ロードバイクは楽しいだけではなく、様々なトラブルも起こります。
もし、愛用のロードバイクを転倒させてしまったら、フレームよりもディレイラーハンガーに曲がりがないかを確認しましょう!
ハンガー?曲がり?何のことかわからない方にも、わかりやすくご説明します。
ハンガーの曲がりを放置することの危険性や、ハンガーの交換方法、変速調整方法もお教えします。
安全に乗るために、どうか覚えておいていただきたい知識です。
ロードバイクのフレームより弱い!?ディレイラーハンガーとは
ロードバイクに多いトラブルで「ハンガー折れ」があります。
ハンガーというのはディレイラーハンガーと呼ばれるもので、他にもリプレーサブルハンガー、リヤエンド、リプレーサブルエンドなど様々な呼称があります。
ディレイラーハンガーとは、リアディレイラー(変速機)とフレームを接続するためのフック状の金具です。
アルミフレームの場合は別パーツになっており、フレームよりも弱い素材で作られています。
なぜフレームより強い素材にしないかというと、転倒した時の衝撃を逃がすことができずフレームが破損してしまうからです。
このようにディレイラーハンガーは、しなやかに変形するような作りになっているため、転倒すると簡単に曲がります。
もし、曲がったまま乗っていると、やがて破損するなどで大事故につながるケースも発生することがあります。
ハンガーが折れる可能性のあるバイクは、後ろ変速機に転倒によるキズが確認できます。
また、事故を引き起こすタイミングはと言いますと、トップギヤに入れている時は問題ないのですが、ローギヤ(大ギヤ)にすると車輪に変速機が巻き込まれ、ハンガーがちぎれます。
それにより、バランスを崩して転倒し大怪我をしてしまう、なんて事態が起こるのです。
フレームより曲がりやすい!ハンガーを確認
あなたのロードバイクのディレイラーハンガーは大丈夫ですか。
危険を防ぐために、セルフチェックのポイントをご紹介します。
・後ろ変速機にキズがある
・後ろ変速機をローギヤに入れると「カランカラン」などの音がする
・駐輪場で自転車が倒されていた、または倒された形跡があり、グリップやペダルサイドにキズがある
もしも、一つでも該当する項目があれば、ハンガーが曲がっている可能性があります。
軽度の曲がりであれば、応急処置として真っ直ぐに直せば使用可能ですが、一度曲がった箇所はもろくなり、いつ折れてもおかしくないと考えていた方がいいでしょう。
また、変速機はバネで引っ張られており、それをシフトワイヤーで逆方向に引っ張ることでチェーンの位置を変更するという構造になっています。
それに合わせて、変速機とフレームを接続するハンガーも動くので、変速の度に前後左右に引っ張られ、かなりの圧力を受けます。
このことからも、ハンガーに曲がりがある場合は、徐々に酷くなっていき、やがて折れてしまうのです。
曲がりがあった場合は、なるべくローギア(軽いギア)には入れないようにし、すぐにショップに持ち込みましょう。
大事故につながる可能性もあるので、早急に対応することをおすすめします。
ハンガーに曲がりがあったら交換しよう!ショップでの費用
前項でご説明したとおり、ハンガーに曲がりのあるロードバイクに乗り続けるのは大変危険です。
そのため、新しいディレイラーハンガーへの交換が必要となります。
しかし、ショップに依頼した場合の費用は、どのくらいかかるのか気になるところでしょう。
ショップに依頼した時の金額についてご説明していきます。
ハンガーのみ交換する場合は、新品のディレイラーハンガーが約3,000円、工賃(取り付け&変速調整)が1,000~2,000円程度の店が多いです。
ショップに依頼した際の注意点としては、変速調整の信用性です。
ほとんどのショップは手回しだけで、乗って確認する店は少ないのではないでしょうか。
ロードバイクが戻ってきたら、必ず自分で、実際に乗って確かめましょう。
こだわるなら、自分でハンガーを交換し、変速調整まで行うのがおすすめです。
ハンガーはフレームよりも弱い素材で作られているので、転倒などで簡単に曲がってしまいます。
今後も、交換が必要になってくるかもしれないので、交換方法を覚えておいた方は無難ですよ。
そして、予備ハンガーも常備しておくと安心ですね。
次項では、自分でディレイラーハンガーを交換する方法をご紹介します。
曲がりのあるハンガーの交換方法!一緒にフレームやタイヤも綺麗に
これからロードバイクのメンテナンスを、どんどんやっていきたいとお考えの方に、ディレイラーハンガーの交換方法をお教えします。
曲がりのあるディレイラーハンガーを新しいものに交換しましょう。
念のために予備ハンガーは常備しておくといいですよ。
手順を簡単にご説明します。
①リアホイールを外す
②リアディレイラーを外す
③ディレイラーハンガーを外す
④新しいハンガーを取り付ける
⑤リアディレーラーを取り付ける
リアホイールは外したら、リアディレイラーをアーレンキーで外します。
ディレイラーハンガーもアーレンキーで外します。
外したら、ネジ穴やネジを、布などで拭いて綺麗にしましょう。
※メンテナンスの際に、作業用の布切れは必須です。
その際にフレーム側やタイヤ側のネジやネジ穴なども、綺麗にしておきましょう。
次に新しいディレイラーハンガーを取り付けます。
その際、ハンガーとハンガーを取り付けるネジに、綿棒などを使ってグリースを少量塗りましょう。
最後に、リアディレイラーを取り付けるのですが、その前にディレイラー直付ゲージでディレイラーの歪みがないか確認します。
リアホイールを履いて変速を確かめたら完成です。
ロードバイクのメンテナンス!リアディレイラーの調整①
ここでも、ロードバイクのメンテナンスのご紹介です。
余談ですが、メンテナンスの基本は清掃です。
必ず布切れを用意し、フレームやタイヤを磨き、油汚れがあったら拭きとりましょう。
それでは交換方法に続いて、リアディレイラーの調整方法をご紹介していきます。
曲がりのあるディレイラーハンガーから新品に交換したら、変速調整を行いましょう。
必要な工具は、アーレンキー(5mm)と、プラスドライバー(#2)だけです。
調整の前段階として、ケーブル固定ボルトをアーレンキーで少し緩めて、シフトケーブルが動く状態にしておきましょう。
これでリアディレイラーは、バネの力でトップ側に動くようになります。
次に、チェーン位置の調整です。
リアホイールを外し、チェーンもフロントのチェーンリングから外します。
このままでは、チェーンは下にだらりと垂れてしまうので、プーリーに引っ掛けておきます。
そして、スプロケットにチェーンを掛けないまま、リアホイールを取り付けましょう。
こうすることで、スプロケットとプーリーとの微妙な位置関係がわかりやすくなります。
前段階が終わったので、リアディレイラーを調整してきましょう。
トップ側調整ボルト「H」とロー側調整ボルト「L」の、2本のボルトでリミット位置の調整を行います。
まずはトップ側からです。
トップ側調整ボルトを、時計回りに締めて、リアディレイラーを内側に寄せ、それからボルトを反時計回りに緩めながら、トップギヤの外側線真下にプーリーが来る位置に合わせます。
このときもチェーンを外しておけば、微妙な位置を確認しやすいです。
続いてロー側は、トップ側と反対の動きになり、時計回りに締めるとリアディレイラーは外側に、反時計回りに緩めると内側に移動します。
ローギヤとプーリーのセンターが一致するところが、ロー側のリミット位置になります。
ロードバイクのメンテナンス!リアディレイラーの調整②
では、変速調整が正しくできたのか、チェーンを戻して確認しましょう。
リアディレイラーのケーブルは外れているので、自分の手でリアディレイラーを動かして確認していきます。
まずは、ロー側に思い切り押し込み、カタカタと異音がしなければOKです。
トップ側は、どんな状況で手を離しても、チェーンがトップギヤに戻って来れば問題ありません。
また、クランクを逆回転させてみて異常や異音がなければ、トップ・ロー両側のリミット調整は成功です。
最後はシフトケーブルの調整です。
シフトケーブルにもアジャスター機能が付いているので、微調整します。
アウターケーブルの調整ボルトを手で回して、一番ケーブルを緩めます。
ダウンチューブも同じように、緩めた状態にしておきましょう。
指でケーブルを引っ張り、ピンと張った状態にして、そこでケーブル固定ボルトを締め込みます。
ここで、ケーブルがうまく張れていないと、失敗しますので注意してください。
しっかりとボルトを締めたら、テストを行いましょう。
デュアルコントロールレバーを操作し、しっかりと反応を確かめてください。
もし反応が悪いようであれば、ケーブルをピンとするまで張りなおしをして、再調整しましょう。
これで、リアディレイラーの調整は完了です。
ロードバイク初心者の頃は、走っていて転倒することもあるかと思います。
そんな時は、フレームの傷よりもハンガーに曲がりがないかを一番に確認しましょう。
ハンガー曲がりの放置は危険
ディレイラーハンガーは一度曲がってしまうと、乗っているうちに酷くなっていきます。
応急処置として、素手で真っ直ぐに伸ばして、そのまま乗り続けるのは危険ですよ。
曲がりが見つかったら、早いうちに交換しましょう。
ロードバイクを駐輪する際は、平坦な場所を選ぶようにする等、なるべく転倒させないように心がけましょう。