そのあとのブレーキ調整も非常に難易度の高い作業です。
作業を行いたい時は、くわしく見れるインターネットの動画もありますので、十分イメージトレーニングしてから行いましょう。
自転車の後輪ブレーキの中でも、バンドブレーキはサーボブレーキと互換性がありますので、交換してしまってもいいかもしれません。
ブレーキの調整と鳴き対策を行ってみよう
自転車の前輪ブレーキ・後輪ブレーキの調整方法と鳴きの解決策についてご説明しました。
調整は簡単で時間もかかりませんのでぜひチャレンジしてみてください。
難しいのはバンドブレーキで鳴きが発生した場合です。
バンドブレーキの回転面に研磨剤をつけてブレーキをかけながらペダルを回し、ドラム表面とバンドの摩擦面を削るのですが、効果は長く続きません。
そうした場合、後輪を外しバンド摩擦面とドラムの表面を研磨すると鳴きを止められますが、非常に難易度が高い作業です。
それでもメンテナンスのスキルアップを目指している方は、ご自分で挑戦されるのもいいでしょう。