今でも、自転車で右側通行、つまり逆走している方を街中で目にすることがあります。
自転車での逆走は違反になります!
もちろん子供だからといって、逆走していいわけありません。
中には、自転車に乗った子供が起こした事故で、多額の損害賠償の支払いを命じられたという事故も起こっています。
大人も子供も自転車の交通ルールを覚える必要性があるのです。
ここで自転車の交通法と危険性について知っていきましょう。
自転車で逆走することは交通違反です
道路交通法では、自転車は軽車両扱いになります。
従って、基本的には車道を走行しなければいけません。
そして、車道を通る時も道路の左端に沿って走行するというルールがあります。
しかし、歩道に自転車通行可の標識がある場合、または13歳未満の子供や70歳以上の方はいかなる歩道も走行できます。
このように自転車にも交通ルールがあります。
しかし、自転車の場合このルールに違反している人が非常に多いのが現状です。
車道の左側を走るという事は、後ろから車に追い越される事になります。
これが危ないと感じている人は多いですし、実際に後ろからの自動車の圧力でふらついてしまって危険な目に合った人もいるでしょう。
これだけが理由ではないと思いますが、車道の右側を走行、いわゆる逆走をしている人が多いです。
しかし、車道の右側を走っているという事は、走ってくる自動車と正面から対峙する事になります。
ちょっとでもふらついたり、よれたりすれば正面衝突の危険すらあるわけです。
更に自動車のドライバーの中には、車道を走る自転車の存在を疎ましく感じている方もいます。
そのため、無茶な追い越しをしてきたり、幅寄せしてくる方もいます。
このことから逆走していると衝突する危険性があります。
少しでも自分の身を守るためにも、まずは交通ルールを理解する事が大切です。
逆走で事故を起こした場合、自転車にも過失が出てくる可能性がある
仮に自動車と自転車の間で交通事故が起きたとします。
この場合、基本的には自転車側が「弱者」の立場になるので、自動車側の過失が大きくなるのが必然的です。
しかし、もし自転車側が逆走や一時停止を無視するなどの違反を犯していた場合には、過失の割合も変わってきます。
平成21年に岡山県で実際にあった判例では、自転車側に60%の過失があると判断されています。
このときの事故状況は、自転車に乗った中学生が道路の右側を逆走し、更に友人と横に並んで走っていました。
そこへ正面から走ってきたトラックが自転車を避けきれずに衝突、中学生は後遺症が残るほどの大けがを負いました。
この事故の裁判では中学生側の主張は通り、約2460万円の損害が認められています。
しかし、実際には中学生が道路を逆走していた上に、横に広がって並走していた事が事故原因の大半を占めるとして、中学生側の過失が60%と判断されたのです。
この結果トラック側には損害額の40%に当たる984万円の賠償金の支払いのみが命じられたそうです。
上記の例は、本来ならば過失が小さくなるはずの自転車側に、大きな責任が課せられた代表例です。
それも社会的にはまだ子供とみなされる中学生を対象とした裁判であるにも関わらずです。
交通ルールを守る事の重要さを教えてくれています。
自転車の逆走を理解していない子供が多い事実
前項のように自転車の逆走は、思わぬ大事故につながる大変危険な行為です。
特に子供たちは間違ったルールを教えられている可能性もあります。
ある町で小学生にルールを確認してみたところ、6割の子が自転車は右側を走るものと答えたそうです。
中には自転車=歩行者と教えられていたため、右側通行と答えた子もいるという話です。
また、「車が正面から来るから安心です」と「逆走」の危険性に全く気付いていない回答すらあったようです。
もちろんこれはほんの一例に過ぎず、このように間違った認識をしている方が、大人、子供問わず多い気がします。
大人の方が間違った教え方をすれば、子供は当然間違った認識のままです。
そして、もし子供が事故を起こせばその責任は親にかかってくるのです。
平成20年神戸市で起きた自転車の子供と高齢者の間で起きた事故では、自転車事故としては破格と言える9500万円の損害賠償が、子供の母親に命じられました。
高額な賠償額もさる事ながら、ここで最も注目しなければならないのは、母親の監督不行き届きが問われた事です。
子供に正しい交通ルールを教えるのは親の役目なんだという事です。
自転車に乗っている主婦が事故にあう確率は高い!?
最近は電動アシスト付きの自転車が広く普及してきた事もあり、子供でも主婦でもスピードが出せるようになってきています。
もちろんこれだけが原因ではないですが、実際に自転車事故は増加しており、無関係ではないはずです。
前項までに挙げた判例を見て頂いても分かるように、自転車は思わぬ大きな事故が起こる乗り物です。
しかし、実際にその危険性を感じて自転車に乗っている人が、一体どれくらいいるでしょうか。
自動車などのドライバーに比べると、その意識は非常に薄いと言わざる得ません。
しかし、あうアンケート結果によると、主婦の方の約半数が自転車の事故を起こしたか、また被害にあったと答えているのです。
これだけ事故に遭遇した人がいるにも関わらず、ほとんどの人がメンテナンスをしてなかったり、道路の右側を走る逆走の経験があると答えています。
中にはブレーキから「キーキー」と異音がするので、潤滑剤をふきかけたなんて人もいたとのことです。
これではブレーキが効かなくなるので、もちろん逆効果です。
主婦と言えばこれから子供に正しい交通ルールを指導していく立場にあります。
それが意識が低いことや、知識が無かったりするのは、大変怖いことです。
子供乗せ自転車の危険性とルールについて
また、主婦の中には、自転車にお子さんを乗せて走っている方も多いでしょう。
もし、そんな時に事故が起きたらどうなるでしょうか。
ご自身は当然の事として、無防備な子供は放り出され、受け身を取れるはずもなく地面にたたきつけられてしまうでしょう。
ですから、大きな事故につながる逆走などの違反は絶対にしてはいけません。
そういった事故を起こさないためにもここでは、自転車に子供を乗せる上での注意点をご説明します。
まず乗せる子供の年齢は6歳未満と決まっています。
そして、前かごに乗せられるのは4歳未満で体重が15㎏までの乳幼児です。
また、専用のチャイルドシートにも体重制限がありますし、前に付けるか、後ろに付けるかによっても違いますので購入前に必ず確認して下さい。
お子さんを乗せる時は、必ずスタンドを立てて、片手でしっかりハンドルを押さえてバランスを崩さないようにして下さい。
実はお子さんを乗せる時の転倒による事故が最も多いです。
また、自治体によってはルールを設けている場合があるので、各警察のホームページで確認して下さい。
自転車に乗るときは、子供も大人もヘルメットを着用しよう
前項のように子供を自転車に乗せる時は、細心の注意を払わなくてはいけません。
特にお子さんは体に比べて頭部が重いので、落下事故などが起きた場合は大半が頭か顔に怪我を負います。
また、道路交通法には子供を自転車に乗せる際に、ヘルメットを着用する義務について明記されています。
頭は人間の体の中で最も傷を付けてはいけない部分ですから、きちんとヘルメットをかぶせてあげて下さい。
また、中には、チャイルドシートではなく、抱っこひもでお子さんを縛って運転している方もいます。
これは前が見えなくなる危険に加えて、万が一事故が起きた場合、赤ちゃんを下敷きにしてしまう可能性があります。
まだ安定していなくてチャイルドシートに乗せられない場合は、しっかりと背中におぶって紐で縛りましょう。
しかしこの場合は、赤ちゃんが無防備な状態である事を絶対に忘れてはいけません。
今回は逆走などの交通ルール違反が、予期せぬ大きな事故になるという事をお話してきました。
そして、子供に正しい交通ルールと自転車の怖さを教えるのは、親御さんの役目である事も分かっていただけたかと思います。
子供も大人も交通ルールを守ろう
自転車の交通ルールは、大人も子供も守らなければなりません。
しかし、今でも交通違反をしている方は多いように感じます。
こうした、ルール違反で子供が起こした自転車事故が起こっているのも事実です。
大切なわが子を守るためにも、正しい交通ルールを教えるのも親の役目だと感じます。
正しい交法を知って、安全に自転車に乗りましょう。