世界最大の自転車ロードレース、ツールドフランスですが、日本人が表彰台に立つことは少ないのが現状です。
その原因は、どこにあるのでしょうか。
ツールドフランスで、たびたび話題になる、観客による妨害事件についても取り上げました。
ツールドフランスを知らない?!世界最大のロードレース!
日本人にはあまり馴染みがありませんが、海外、特にヨーロッパでツールドフランスはかなり有名です。
1903年に始まったロードレースの大会で、毎年行われるのが慣例であり、2017年の大会で103回となりました。
レースを観戦する人は約1200万人を超えており、世界190ヶ国以上で放送されていて、その視聴者は35億人にもなるビックイベントです。
日本でも放送されており、有料チャンネルの「J SPORTS」が連日の生中継をしており、NHK・BS1では週末にハイライトを放送するので日本人の認知度が高まりつつあります。
しかしながら、何の妨害も受けていないのに日本でのツールドフランスの知名度は低いままです。
プロテニスやメジャーリーグに比べると知名度は断然低いです。
そのため、まずどこを見たら良いのか分からないという人も少ないでしょう。
そこでおすすめなのが、ツールドフランスに出ている日本人選手の活躍を見ることです。
ツールドフランスには新城幸也選手が出場しており、イタリアのチームである「ランプレ・メリダ」の一員として活躍が期待されています。
新城幸也選手はエースというよりはサポート要因としての出場になるのですが、ツールドフランスを観戦のきっかけになることでしょう。
日本人は世界で活躍できる!ツールドフランスでは?
日本では英才教育を受けてきた人が多く、あらゆる競技で日本人が活躍しています。
それはロードバイクでも変わりません。
ロードバイクの競技でも世界に活躍できる選手が現れるようになりました。
しかし、ツールドフランスでの日本人選手は入賞できないまま完走を記録しているだけでなかなか表彰台に上がれませんし、出場している人数もとても少ないです。
しかし、希望は生まれつつあります。
自転車産業振興会に調査によって2013年のスポーツバイクの販売台数が2000年の5倍になっていることが分かっており、街中でもヘルメットをかぶってロードバイクで颯爽と駆け抜けている人も見かけるようになりました。
つまり、ロードバイクをはじめとしたスポーツバイクのブームが生まれているということです。
それに、ブームに呼応するようにスポーツバイクを扱うテレビ番組が放送されるようになりましたし、ロードレースを題材にしたマンガ『弱虫ペダル』が人気になるなど、ブームの火は絶えることがありません。
また、2013年からツールドフランスさいたまクリテリウムというレースが始まり、世界のトップ選手が日本に集結するようになったことも影響が大きいでしょう。
昔はロードバイクの情報は妨害を受けているんじゃないかと思うくらい入手困難なことでしたが、今では生で選手を見れるほど簡単になりました。
このように知名度が少しづつ上がってきているので、これから世界で活躍できる選手が出てくることでしょう。
日本人のツールドフランス出場選手が少ない理由
ツールドフランスで日本人が活躍できない理由はいくつかあります。
1つ目は、歴史の差です。
ツールドフランスは100年以上の歴史がありますが、日本のスポーツバイクブームは始まったばかりです。
そのため、幼いころからスポーツバイクに乗っている日本人は少なく、幼いことからスポーツバイクに慣れ親しんでいるフランス・イタリア・スペイン・ベルギーといった国々の人とは経験が違うのです。
また、そのような国々の家庭は親子3代でスポーツバイクが大好きということも珍しくないことで、日本人とは意欲も違います。
2つ目は、選手育成の環境の違いです。
ロードレースは、常時時速40kmから時速60kmくらいになるのですが、そのような速度で走行できるくらいの道が日本にはとても少ないです。
ヨーロッパでは自転車専用道路も多くて、毎週にように自転車レースが開催されているくらいに自転車が生活に密着しています。
また、レースの開催頻度によって、日本人レーサーはレースでの駆け引きを学ぶ機会が少ないです。
3つ目は、選手の方向性の違いです。
日本ではロードバイクの選手をしていてもほとんど稼げないのです。
それがロードバイクの日本人選手の出現を一番妨害しているとも言えるでしょう。
日本で自転車で稼いでいこうとするなら、競輪しかないので、ほとんどの日本人選手は競輪を目指してしまうのです。
ツールドフランスの名物?!観客のお祭り騒ぎと妨害行為
日本人はあまり知らないのですが、ツールドフランスは大きい大会でもあるので、お祭り騒ぎになってしまうことがあります。
フランス人には礼儀正しい人が多くいるのですが、応援スタイルはとてもユニークで、お祭り騒ぎという言葉がよく似合います。
仮想があれば女装があり、パフォーマンスする人がいれば露出狂みたいな格好になる人もいます。
それにツールドフランスが行われる7月はヨーロッパではバカンス時期であり、十分な時間を確保できるからなのか、はたまた気温が高いのが原因なのか、肌を露出しても風邪を引くこともなく陽気な人が多いです。
そういう観客の熱気もツールドフランスの華の一つでしょう。
しかしながら、困ってしまうのはレースの妨害をしてしまう人がいることです。
2016年のツールドフランスにて、観客が報道車両を止めてしまって、選手が車両と激突して落車してしまうことがありました。
ツールドフランスは、観客と関係者の距離が近くて、また、観客が盛り上がる大会ではあるのですが、観客のマナーの悪さが問題になっています。
過激すぎる!選手との衝突を招く観客による妨害!
ツールドフランスでは、選手と観客のトラブルがよくあります。
クリス・フレーム選手は、走行中にコップに入った尿をかけられるという妨害を受けています。
ステージ終了後のインタビューでは、50kmから60kmくらいで観客から「ドープ(ドーピングしている)」と叫ばれながら尿をかけられたとクリス・フレーム選手自身が語っています。
そして、ツールドフランス2016では、クリス・フルーム選手の脇を観客がコロンビア国旗を掲げながら走っていた観客にエルボーを食らわすというアクシデントもありました。
そのステージでは、クリス・フレーム選手はステージ優勝しているのでレースにはあまり影響がなかったのですが、不適切な行為であったために、選手は200スイスフラン(約2万円)の罰金を払うことになりました。
そのようにツールドフランスには選手と観客のトラブルがあるのです。
特に尿をかけるなんてことは日本人だけでなく多くの国々の人たちが理解できない行為でしょう。
ツールドフランスは、フランス国内の大きな大会なので単純に騒ぎたい人が現れてしまうことも事実です。
それに大して対策したいわけですが、全長3500kmのコース全体を交通規制するわけにはいきませんし、コスト面から大きな柵を作ることもできないので、実際的な対策を施すことは難しいのです。
妨害にまけないで!ツールドフランスで活躍する日本人選手
2016年では、日本人の新城幸也がツールドフランスで活躍しました。
まずはランプレ・メリダが登録選手の発表を行い、その中に新城幸也選手の名前があることが判明したことがビックニュースだったのです。
それというのも新城幸也は2月に大腿骨を骨折していたので、回復が間に合わないのではないかと思われていたからです。
しかし、新城幸也は骨折に負けず、激しいリハビリと壮絶なトレーニングを経て6度目のツールドフランスの切符を掴んだのです。
ツールドフランスでは、唯一の日本人となるので出場するとなると期待感は高まります。
そして、7月7日に行われた、190.5kmの第6ステージにて新城幸也選手は敢闘賞を獲得する活躍を見せてくれました。
2012年の第4ステージ以来の2度目の受賞です。
レース展開としては、スタート直後から逃げ、つまり先頭に踊り出ることでした。
残り22kmまでは逃げ切ることに成功したのですが、それからレースが激化、互いに譲らず、ゴールはマーク・ガヴェンディッシュ選手が制しました。
日本人初の入賞は果たせなかったのですが、ツールドフランスによくある観客の妨害がある中で素晴らしい走りだったと思います。
日本ではあまり馴染みのないツールドフランスについて
日本でも、ロードレースが注目されるようになってきましたが、世界最高の選手が集まる、ツールドフランスで名を残すのは、まだまだ難しいようです。
ビッグイベントだけに、熱狂的なファンによる妨害行為もめずらしくないツールドフランス。
新城選手に追いつけ追い越せと、若手の選手が増えて、危険で魅力的な頂に上ってくれることを、期待しています!