サスペンションが付いた自転車と言えば、マウンテンバイクが思い浮かびます。
中には、ママチャリでもサスペンションが付いているものもあるようですが、このサスペンションとはいったい、どんな役割をしているのでしょうか?
サスペンションの役割についてご紹介していきます。
また、ママチャリは様々な路面を走りますが、サスペンションは必要がないのでしょうか。
サスペンションの役割とは?
マウンテンバイクなどに取り付けられているサスペンションというパーツは、路面から伝わる揺れを和らげるクッションのような役割を持っています。
これがあれば乗り心地が良くなり、土や木の根などが剥き出しになっている道でも走りやすくなるのです。
しかし、このメリットと引き替えに車体の重さが増してしまい、サスペンションを装着する位置次第ではアスファルトやコンクリートの上を走るとペダルが漕ぎにくくなってしまいます。
さらにサスペンションがどれくらい動くのかという点もばらつきがあるため、普段の使い方を考慮した上で組み込むかどうかを考えるのが良いでしょう。
もともと山道をメインとしているマウンテンバイクなどに使用されているもので、でこぼこした地面を走り抜けた時や、ブレーキをかけた時に発生する衝撃を軽減してくれます。
グリップ力も強化されるのでタイヤが安定しやすく、サスペンションがあると悪路が走りやすくなります。
スピードを重視するのではなく、走行時の性能を引き上げることを目的としている場合には、大いに役立つでしょう。
しかし、ママチャリは速度がそもそも出しづらく、悪路を走行することを考慮されていないので、サスペンションが取り付けているタイプはほとんどないでしょう。
ママチャリについているサスペンションとは
先ほどは、ママチャリにサスペンションが付いているタイプはほとんどないとお伝えしましたが、実はママチャリにもサスペンションが付いています。
そのサスペンションとは、マウンテンバイクのようなフロントフォークに取り付けられている訳ではなく、サドルに取り付けれれているのです。
名称を「サスペンションシートポスト」と言い、お尻への衝撃を抑える役割があるため、痛みも緩和される可能性があります。
ただし、これはサドルのサイズや乗っている時の姿勢も関係してくるため、柔らかいものを使えば確実に痛まなくなるわけではありません。
スポーツサイクルの場合は身体を前に倒した格好で走り続けることが多く、その上でこまめに姿勢や位置を変えるため、サスペンションが付属していると、かえって乗りにくいと感じるかもしれません。
しかし、それはサスペンションの硬さにもよるので、慣れないうちは硬いサスペンションを使っていくと良いでしょう。
どちらかと言えば上半身を起き上がらせた状態で走ることが多いシティサイクルの方が効果が出やすく、馴染みやすいサスペンションと言えます。
サドルは簡単に交換することが出来るので、しっくり来なければ別のサドルに交換して試してみて、自分に合っているものを見つけて下さい。
マウンテンバイクのサスペンションの違い
基本的に町中が中心となるママチャリは、サスペンションを取り付けなくても十分満足に走ることが出来ます。
ですが、場合によってはサスペンションを組み込んだ方がスムーズに進めることもあります。
それは、未舗装の道を通ることがあったり、道端に段差が多く配置されていたり、ミニベロなどの小さいタイヤを使っている自転車に乗る時などです。
また、街乗りをメインとするミニベロなどに使用するサスペンションと、マウンテンバイクに組み込まれているサスペンションには、ストロークに差があります。
ストロークとは、サスペンションが移動する距離のことで、マウンテンバイクのサスペンションは8~20cmですが、ミニベロやママチャリに取り付けられていても2、3cm程度の範囲の動きのものとなるでしょう。
マウンテンバイクは土や石、障害物などが多い道を走りやすくするために造られていますが、街乗りタイプの自転車はアスファルトなどで固められた道を走るように設計されているので、サスペンションのストロークにも変化が生まれるのです。
ストロークが長いほど揺れを抑えられますが、その分重さが増すというデメリットも存在します。
快適に走りたければ車体を軽くすることが一番なので、日常生活で頻繁に使われるママチャリや、スピードに重点を置いているタイプは、サスペンション装備されていても硬めであることが多いです。
ママチャリに本格的なサスペンションは必要ない!?
サスペンションの付いた自転車というものは意外とあちこちで見かけます。
町中を走るママチャリに取り付けてあることは少ないですが、クロスバイクやマウンテンバイクなどには取り付けられていることが多いです。
しかし、サスペンションは保管場所に気を遣わなければあっという間に錆び付いてしまうため、こまめにメンテナンスをしなければなりません。
オートバイクなら一旦分解してから洗浄して、オイルやグリスを塗り直した後、調子の悪そうなゴムパーツなどの交換を、一定距離を走るたびに行う必要性が出てきます。
しかし、自転車の場合はそれほど力を入れて手入れをする人は少ないかもしれません。
手に入れてからメンテナンスをしたことがないという人も、恐らくいるのではないでしょうか。
本格的なメンテナンスは非常に手間が掛かり、3時間は時間を要するため、面倒臭い作業であることは確かです。
専門店で引き受けてもらえることもありますが、それなりの費用を取られます。
マウンテンバイクで悪路を走行する方は、サスペンションの効果が必要になるので、手間を惜しんででもメンテナンスをして安全を考慮した方が良いです。
しかし、日常生活がメインとなるママチャリの場合は、各部品のメンテナンスをする機会が少なくて済むように出来ているので、メンテナンスが必要になるサスペンションは取り付いていると逆に大変になります。
そのため、基本的にママチャリにサスペンションは必要ないとも言えます。
ショックを吸収するのは、サスペンションだけではない
サスペンションが取り付けられていれば、地面からの衝撃を吸収することが出来ます。
しかし、タイヤとフレームにも、同じように衝撃を抑え込む効果があります。
タイヤは太くて空気の量が少ないほど衝撃も和らげやすくなりますが、走行時と回転時の抵抗力が増えるため、前になかなか進めなくなってしまいます。
そのため、速さを重視するスポーツサイクルには、スピードを出しやすいように、細身のタイヤが使われています。
一方、シティサイクルは安全性が高く快適に走ることを目的としているので、太いタイヤでも問題ありません。
タイヤのサイズが小さい場合は、その分太くするように作られています。
小さいタイヤは衝撃に耐えられず、軽減することが出来ないため、太さで補うのです。
そのため、サポートとして後ろ側にサスペンションを付けているタイプも存在します。
また、フレームで衝撃を吸収するのであれば、素材が大きく関係します。
その中でも高い効果を得られるのは「スチール」や「クロモリ」です。
特にスチールは、乗り心地を良くするために、ママチャリでよく使われています。
クロモリは、長時間走行するツーリングに特化した自転車に使われることが多いです。
このようにサスペンションだけでなく、タイヤやフレームもショック吸収出来るのです。
サスペンションが必要なのは、ママチャリではなくオフロードを走る自転車
サスペンションは、路面から伝わる衝撃を和らげてくれる便利なパーツで、何度も言うようですが町中を走るママチャリよりも、舗装されていない地面を直接走るオフロードタイプの自転車やバイクに組み込まれています。
その理由は、走行時のスピードが違い、凸凹した場所を走行するため、それだけ伝わってくるショックにも大きな差があるからです。
サスペンションが欲しい状況は、土や砂利の多い悪路を通る時や、タイヤの直径が小さいミニベロなどに乗る場合です。
悪路を走行する場合は、当然自転車が激しい揺れに襲われます。
また、ミニベロは小さいので、最初から衝撃の緩和はそこまで出来ない造りになっているのです。
その対処としてサスペンションが使われます。
しかし、サスペンションを取り付けると、、アスファルトやコンクリートの上ではペダルが重くて漕ぎにくくなるかもしれません。
つまり、日常生活での使用頻度が高いママチャリには、かえって邪魔になる可能性があるのです。
サスペンションが取り付けられていることでの見た目や機能に重点を置くのも良いのですが、普段の使い道を思い返して、果たして使いやすくなるのかどうかをじっくりと考えてみると必要なのかが分かると思います。
サスペンションはママチャリに必要ない
サスペンションの役割についてご紹介しました。
マウンテンにサスペンションが付いているのは、そもそもオフロード用自転車として作られているからです。
舗装された道路ではかえってサスペンションが付いていると、進みにくいなどのデメリットもあるのです。
街乗りで使用するママチャリには、サスペンションは必要ないものでしょう。