毎日、通勤や通学、サイクリングで自転車を使用している方は、冬の道路に気をつけなければいけません。
なぜなら、冬の道路はたとえ雪が降っていなくても凍結することがあるからです。
では、いったいなぜ道路が凍結するのか原因と、自転車が凍結した道路を走ったらどうなるか、危険性についてご紹介していきましょう。
道路の凍結にも種類がある!?
基本的に道路の凍結は、気温が低下することで路面状にある水分が氷状態になって起こります。
こうした路面の凍結は、雪が降らない場合でも起こりえるので、車や自転車などの車両は特に注意が必要です。
また、道路の凍結パターンは、主に3つあります。
まず1つ目は、雪が降った後に起こる圧雪を原因とした凍結です。
圧雪は、降り積もった雪の上を車両が何度も走行したことで雪が踏み固められた状態のことです。
この状態の雪の表面が日中の気温の高い時間帯に溶けて水になり、それが夜になると凍るのです。
そうして、道路の凍結が起こります。
2つ目は、スタッドレスタイヤでの走行が主流になったことと、交差点などでの車の停止と発進が原因で起こるミラーバーンです。
スタッドレスタイヤが走行時に鏡面圧雪を作りやすいことと、車が停止している際の車両下部のエンジン熱によって道路表面の氷が解けて水になり、それが凍ることでミラーバーンが起こります。
3つ目に挙がるのがブラックアイスバーンです。
これは、路面の水分が凍結し、路面に薄い氷の膜が出来た状態のことです。
ブラックアイスバーンは目視することが難しいため、知らず知らずにブラックアイスバーンに進入してしまうことがあります。
ブラックアイスバーンの上では、ブレーキをかけた際にハンドルをとられるといったことが起こりやすいです。
そのため、凍結するほど低い気温になっていたのを事前に知っているときは、濡れるように見える路面に十分な注意が必要でしょう。
道路の凍結が起こりやすい場所は?
凍結が起こる理由は分かったかと思いますが、道路の凍結が起こりやすい場所というのもあります。
それでは、どのような場所が凍結しやすいのかをご紹介していきます。
・気温が低くなりやすい橋の上
・トンネルの出入り口付近
・山道
・スタッドレスタイヤの鏡面圧雪されやすい路面
・交差点付近
基本的に日光が当たりにくい場所や、気温の変化が起こりやすいは凍結しやすいです。
そのため、車両が頻繁に止まる場所では、エンジン熱と外気で温度の変化が起こりやすいので特に注意が必要です。
更に交差点などは、車だけでなく自転車の走行も多いため、自転車に乗っている方も十分に注意しなくてはいけません。
また、橋やトンネルが多い場所や日の当たりにくい山道は、あらかじめ凍結しやすいと考えられる場所を確認して、把握しておくも大切です。
そのためにも、周囲の人と積極的に情報を交換していきましょう。
また、道路の凍結は気温が下がる朝晩に起こりやすく、この時間帯は一日の中でも最も注意が必要な時間です。
朝は、通勤や通学で自転車を利用する方が多く、路面の凍結状況をよく確認しておく必要があります。
また、夜は、帰宅などで車を運転する方が多い時間帯で、暗さで道路の状態を目で確認しづらくなっているため、速度を抑えて運転するなどの工夫が必要になります。
道路の凍結は気温だけでなく、気候でも左右される!
実は道路の凍結には気温だけでなく、気候も大きな影響を及ぼします。
外気温が氷点下になると路面凍結の可能性が高まることは、多くの方が知っていることです。
時間帯としては、気温が低く、車通りが少なくなる夜間に路面凍結が起こりやすくなります。
しかし、トンネルの入り口や橋の上などの地熱が伝わりにくい場所では、気温だけで凍結状況を判断することは危険です。
そのような場所は、通常の道路よりも路面温度が低下しやすい傾向があり、目視が難しいブラックアイスバーンが発生している恐れもあるため、進入する前にしっかりと減速を行いましょう。
また、雪が断続的に降り続いた場合や雪が降った後に晴れた際には、圧雪アイスバーンや路面凍結の危険性が高まるため、一層の注意が必要です。
路面凍結の際の事故を防止するためにも、車や自転車を利用する際には、気温だけでなく、気候にも十分に注意を払いましょう。
そして、特に自転車の方は、状況に応じて的確な判断を行うようにしてください。
凍結した道路を自転車で走ることの危険性
道路の凍結時には徒歩でも転倒の可能性があり、そういった路面を自転車で走る際には、転倒の危険性がより一層高まります。
自転車に乗って転倒した際に、歩行者を巻き込んでしまったり、車道側に倒れたことで、車が絡む大事故につながる可能性もあります。
このことから凍結した道路を自転車で走行することは、他者を巻き込むこともある非常に危険な行為なのです。
また、このような道路で自転車を走行させるのは肉体や精神に大きな緊張や疲労を与えることになります。
そこで、このような路面状況のときには、自転車に乗らないというのも選択肢の1つになってきます。
実は、タイヤの空気圧は、自転車の転倒と大きな関係があります。
空気圧の高いタイヤをつけた自転車は、通常の自転車に比べて転倒の可能性が高くなります。
タイヤに空気が上限ギリギリまで入っていると、タイヤと路面が接地する部分が少なくなるためバランスがとりにくく、転倒を起こしやすいのです。
そのため、パンク対策のために空気圧を高めにしている方は、より転倒への注意が必要になります。
道路が凍結していたら、自転車で走らない!
基本的には自転車で歩道を通行することはできず、同じ車道を車と自転車が走行しなければならない以上、常に事故の危険性が潜んでいます。
前述のように、路面凍結した道路では、自転車の転倒の可能性は大きく上昇します。
更に転倒しているときに車に轢かれでもしたら、生死に関わるほどの事態になることでしょう。
凍結している道路を自転車で走行するという行為は、自らの命を危険に晒す行為だといっても過言ではありません。
そのような路面では、車であってもスリップを起こしやすく、スタッドレスタイヤを履くなどの対策をしていないともなれば、なおさら危険です。
路面凍結が起こっている場合には、車と自転車のどちらが事故を起こす要因になったとしても、なんらおかしくないのです。
道路を通行する他者が存在する以上、自分自身がどれだけ事故に気を配っていたとしても、事故を必ず避けることはできないのだということを常日頃から意識しなくてはなりません。
結局のところ、「自転車を利用しない」という選択こそが、路面凍結時の事故を防ぐ最善策になるのです。
道路が凍結していたら、自転車ではなく違う手段を使おう
とはいえ、普段から通勤や通学で自転車を使用している方は、自転車が使えないとなると非常に不便な思いをすることになります。
自転車の冬用タイヤはごく一部の雪国でしか流通しておらず、基本的には販売されていません。
そのため、普段自転車で通勤通学されている方は、道路に雪が積もっていたり、路面が凍結した際には、公共の交通機関を利用したり、徒歩で行くことが主な移動手段になります。
バスや電車、徒歩での通勤通学は自転車のときよりも時間がかかるため、いつもの時間よりも早く家を出るといった対策が必要になるでしょう。
そのため、雪などで天候が悪い場合には、会社や学校などが登校時間や出社時間を遅らせるなどの措置をとることも必要になってきます。
また、教育機関においては交通教育を徹底することも重要なことです。
そうした工夫を行うことが社会全体で事故を減らすことにつながるのです。
いずれにしても、積雪や凍結の際には安全を第一に考え、自転車の使用を避け、徒歩や公共の交通機関を利用するようにしましょう。
道路が凍結していたら、自転車に乗らないこと
道路の凍結は、気温だけで起こるものではありません。
また、見た目は凍結していないと思っていても、凍結しているブラックアイスバーンには十分注意しましょう。
凍結した路面は歩行でも滑ってしまうのですから、スピードが出る自転車はなおさら滑りやすいと言えるでしょう。
雪道だけでなく、路面凍結していたら自転車に乗ることはやめてくださいね。