クロスバイクの場合、ギアの変速操作を行うのにシフターで変速を行います。
グリップシフトとトリガーシフト、2つの種類がありますが、今はグリップシフトを採用していた車種もトリガーシフト化されています。
グリップシフトとトリガーシフトの違いは、いったいなんでしょうか?
それぞれの特徴を見ながら、どちらが優れたシフトなのかご紹介していきましょう。
クロスバイクのシフトの種類!グリップシフトの特徴は?
クロスバイクのギア変速には、「トリガーシフト」と「グリップシフト」があります。
ロードバイクは、ドロップハンドルのため、それとはまた別のシフターです。
グリップシフトは、ハンドルグリップの内側の回転する部分を操作してギアを変速する方式です。
しかし、グリップシフトには欠点も多く、人差し指と親指でシフターを握って回転させるので長時間使い続けると手首が疲れてしまいます。
微妙な変速が難しく、自転車が跳ねるような悪路では誤操作が多くなります。
価格も安いため故障も多いと言われています。
最上級グレードのダウンヒルレースで使われることがありますが、その場合は特殊なモデルのシフターです。
昔は、グリップシフトを使用していたモデルであっても、トリガーシフトに変更したモデルもあるほどです。
その一例が、ジャイアントのエスケープR3です。
2010年と2011年に発売されたジャイアントのエスケープR3はグリップシフトを採用していましたが、2012年からトリガーシフトに変わりました。
今、グリップシフトを採用しているクロスバイクは、ホームセンターなどで販売されている低価格のものなどで多く見られ、他のクロスバイクのほとんどがトリガーシフトです。
グリップシフトと比べて、トリガーシフトの特徴を見てみよう
トリガーシフトは、文字通りトリガー、つまり引き金のようなレバーを押したり引いたりしてギアを変速する方式です。
このタイプのシフターは「ラピッドファイヤー」と「トリガーシフター」の2つがありますが、「ラピッドファイヤー」はシマノの「トリガーシフター」はSRAMの商標です。
ここでは、「トリガーシフト」という呼び名で統一します。
操作方法は、メーカーによって異なります。
ジャイアント エスケープR2を例にとってご説明すると、ハンドルには引き金のようなトリガーと親指で押し込むようなシフターがついています。
左側のハンドルにある変速装置はペダルにある歯車(フロントギア)に、右側のハンドルにある変速装置は後輪にある歯車(リアギア)に割り当てられています。
左側のトリガーを引くとフロントギアを一段軽いギアに変速させ、親指でシフターを押し込むようにすると一段重いギアに変速させます。
右側のトリガーを引くとリアギアを一段重いギアに変速させ、親指でシフターを押し込むようにすると一段軽いギアに変速させます。
このように変速動作は複雑ですが、頭で考えなくても変速できるようにするにはかなりの慣れが必要です。
グリップシフトのようにグリップに操作部分がないため、ポジションの自由度が増えます。
手首をひねることなく変速できるので楽になります。
特に長距離乗る人にとっては手が疲れにくくなると思われます。
どのギアに入っているかの表示も見やすく、操作しやすいです。
今のクロスバイクが、グリップシフトよりトリガーシフトが主流なわけ!
グリップシフトは、ハンドルと変速操作をするシフターが直線状に並んでいるので、操作しやすいという反面、同じポイントに変速したつもりでもグリップのひねり具合によってワイヤーの引き量が微妙に変わってしまい、変速がやや正確でないという点もあります。
グリップシフトは、変速機の調整が狂っていてもグリップのひねり具合で変速できてしまうことがありますが、変速機の調整が完璧に仕上がっているなら、トリガーシフトの方が速く正確にシフトチェンジできます。
クロスバイクは、マウンテンバイクとロードバイクの特徴を合わせてできた自転車なので、現在のようにクロスバイクが普及する以前に、マウンテンバイクで採用されたグリップシフトが採用されたクロスバイクが多かったのです。
しかし、現在はほとんどのメーカーのクロスバイクでグリップシフトが採用されなくなりました。
様々な面でグリップシフトよりもトリガーシフトの方が優れているからこそ、現在ではトリガーシフトの方が採用されていると言えるでしょう。
グリップシフトを採用しているのは、大体が低価格のクロスバイク
ホームセンターや自転車量販店には、3万円以下の安いクロスバイクが販売されています。
低価格のクロスバイクは、シティサイクルと同じで大量生産されて、コストも安く抑えられています。
そして、これら低価格のクロスバイクの多くには、グリップシフトが採用されていることが多いです。
また、自転車の価格の差がすぐに分かるのは自転車の重量です。
シティサイクルは18㎏ほどですが、低価格のクロスバイクは14㎏ほどです。
これはシティサイクルから、かごや重たい付属品を外した分、軽くなっています。
しかし、本格的なクロスバイクはフレーム素材から重量にコストをかけて作っているので10㎏ほどです。
本格的と呼べるクロスバイクは、空力やフレームなど他の部分にもコストをかけていますので、安くてもおよそ5万円台が下限です。
これらの本格的なクロスバイクはほぼトリガーシフトが採用されています。
その理由は前項で解説した通りです。
また、低価格のクロスバイクにグリップシフトが採用されているのは、グリップシフトの方がトリガーシフトよりもコストが低いことも要因だと言えるでしょう。
グリップシフトからトリガーシフトへ交換はできる?
グリップシフトよりもトリガーシフトの方が優れている面が多いことは述べてきた通りですが、グリップシフトをトリガーシフトに交換することは可能です。
自分で交換することも可能ですが、ワイヤー調整などの微調整もあるので、店頭で交換してもらうのが無難でしょう。
交換するトリガーシフトとしておすすめなのが、先ほど述べたシマノのラピッドファイヤーです。
おすすめする理由をいくつか挙げてみたいと思います。
・ハンドルに手を置く部分が増える
フラットバーハンドルの場合、バーエンドバーをつけることにより手を置いて休憩するポジションが増えます。
また、坂道で身体の引き付けが効果的に行えて効率よい身体の使い方が可能になってきます。
・シフトアップが短いストロークで行える
ラピッドファイヤーとは元々は銃の早撃ちを意味します。
文字通り銃の引き金を連続で引くような感じで、少ない動作で変速できるということです。
短いストロークでシフトアップが行えるので、素早くトップギアに持っていけるのです。
ほとんど力をかけずにスイッチの操作でシフトアップできます。
グリップシフトから、トリガーシフトへ!おすすめなラピッドファイア
前項に引き続き、シマノのラピッドファイヤーをおすすめする理由を挙げていきます。
・グリップを握ったまま変速できる
あるシフターでは、バーコントローラーと呼ばれる変速装置に指を伸ばして変速するものもあります。
レースのようなハイスピードな状況では、グリップを握ったまま変速したくなるでしょう。
特にダウンヒルの時は、しっかりとハンドルを保持したくなると思います。
そこでラピッドファイヤーは、人差し指でシフトアップ、親指でシフトダウンするので、四本の指は常にハンドルに添えることができるので安心感があります。
・変速操作を周囲に気づかれない
ラピッドファイヤーは人差し指一つでシフトアップできるので、レース時に瞬間的に仕掛けることができます。
それに音も静かで、手の動きを最低限にすることもできるので、有利になります。
ここまで、クロスバイクの変速装置についてトリガーシフトとグリップシフトを比較して解説しましたが、トリガーシフトの方が優れている部分が多く、本格的なクロスバイクにはほとんどトリガーシフトが採用されています。
トリガーシフトは、クロスバイク初心者には操作に慣れるまでに若干の時間が掛かりますが、体が慣れてしまえばスムーズな変速ができるようになるでしょう。
いずれにしても快適な変速を取り入れることで、快適な自転車生活を楽しみたいものです。
グリップシフトとトリガーシフト
いかかでしたか?
グリップシフトは今現在、あまり使用されていないシフターですが、有名メーカーのジャイアントでも以前は採用されていました。
グリップシフトの自転車の買い替えをしようと思っている方は、この機会にトリガーシフトを装備しているクロスバイクに交換してみるのも面白いですよ。