自転車で走行中、自動車のドライバーからクラクションを鳴らされた経験はないですか?
2015年6月に道路交通法が改正され、自転車は車道を走ることになりました。
前を走る自転車を追い抜こうと、クラクションを鳴らす自動車ドライバーもいますが、そのクラクション、違反行為です!
今回は、意外と知らない交通ルールについてご説明していきます。
自転車と自動者が互いに気持ちよく走行するため、歩行者の安全を守るためにも、交通ルールをよく理解しましょう!
自転車にクラクションを鳴らすの違反!?
自動車のクラクションには、危機を知らせるための警報という役割があります。
前方を行く通行人や自転車に向かって何回も鳴らしている光景をたまに見かけますが、これは立派な道交法違反と見なされます。
エンジンで動く自動車は、人力で移動する乗り物よりもずっと速いため、運転手からしてみればどんどん先へ行ってもらいたいと感じるかもしれません。
ですが、むやみに鳴らしては単なるプレッシャーを与えるものとしか受け取ってもらえず、危ないから避けるように促すメッセージを込めても伝わらない可能性が高くなります。
しかし、時と場合によってはクラクションを絶対に鳴らす必要があります。
物陰が多く周囲が確認出来ない道路や、上り坂のてっぺんなどでは、横合いから何かが飛び出してきてもすぐに反応することが出来ないかもしれません。
そのため、自分がここにいるという合図として鳴らさなければなりません。
また、このようにクラクションを鳴らさないといけない場所で鳴らさずにいても違反となり、5万円の罰金が科せられます。
この決まりをきちんと厳守すれば事故などの発生率が減り、他者を巻き込まないようにすることが出来ます。
クラクションを鳴らされないためにも、自転車はどこを走ればいい?
自転車は、基本的に車道の左側を走るようにと決められています。
しかし、実は第一車両通行帯となっている道路によっては真ん中や右側が、走っていても法律違反とは見なされないことがあるのです。
しかしながら、車側の意識としては大抵は「自転車は左端を通るもの」という認識があるため、後ろからクラクションを鳴らされてしまうことも多いです。
実際に自動車の運転手からすると、自転車は遅い乗り物なので追い越して先に進みたいという気持ちが出てきますし、転倒や接触事故の危険性もあるので、なるべく左側を通ってもらいたいと思っている人は少なくありません。
ですが、通行帯が設けられている場合は、自転車も利用して良いという意味になるので、注意喚起ではなく走行場所に対する文句の意味合いでクラクションを鳴らすのは、道交法違反をしていることになります。
そのため、くれぐれも気を付けて下さい。
とはいえ、自転車は路肩や白線の外側を走るものであると考えている人は大勢いるので、自転車の乗り手も出来るだけ左側を通るように気を遣った方が、お互いが安全に通行出来るとも言えるでしょう。
自転車が走行すべき場所①
車道の左端によく白い線(車道外側線)が引かれているのを見かけますが、これは歩道と車道の境目を表しているものであり、自転車や自動車が走行する場所を区切っているわけではありません。
そのため、一見すると自転車はこの線の外側を走らなければならないように思えますが、特に義務付けられているものでもないので、無理に走る必要はないのです。
外側もアスファルトやコンクリートで固められており、スペースにも余裕がある場合は、安全面を考慮すればそちらを通るべきかと思われます。
ですが、走りにくそうだと少しでも感じるようなら無理はしないで下さい。
場所によっては道路の真ん中や右側を走ることも出来ますが、自転車は左側通行であるというルールが世の中に広まっており、またそれは決して間違いではないので、自動車にクラクションを鳴らされるかもしれません。
そんな時はなるべく左側に寄るようにしましょう。
実際に怪我や事故を防ぐには、それが最も良い判断と言えるでしょう。
自転車が走行すべき場所②
自転車が走行すべき場所についてもう少しお話ししていきましょう。
道路に歩道が設けられていない時は、車道外側線の外側は路側帯となるため、自転車はその付近を走るようにしましょう。
路側帯は、歩行者も利用する上、基本的に歩行者の進路妨害になってはいけないと決められているので、路側帯の内側ではなく、あくまでも近くを走行すると良いでしょう。
車道外側線が引かれていない場合は、車道の左端を走って下さい。
また、青色の道を見かけたら、それは自転車専用のレーンなので、そちらを通りましょう。
車道外側線が一直線のものと点線のようになっているものの両方が引かれているのは、ここに車両を止めてはいけないという意味であり、走行してはいけないということにはならないので、遠慮なく通って下さい。
真っ直ぐの車道外側線が2本引いてあるのは外側が歩行者専用の路側帯ということなので、自転車は内側を通ります。
このように規則を守っているにも関わらず、自動車にクラクションを鳴らされたりしても、危険を促すことを目的としていない限り、自動車の方が法律違反となります。
クラクションに相当する自転車のベル、ベルにも使用制限がある!?
自転車に取り付けられているベルは、自動車で言うところのクラクションに当たるものですが、基本的に「警笛を鳴らしても良い」という内容の道路標識が立てられている場所でなければ鳴らしてはいけない決まりになっています。
言い替えると、警笛区間の標識があるところでは、ベルを鳴らしていないと法律違反と見なされるのです。
また、見通しの悪い交差点や曲がり角、坂のてっぺんなどでもこちらの存在を知らせるためにベルを鳴らします。
ただし、周囲がはっきりと確認出来るようなら鳴らさないで下さい。
この条件を満たしていない場所でベルを鳴らせるのは、物陰から何かが飛び出してきたり、自転車や自動車に気付かないまま、道路を横断しようとしている歩行者がいる時など、怪我や事故が発生しそうなタイミングです。
よく前を歩いている人や、他の自転車に向かってベルを鳴らし、道を空けてもらう人を見かけますが、これは立派な違反行為なので絶対にやらないで下さい。
追い越したい時は声を掛けるか、一旦自転車から降りて、押して歩きましょう。
自転車のベルをむやみに鳴らすのは違反!罰則は?
自転車に乗っている際、付属のベルを怪我や事故の危険性を伝えるのではなく、先へ進むために道を空けてもらう目的で鳴らすのは、違反行為として罰せられます。
逆にベルを鳴らすように指定されている道路で鳴らさなかった場合も罰則の対象となります。
これはクラクションも同様で、前者は2万円以下の罰金か科料を、後者は5万円以下の罰金を支払わなければなりません。
とあるアンケートの結果によると、8割を超える人々が、自転車をもっと厳しく取り締まって欲しいと望んでいることが判明しています。
つまり、それだけの人が自転車に関するトラブルや事故に巻き込まれそうになった経験があるということなのです。
ルールやマナーをきちんと守っている乗り手は大勢いますが、あっさりと破ってしまったり、最初から守る気のない乗り手がいることもまた事実です。
自転車もスピードは出ますし、転倒や接触などが原因で大怪我を負うこともあります。
歩行者に不安感を与えず、お互いが気持ち良く通行出来るように、法律で定められていることは守るようにして下さい。
自転車は車道の左側を走ろう
道路交通法の改正により、自転車は車道を走ることを義務付けられました。
自転車は歩行者の安全を守って、車道の左側を走行しましょう。
自転車の交通ルールについて理解しておけば、どんな道でも堂々と余裕を持って走れるようになり、一層自転車が楽しめますよ。
自転車、自動車、歩行者が安全に通行できるように、一人ひとりが交通ルールを見直したいものですね。