ボントレガーは、トレックのパーツブランドとして有名で、サドルやホイールなど様々なパーツを手がけています。
この記事では、ボントレガーのホイールを分解して、ハブをグリスアップするという、大切なメンテナンス方法について書いていきます。
またボントレガー レースのインプレや、アイオロスの最新情報まで、ボントレガーの魅力にせまった情報を載せていきます。
分解方法の前に!ボントレガーのホイールについて
ボントレガーのホイールの分解方法をご説明する前に、ボントレガーのことについて、筆者が思うことを書いていきたいと思います。
ボントレガーはカリフォルニア州北部で、創業者キース・ボントレガーが立ち上げたブランドです。
その品質の良さで、広く知られるようになってからも、創立時から変わらない信念を持って製品開発に励み、その世界観で多くの人を魅了してきました。
そして、ボントレガーは、トレックと共に歩んできました。
そのため、そのホイールも、トレックとセットで考えられることが多く、単品で注目されることは少ないため、トレックに付けなければ使えないと誤解している方もいるかもしれません。
しかし、ボントレガーのホイールは機能性が高く、特にアイオロスは使った方から続々と絶賛の声があがっています。
トレックにしか使えないと思われているのは、実にもったいないです。
幅広リムに対応する自転車なら、トレック以外に入れても問題ありません。
もちろん、トレックとがベストの状態なのでしょうが、ホイールに注目したときに、ボントレガーの評価がもっと上がってもいいのではないかと思うのです。
ボントレガーのフロントホイールを分解してグリスアップ!
さて、前置きが長くなってしまいましたが、ボントレガーのフロントホイールを分解して、ハブをグリスアップしていきましょう。
ここではボントレガーのレースを使用します。
まず、17mmのハブスパナを2つ使用して、キャップを外します。
赤い輪っかの部分がシールドベアリングです。
その上の黒いリングでシーリングされているので、マイナスの精密ドライバーなどで慎重に外してください。
シーリングされていますので、ベアリング自体にグリスアップはできません。
パーツクリーナーなどのケミカル類は使わないで、汚れたグリスを丁寧に拭き取ってください。
ハブは、キャップを外した側から叩いても外せますが、カナヅチで直接強くたたくのは絶対にやめてください。
当て木などをして軸を痛めないようにしましょう。
パーツクリーナーを使って内側まで綺麗に拭き取ったら、取り外したパーツにグリスアップした上で、取り付けていけば、完了です。
ボントレガー レースのホイールについては、なかなか情報がありませんので、分からないことがあったら、トレックジャパンに直接問合せしてみるといいかもしれません。
親切なマーケティングのご担当者の方からハブの構成などを教えていただくこともできます。
こういったサポートが充実しているのもトレックの魅力ですね。
とても心強いですし、安心して乗り続けられます。
ボントレガーのリアホイールを分解してグリスアップ!
さて、次はボントレガー レースのリアホイールを分解して、ハブをメンテナンスする方法です。
まずはスプロケットを外します。
汚く汚れている場合は、軍手を付け、下に敷物を敷きましょう。
フリーホイールリムーバーと、フリーホイールチューナーを使用してスプロケットを外していきます。
フリーホイールリムーバーと、フリーホイールチューナーは、BIKE HAND のものがおすすめです。
しっかりした作りで、2千円以内で変えますのでコスパがいいですよ。
スプロケットを外したら、取り付けるときに間違えないように、歯やスペーサーの順番を変えないように重ねて置いておくといいでしょう。
この状態になれば、思い切りパーツクリーナーを浴びせて洗浄することができます。
普段はキレイにしにくい、歯と歯の間や裏、フリーボディに接する中のほうも徹底的にキレイにしましょう。
次に、ハブの中を掃除するために、ハブスパナを使用してロックナットを外します。
ハブスパナは、外側(ロックナット側)が15mm、玉押し側(内側)が16mmです。
ボントレガー レースはシールドベアリングなので、厳密にいえば、玉押しとは呼ばないかもしれないですが、分かりやすいように、このように表記させていただきます。
ワッシャーとロックナットを外しましたら、玉押しをクルクル回して外していきます。
玉押しを取り外したら、パーツクリーナーで綺麗にしてください。
フロントホイールと同様、赤い輪っかの部分がシールドベアリングです。
同じように、その上の黒いリングでシーリングされている部分をマイナスの精密ドライバーで丁寧に外していきます。
ボールがむき出しではありませんので、ベアリング自体にグリスアップはしません。
フロントホイールと同じで、パーツクリーナーなどのケミカル類は使わず、汚いグリスを丁寧に拭き取ってください。
その後グリスを塗って、取り外した順(黒いリング、玉押し、ワッシャー、ロックナット)に取り付けます。
また、フリーボディ側ですが、構造上ロックナットの取り外しが難しいので、汚れを綺麗に拭き取るだけにします。
フリーボディの表面にも薄くグリスを塗り、スプロケを装着してください。
ボントレガー レースエックスライトのインプレ!
ここまで、ホイールの分解方法についてご説明してきましたが、ボントレガーのホイールをこれから使いたい、もっと知りたいという方のために、ホイールの検証内容を書いていこうと思います。
ご紹介するのは、軽量アルミホイールのレースエックスライトです。
こちらを採用したバイクを持ち上げた時にその軽さに驚かれると思います。
高級感のあるハブは走行中にも見えますが、気分が盛り上がります。
ペダルをぐっと踏み込むとき、足が楽に下りていきます。
特に、なだらかな坂では、ペダルの回転がよりスムーズになります。
少しの違いかもしれませんが、分かる人には分かるポイントです。
減速した後の立ち上がりの加速が楽で走りやすいです。
やはり「少し楽」が継続すると、普段より後半まで脚力が残りますよ。
通勤ではストップアンドゴーの多い、市街地を走る場合、曲がり角や信号の度に減速を行いますが、減速後の立ち上がりで加速する時に明らかに足が軽く回ります。
滑らかに気持ちよく足が回転し、巡航速度の30キロ付近まであっという間です。
この加速感は一度味わうとやみつきになります。
更に、上り坂で信号停止してしまった後の発進もスムーズです。
ラチェット音(ペダルの回転を止めたときに後輪軸から鳴る音)は静かで控えめなきれいな音です。
ボントレガーのホイール・アイオロスの最新情報①
レースを使っていて、さらにホイールをグレードアップしたい方には、ボントレガーホイールの最高峰・アイオロスをおすすめします。
レースと同様、分解してグリスアップするのも簡単です。
こちらは、風の神様の名前が付けられたホイールです。
ロマンチックですね。
最新型のアイオロスですが、好評だった前作のアイオロスから、更なるリム幅のワイド化、チューブレスタイヤ対応(TLR)、軽量化と性能の向上をおこなっています。
さらにディスクブレーキ対応モデルなどのラインナップが追加されて、パワーアップしています。
すでに、レースシーンではチームに導入されています。
今シーズン使用しているのはTREK FACTORY RACINGですね。
アレドンドやモレマ、ストゥイヴェン、ダニー・ヴァンポッペルなど、注目の選手が多いチームです。
トレックの最高品質である超軽量OCLVカーボン素材が使用されたアイオロスのホイールは、全てアメリカ・ウィスコンシン州ウォータールーにある本社施設にて設計、生産、穴あけ、組立までこだわって作られています。
今回、クリンチャーモデルはTLR(チューブレスレディ)仕様に対応しました。
チューブレス化することでパンクのリスクを減ります。
また、空気圧を低めに設定することでトラクション、コーナリングがスムーズにできます。
※チューブレスレディとは、専用のバルブ、リムフラップを装着することによってチューブレスタイヤに対応できるというシステムになります。
TLRモデルはリムフラップをそのまま入れ替えるだけで、クリンチャーとチューブレスどちらでも使えるというハイスペックなモデルです。
ボントレガーのホイール・アイオロスの最新情報②
ボントレガーのホイール・アイオロスは、リム幅のワイド化で、より安定感のあるサポートと快適な乗り心地を実現しました。
リム形状はD3(Dual Directional Design)形状の良さを引き継いで、リム内幅を従来の17.5mmから19.5mmにまでワイド化しています。
また、軽量化もおこなわれていて、アイオロス5 D3 TLRに関しては110gも軽量化しています。
設計とカーボンのレイアップを洗練させ、リムはさらに軽く、トレンドの700×25Cのタイヤとの相性抜群です。
また、スポーク角も見直しされました。
従来のものより、剛性がアップしています。
スムーズで精密な回転も魅力です。
さらにカーボンシェルのハブ、DT Swiss 内部機構によって、スムーズで美しい回転につながっています。
このことにより、フリーボディーのラチェットは36Tに増え、漕ぎ出しが楽になりました。
また、チューブラータイプはクリンチャータイプよりも軽く、乗り心地もやさしくなるのが特徴です。
クリンチャーと同じく最速のリムを採用し、スポークの支え角も見直され、快適な乗り心地のままで剛性がアップしました。
トライアスロン、ハイスピードなクリテリウム、ヒルクライムレースなど、厳しいレースでもいかんなくその性能を発揮してくれます。
その他にもディスクブレーキ仕様になったことが大きな変更点でしょう。
TLRクリンチャーのアイオロス3と5追加されています。
ディスクロード・グラベルロードに最適な使用です。
また、交換式のアクスルを使うことで、規格のアップデートにも対応しますので、ほとんどのバイクにフィットします。
ボントレガー アイオロスは重厚感、迫力、高級感において申し分のないホイールです。
装着するだけで気分が高まります。
ご使用の際には、きちんと分解してメンテナンスをし、大切に扱いたいですね。
ボントレガーのホイールハブのメンテとホイールの魅力
ボントレガーのホイールは、トレックとセットで考えられるため注目されにくいですが、非常に性能がよいホイールです。
定期的にハブを分解してグリスアップし、大事に使ってあげてください。
分解はそんなに難しくありませんが、一つ一つ丁寧に行ってください。
ベアリングなど、グリスアップしてはいけないところもありますので、注意しましょう。
記事の後半では、ボントレガーのレースとアイオロスについてご紹介しました。
少し個人的な感想も書いてしまいましたが、ボントレガーファンの方なら、共感していただけると思います。