自転車の、チェーンとスプロケットは消耗品です。
チェーンの伸びと、スプロケットの磨耗は大きく関係しています。
ではいったい、交換時期の目安をどう見極めればいいのでしょうか?
今回は、チェーンとスプロケットについてご紹介していきます。
チェーンが伸びていると、スプロケットの変速に問題が生じる!?
安全に自転車に乗るためには整備をしっかりすることが大切です。
シティーサイクルであればチェーンやスプロケットを交換することはあまりないと思いますが、ロードバイクであればその交換時期を自分で見定めなければなりません。
ここでは、チェーンが伸びる現象について詳しくご説明していきます。
そもそもチェーンが伸びるとは、どういうことなのでしょうか。
ロードバイクに長いこと乗っていると、チェーンのリンクに小さな隙間ができてきます。この隙間の影響で、チェーンの長さが長くなります。
これが一般にチェーンが伸びた、と言われる状態です。
チェーンが伸びると、変速に悪い影響を与えます。
ロードバイクについている外装変速機と言われるものは、変速機がチェーンを脱線させて横のギアにチェーンを移動させるものです。
その時、チェーンは横に大きく引っ張られたり押し込まれたりします。
もし、チェーンが伸びていると横の動きが柔らかくなって、余計にチェーンを動かさなくてはなりません。
こうしたことを防ぐために、チェーンが伸びた場合はチェーンを交換する必要があります。
また、チェーンが外れやすくなってしまっている状態でもあります。
危険なので早めに交換するようにしましょう。
チェーンとスプロケットの関連性!スプロケット交換時期は?
前項では、チェーンが伸びるとどのような悪い影響が出るのかをご説明しました。
この項では、スプロケットの交換時期とチェーンの関連性についてご説明します。
変速した時に、チェーンが浮いてスムーズな変速をしなくなったら、スプロケットの歯が摩耗している可能性があります。
その理由は、チェーンが伸びてチェーンの隙間が歯に合わなくなるため、スプロケットの歯が摩耗してしまうのです。
また、この現状はチェーンリングにも同じことが言えます。
それでは、スプロケットの交換時期はどのように判断すれば良いのでしょうか。
スプロケットによっては、交換時期を示す印がついているものもありますが、それに頼りすぎない方が良いです。
スプロケットの消耗の程度を調べるためには、リアブレーキをかけた状態でクランクに力をかけてみてください。
その時、チェーンが持ち上がるようなら、スプロケット側の歯が摩耗して深さが足りない証拠です。
このような状態になったら、交換した方が良いでしょう。
チェーンの交換時期の目安は?
チェーンが伸びた状態だと、スプロケットの歯も摩耗するという関係性についてご説明しました。
スプロケットの交換時期はわかりましたが、チェーンの交換時期はどのように見極めれば良いのでしょうか。
ここでは、チェーンの交換時期の目安についてご紹介していきます。
チェーンの交換時期を調べるなら、チェーンチェッカーでチェーンの長さをチェックするのが最も確実で簡単な方法です。
チェーンチェッカーは、チェーンの上に置いてみて、チェーンが伸びているとおさまってしまいますが、適切な長さだと少し浮くように出来ています。
しかし、チェーンチェッカーはそれほど頻繁に使用するものでもなく、それも構造も単純なので、購入するのを躊躇ってしまうという方もいるでしょう。
そこで、他の方法もご紹介します。
チェーンをアウターに入れて、チェーンリングの部分で持ち上げてみて下さい。
この時、チェーンの歯が見えてしまうようなら、チェーンが伸びている証拠です。
また、サイクルコンピューターを使っているなら距離数を目安に交換する方法もあります。
チェーンの寿命は、よほどの力がかからない限り3000~5000㎞です。
ただし、チェーンは乗り方以外にも、メンテナンスの有無、使用頻度、利用するコンディションによっても寿命が左右されます。
ライトユーザーならば1年に1回の交換で済むでしょう。
スプロケットの交換時期を延ばすには、チェーンのメンテナンスを!
チェーンの交換時期についてご説明しましたが、チェーンが伸びてくるとスプロケットもダメージを受けます。
つまり、チェーンのメンテナンスをすることでスプロケットの寿命を延ばすことが出来るのです。
スプロケットに比べてチェーンは安いパーツです。
チェーンは3,000円程度で、高級なシマノのデュラエースにしてもプラス1,000円くらいのものです。
それに対し、スプロケットはデュラエースで20,000円以上、シマノのアルテグラで7,000円程度、シマノ105で5,000円程度です。
価格だけを見ても、チェーン交換をこまめにして、高価なスプロケットを長持ちさせる方が良いことがわかると思います。
また、チェーンが伸びるのをできるだけ防ぎたい、という場合にはチェーンの掃除と注油をこまめに行うようにしましょう。
汚れたチェーンは、小さな金属や砂利などを含んでおり、それがチェーンを摩耗させます。
さらに、チェーンが充分に注油されていない状態で乗るとチェーンにかなりのストレスがかかり、金属同士が擦れてギアやチェーンが摩耗していきます。
そして、汚れや油切れによって、抵抗が発生するのでペダルも重くなります。
スプロケットの寿命も延ばす、自転車チェーンの注油方法とは?
スプロケットの交換時期を延ばすためには、チェーンのメンテナンスが必要だとご説明しましたが、メンテナンスの方法を、順を追ってご説明します。
1.チェーンクリーナーでチェーンの汚れや油分を吹き飛ばす。
フレームやホイールにかからないよう、ウエスを当てましょう。
2.チェーンを回しながらチェーン全体を洗浄する。
ウエスで汚れをふき取ります。
3.洗浄液と水気をふき取って乾かす。
クリーニングの後、乾燥したペーパーやウエスなどでしっかり水分をふき取ります。
4.リンクに注油する。
オイルはチェーン全体ではなく、コマとコマの間のリンク部に丁寧に注油しましょう。
5.変速してオイルを行き渡らせる。
全てのピンに注油し終わったら、ディレイラーを操作して全てのギアに変速させます。
チェーンのオイルをスプロケットにも行き渡らせます。
6.余分なオイルをふき取り、しばらく放置する。
チェーン内部のピンのみが注油を必要とします。
その他の部分についたオイルはホコリがつく原因となるので、ウエスでふき取ります。
30分ほど放置してなじませたらチェーン周りをきれいにして終わりです。
意外に簡単!?スプロケット交換方法!
チェーンのメンテナンスでスプロケットの寿命は長くなりますが、それでもスプロケットの寿命は来ます。
そこで、スプロケットの交換方法をご説明します。
用意するもの:
スプロケット固定工具
ロックリング締め付け工具
プロソケット
1.自転車からリアホイールを外します。
2.クイックリリースを抜き取ります。
3.スプロケット固定工具に付いたチェーン部分を、スプロケットの一番大きい方の歯にひっかけます。
4.プロソケットにロックリング取り外し工具をセットします。
5.セットしたプロソケット工具を、スプロケットを固定しているロックリングの溝に沿って装着します。
6.プロソケットを反時計回りに回してロックリングを緩めます。
7.スプロケットを取り外します。
8.スプロケットがはまっていた部分にある溝に合わせて新しいスプロケットをはめ込みます。
※スプロケットがはまっていた部分をフリーハブボディと言い、溝の形はメーカーによって異なります。
9.残りの歯も溝に注意しながらはめます。
10.スプロケットを固定するため、ロックリングをセットします。
11.先ほど使用した工具でロックリングを、時計回りにきつく締めます。
12.スプロケットを回し、スムーズに動くか確認したら終了です。
スプロケットの交換時期は比較的遅めではあります。
しかし、チェーンが伸びたままにしておくと寿命を縮めます。
チェーンが伸びたと感じた時は、調べて早めに交換しましょう。
また、スプロケットの交換は工具があれば比較的簡単に交換できますので、自分で交換してみるのも良いでしょう。
自転車のチェーンメンテナンスをしよう
自転車のチェーンが伸びた状態で走行していると、スプロケットまでも痛めてしまうことがわかりましたね。
自転車のチェーンのメンテナンスは、チェーンだけでなく、スプロケットの寿命も延ばすことに繋がります。
チェーンメンテナンスは、自転車走行後に行うといいでしょう。
最低でも月に1回は、メンテナンスしてあげましょう。